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「家族が急に倒れたら!?」コロナ禍の介護で、注意すべきこととは。

LIMO / 2020年12月3日 18時0分

「家族が急に倒れたら!?」コロナ禍の介護で、注意すべきこととは。

「家族が急に倒れたら!?」コロナ禍の介護で、注意すべきこととは。

東京消防庁によれば、救急車の月別の出動件数で秋が6万件前後なのが、12月・1月は風邪やインフルエンザが原因で、7万5000件前後まで急増するといいます。(※(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/camp/2020/202012/camp2.html#camp2-an01))

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が再びはやり始めたこの冬。介護者は例年以上に緊急時の対応に備える必要があります。

そこで、30歳過ぎから祖母の在宅介護を6年間経験した筆者の経験をもとに、「家族が急に倒れた時の介護者がコロナ禍で注意すべき3つのこと」をお伝えします。ご参考になれば幸いです。

「救急車を呼ぶ前に」介護者が心がけたいこと

ある日の夜中、突然祖母の寝室から「ドンドンドン」と音がしました。

筆者が目を覚まし寝室へ行くと、祖母が横になって転倒…。私は「ばあちゃん、どないしたん?大丈夫か?」と声をかけましたが反応がなく、急いで救急車を呼びました。

10分後、救急隊員が数名ほど到着し、検温や問診の結果、救急搬送に。そして「尿路感染」により、2週間の入院が必要と診断されたのです。

筆者はこのとき、介護者として3つの注意が必要だと感じました。

① 就寝前に検温と血圧測定をする

ふだんは、祖母が寝る前にできる限り体温や血圧を測っていました。ところがこの日はバタバタしていて測定していませんでした。

認知症が進行した高齢者などは、体調変化に気がつきにくい場合があります。特にこのコロナ禍では、介護者が注意して、できるだけ毎日測定してください。

② 119番ではなく7119番に相談してみる

7119番に連絡すると、救急安心センター事業の窓口につながります。症状を具体的に伝えると、救急車を呼ぶほどの緊急性や、病院受診の必要があるかどうか、医師や看護師が相談にのってくれます。コロナ禍では救急車や救急隊員の不足が予想されますので、命に関わるような、一刻を争う症状ではない場合、まずは7119番を利用しましょう。

③ 救急車を呼んだ後「4点セット」を用意する

7119番に問い合わせた結果、救急車を呼んだほうがいいと告げられた場合、介護者は速やかに119番に連絡しましょう。そして、救急隊員がかけつけるまでに下記のものを用意しましょう。

健康保険証・介護保険証

お薬手帳

診察券

救急隊員が心電図・聴診器・問診をした結果、病院搬送が必要と判断した場合、本人の保険証類、お薬手帳、診察券、薬の保管場所などを聞かれると思います。

複数の救急隊員が自宅へ入ると、介護者自身が緊張や動揺で、どこにあるかをすぐに答えられないことがあります。また、本人しか保管場所を知らない場合も。筆者も祖母が倒れた時、どこにあるかを把握していませんでした。介護者は、普段から大切なものがある場所を必ず確認しておきましょう。

そして、介護者は救急隊員に保険証・お薬手帳・診察券・薬を速やかに渡し、不要不急の用事がない限り、救急車に同乗しましょう。

ただし、救急隊員から「新型コロナウイルスの感染防止で密を回避するため本人と別々に来て下さい」と言われる場合も少なくないでしょう。その際、介護者は指示に従いタクシーや公共交通機関や自家用車で移動してください。

次では、万が一、介護する側が新型コロナウイルス感染症に感染してしまったときのために有効な対策をご紹介します。

コロナ対策「緊急引き継ぎシート」

介護者は、本人が新型コロナウイルス感染症に感染した場合に備え、「介護引き継ぎシート」を作り、ケアマネジャーや主治医の連絡先、現在の介護体制、治療内容、ケアの方向性や療養方針を書いておくようにしましょう。

一般社団法人日本ケアラー連盟の“「ケアラーのバトン」緊急引き継ぎシート”はとてもわかりやすく作られています。

一般社団法人日本ケアラー連盟のホームページよりダウンロードが可能です。
「ケアラーのバトン」緊急引継ぎシート(https://carersjapan.jimdofree.com/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E9%96%A2%E9%80%A3/)(2020年4月16日)
 

介護引き継ぎシートには、本人とケアラー、そしてバックアップ(引き継ぎ可能)ケアラーについての情報を記入します。その際、下記の1~3を注意していきましょう。

    「バックアップ介護者の氏名や連絡先」「要介護者等に関する引き継ぎ事項」、介護者は家族など関係者と相談し、連絡先を記入。

    介護者は、他の家族や親戚に介護を頼めるか、一時的に介護施設や病院に入所・入院してもらうのか、あらかじめ主治医やケアマネジャーと相談しましょう。

    介護者の同居者は「濃厚接触者」になるので、デイサービスやショートステイでは受け入れてもらえない可能性があります。そのため、自治体の体制や地域の受け皿を確認しておくこと必要があります。

この緊急引き継ぎシートを作成しておけば、本人の急病時に救急隊員や主治医が具体的な症状を把握でき、家族にとっても説明しやすく心強いでしょう。

まずは「訪問看護」や「かかりつけ医」に相談を

急病や自宅で倒れた場合、「まずは救急車!」と考えがちですが、訪問看護ステーション、もしくはかかりつけ医に相談する方法があります。

検温・血圧測定・聴診器で胸を聞く・問診などを行い迅速かつ的確なアドバイスをしてくれます。本人の病歴や性格などをよく把握してくださっている場合が多く、いざとなったときに、とても心強い味方となってくれます。筆者も、祖母の急病時に何度も助けていただきました。

夜中から朝方にかけての急病にも対応可能な、町の開業医さんと日頃から関わりをもっておくのも、安心かもしれません。

さいごに

いまだ終息の兆しがみえないコロナ禍。介護者は万が一の場合に備え、「4点セット」や「緊急引き継ぎシート」を用意しておきましょう。

そして、訪問看護や7119番を積極的に活用し、医師や看護師の指示を仰いでください。

コロナ禍において、救急車の利用は最終手段であるという点を、介護者は頭に入れておきましょう。そして、本人の急病時には、極力落ち着き、冷静に対処することが望まれます。

【参考】
「年末年始の救急事故をなくそう(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/camp/2020/202012/camp2.html#camp2-an01)」広報テーマ2020年12月号 東京消防庁
「救急安心センター事業(♯7119)ってナニ?(https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html)」救急車の適正利用 総務省消防庁
「ケアラーのバトン」緊急引継ぎシート(https://carersjapan.jimdofree.com/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E9%96%A2%E9%80%A3/) 新型コロナウイルス感染拡大に伴うケアラーのための緊急情報サイト 一般社団法人日本ケアラー連盟

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