冷めた夫婦にならないために「お金で揉めない夫婦」の円満コミュニケーション術
LIMO / 2020年11月30日 19時45分
冷めた夫婦にならないために「お金で揉めない夫婦」の円満コミュニケーション術
結婚後に得た収入や財は夫婦の共有財産です。お互いの今後を左右する大切な財産だからこそ、ときとして自分勝手な行動が夫婦の揉め事の原因になってしまうことも。調査によると、3組に1組がお金のことで喧嘩をした経験があるそうです。そんな今、会話もままならない冷え切った夫婦にならないためにはどのようなコミュニケーションが必要なのでしょうか。
度が過ぎる勝手な買い物は夫婦関係に亀裂を生む?
スパークス・アセット・マネジメント株式会社がおこなった「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査2020(https://www.sparx.co.jp/news/uploads/pdf/PressJ201112.pdf)」(2020年10月16日~10月17日の2日間、全国の20 歳以上の既婚(配偶者がいる)男女1000人を対象に調査)によると、全回答者1000人のうち「1年間の間にお金が原因で夫婦喧嘩をしたことがある」と回答した人は全体の33.1%という結果に。約3人に1人が1年の間にお金のことで配偶者と喧嘩をしているようです。また、中には「20回以上」と回答したツワモノも2.3%いました。
生まれや育ちが違うもの同士が一緒に暮らすとなると、ものの考え方が違ってくるのは当然のことです。ある程度は仕方ないと思いつつも「これだけは最低限相手へのマナーとしてやっておくべきこと」のルールは共同生活において必要なものではないでしょうか。
調査ではさらに「夫婦でどのようなマネールールがあるか」を調査。以下の回答が上位となりました。
1位 勝手に高額な買い物をしない 36.5%
2位 お小遣いの使い道には口出ししない 22.5%
3位 毎月一定額は貯金に回す 20.9%
4位 お金のことで不満があったら伝える 20.5%
1位になった「勝手に高額な買い物をしない」というのは、一緒に暮らす上でとても大切なことです。「飲み会代や衣料品を買う感覚で自動車や高額家電を買われてしまってはたまらない」というパートナーの声が筆者の周りからも聞こえてきます。
ご主人の趣味が車というTさん。ご主人の愛車はTさんが乗りこなせるようなタイプではなかったため「家族が平日移動しやすい自動車が欲しい」と独断で軽自動車を購入してしまったそうです。手軽なローンと思っていたその自動車ですが、駐車場代や保険代など維持費が思ったより多くかかり、ローンを支払い終える前に手放すことに。ご主人から「痛い勉強代だったね」といわれたそうですが、Tさんからすれば「そもそも夫が勝手に買った車が趣味色の強いものではなく、家族で使いやすいファミリータイプのものだったらこんなことにはならなかった」と感じたそうです。
周囲から見れば、Tさんご夫婦の喧嘩は明らかにコミュニケーション不足によるものであることは簡単にわかります。高額の買い物は後々までしこりを残しやすいものなので、特に注意が必要です。
お小遣いは干渉しない
その一方「毎月決まった額のお小遣いに関しては口出ししない」ことをマネールールとしているご家庭も多数。いったいどのような理由なのでしょうか。
・「夫に趣味のことを干渉されたくない。だから自分も夫が決まった金額の中で楽しくしているならそれが何に使っていようと気になりません」
・「結婚前から競馬だけは止められないと宣言していた夫。勝った負けたという話を聞くとこちらも精神的に負担になるので『決まった金額を超えないのであれば好きにして』といってあります。最近ではお金を貯めて一口馬主になったようですが、それで儲かろうが損しようが夫の趣味。これが我が家の程よい距離です」
・「妻は以前、お小遣いという形をとっていなかったのですが、その頃はやれランチだ新しいコートだと好き放題散在していて。さすがにちょっとやりすぎだろうとお小遣いを決めてその範囲でやりくりしてもらうことにしました。以来、欲しいものがある時は付き合いを減らしたり、目標の服のない時は友人とランチを楽しんだりしているようなので、緩急がついてよかったなと思います」
男女の間には理解しがたいこだわりや欲しいものへの温度差が多々あります。そういったものまですべて把握し理解しようとすることはかなりの労力を使うもの。「だったら知らない方がいい」という意見も頷けます。
それでも不満があるときは
いくらルールを決めていても、イレギュラーは発生するものです。そんなときはどうしたらいいのでしょうか。4位に上がった「お金のことで不満があったら伝える」というのは、何も喧嘩をするというわけではありません。
将来への不安や相手のお金の使い方への不満など、我慢しつづけた結果として修復が不可能になり、離婚などにつながってしまうのはもったいないですよね。お金に関する感覚は本当に人さまざまです。筆者の知人のご夫婦は「回転寿司で高額のものをたくさん食べるのが理解できない」という奥様に対し「せっかく外で食べているんだから一番おいしいものを食べないのはおかしい」という考えだった結果、かなりもめたことがあるそうです。
ただ、お互いの気持ちを伝えあったあとは、「今日の予算はこれくらいだからその範囲で楽しんで」という風になり、以前の様に心の中で憎々しく思うことはなくなったそう。小さなことではありますが、相手を嫌いになる前に改善できるところは変えていきたいですね。
夫婦であってもお金が絡むことはデリケートという意識を
「お金の切れ目が縁の切れ目」などといわれますが、せっかく縁あって一緒になった夫婦。相手を思いやる気持ちがあるのであれば、その人の生活を豊かにも貧しくもさせてしまうお金に関することは、より慎重におこないたいものです。
「うちの妻は何もいわない」というのは本当に不満がないからでしょうか。隙間風が吹いてしまう前に、お互いのコミュニケーションは足りているか、もう一度確認してもいいかもしれません。
【参照】
スパークス・アセット・マネジメント株式会社「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査2020(https://www.sparx.co.jp/news/uploads/pdf/PressJ201112.pdf)」
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