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年金に無関心では損をする時代〜老後に向けた資産形成も”自助努力”が求められるように

LIMO / 2020年12月1日 20時0分

年金に無関心では損をする時代〜老後に向けた資産形成も”自助努力”が求められるように

年金に無関心では損をする時代〜老後に向けた資産形成も”自助努力”が求められるように

年金は年金保険料を積み立てないともらえない

「つみたて投資」の究極は国の年金です。というのも、全ての国民は20歳以上で国民年金に加入しなければなりませんし、その後就職して会社員になると厚生年金にも加入します。年金の受給開始年齢は(現状)65歳なので、多くの人は30年以上年金保険料を支払い続けるわけです。

こうした制度があるのですから、本来は「老後2,000万円不足問題」の前に、自分がどのくらいの公的年金をもらえるか知っておくべきなのですが、意外にこの点が見落とされています。

加えて、多くの方は年金がどのように運用されているかにも無関心です。金融機関で資産運用に携わっている社員でさえ、その中身をじっくり見たことがない場合が多いのではないでしょうか。

もっとも、年金と言っても、いまや国民年金、国民年金基金、厚生年金、確定給付年金(DB)、確定拠出年金(企業DC)、個人型確定拠出年金(iDeCo)と多種にわたりますし、会社員の場合、年金保険料は給与天引きで支払われます。

意識せずに年金保険料を支払うわけですから、その結果についてまで関心を持つのは難しいかもしれません。かつては筆者もそうでした。

しかし、消費増税やコロナショック等によって景気が悪化し、雇用環境も悪化する現在では、もう余裕で構えている場合ではありません。なぜなら、こうした経済ショックは世の中の仕組みを変えていき、企業はより効率的な経営をしていくからです。

大量採用・長期雇用の時代は終わり、退職金や企業年金も逓減していくことはあれ、逓増することは考えられません。そう、現役時代も引退後も自助努力が必要とされる時代になっているのです。

今、年金保険料を支払っている30代から50代が、年金も含めたゆとりのある老後資金を必要としています。そのためには、自分がどの年金に加入してどのくらいの年金が支払われるのか把握して適切な運用をしない限り、長期的な資産設計はできないはずです。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用成績はまずまず

図表1は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する年金積立金の運用資産の構成割合です。国内債券・短期資産が約27%、国内株式が約24%、外国債券が約23%、外国株式が約26%という内訳です。

運用収益率は2020年6~9月末の3カ月で+3.05%(収益額は4兆9,237億円)とプラスリターンを確保できています。01年度から20年度第2四半期までの通期年換算リターンは+3.1%(収益額は74.9兆円)となっており、この間マーケットが大きく変動していたことを勘案すると、GPIFの運用はまずまずの実績だったと言えるでしょう。

たまに年金運用がうまくいっていないと政府が批判にさらされますが、四半期ごとでは運用成果にばらつきがあるのは当然です。むしろ、結果的に年金積立金が増えていることをよしとせねばなりません。もっとも、GPIFがほとんどリターンのない国内債券を買い続けているのは、いかがなものかと思います。

GPIFが運用する年金積立金の運用資産構成割合及び運用成績

(/mwimgs/7/e/-/img_7ec4b7929717e97767fd689f128b004a118146.jpg)

拡大する(/mwimgs/7/e/-/img_7ec4b7929717e97767fd689f128b004a118146.jpg)

出典:年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)2020年度第2四半期運用状況(速報)

私的年金は確定拠出型が主流に

最近は公的年金(確定給付年金)に加え、企業型確定拠出年金(DC)やiDeCo(個人確定拠出年金)での運用も増えてきています。その背景には確定給付年金加入企業数が頭打ちになる一方で、確定拠出年金への加入が増えていることが挙げられます。

確定給付年金は年金額を加入者に保障しますから、運用結果が伴わなければ企業が運用不足分を補填しなければなりません。確定給付年金における企業の運用結果責任は大きいのです。一方、確定拠出年金は運用プランを決めるのは加入者である従業員ですから、企業の負担は格段に少ないわけです。

しかし、ここに落とし穴があります。確定給付年金から確定拠出年金への移行は、言い換えれば運用責任を企業から加入者へ転嫁することです。加入者としては将来自分が受け取る年金を増やすため、しっかりとした運用プランを立てなければいけません。

結局、年金を「自分事」とするためには、公的年金であれば「ねんきん定期便」を確認し、企業年金であれば将来の受給額を知っておくことにつきます。余裕があれば、iDeCo(個人確定拠出年金)や少額投資非課税制度の「つみたてNISA)などを利用して、自分自身の年金を作ることです。

このような小口投資でさえ、それを勧めると証券会社や銀行の手先だと批判されることもあるのですが、そうではありません。言いたいのは、金融商品を買う買わないに関わらず、自助努力をしないと結局のところ資産形成はできないということです。

令和の時代、やり方次第ではほぼ無手数料で公的年金以上のリターンを求めることも可能になってきました。情報格差が資産格差につながる時代になってきているのです。

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