「在宅なんだから、役員できるよね?」仕事と家庭の両立に悩む、ワーママ4人の本音
LIMO / 2020年12月22日 18時45分
![「在宅なんだから、役員できるよね?」仕事と家庭の両立に悩む、ワーママ4人の本音](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_20617_0-small.jpg)
「在宅なんだから、役員できるよね?」仕事と家庭の両立に悩む、ワーママ4人の本音
ワーキングマザーは年々増え続けています。育児と仕事を両立する生活に満足している人も少なくないようですが、女性が社会で働くには不利な点が多いと感じているのも事実。今回は、ワーママたちの実情と本音をご紹介します。
働く女性はどんなキャリアを望んでいるの?
ソニー生命保険(株)が実施した「女性の活躍に関する意識調査2020」(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2020/nr_201027.html)によると、今の生活に満足していると回答した子どもがいる有職女性は6割(60.1%)という結果に。子どもがいない有職女性が4割(39.6%)という結果と比べると、ワーママは現在の生活に満足している人が多いようです。
実はワーママのほうがバリキャリ志向?!
「今後(も)、バリバリとキャリアを積んでいきたいか」という問いには、子どもがいる有職女性の4割(40.6%)が「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答しています。一方で、子どもがいない有職女性は28.4%、有職女性全体では34.2%という結果が出ており、ワーママのバリキャリ志向の高さがうかがえます。
管理職には消極的な理由
有職女性全体に「管理職への打診があれば、受けてみたいか」という質問に、「そう思う」は18.7%に対し、「そう思わない」は53.9%という結果から、管理職になることには消極的な人が多いようです。
その理由として、管理職になることには「責任が重くなる」「ストレスが増えそう」などがある中で、子どもがいる有職女性の管理職に対しての消極的な理由のひとつに、「仕事と家庭の両立が難しくなるから(44.2%)」があげられています。この回答は、子どもがいない有職女性の回答(18.5%)と比べて25.7ポイント高くなることから、ワーママは、バリキャリ志向はあるものの、管理職になることで仕事と家庭のバランスが崩れてしまうことを懸念している人が多いようです。
気になるのは、「女性が社会で働くには不利な点が多いと思うか」の問いに、有職女性全体で66.8%の人が「そう思う」と答えていること。子どもがいる/いないに関わらず、今の社会には働きづらいところがあると感じている女性が多いことがわかります。
働く女性の実情をもう少し具体的に見ていきましょう。
産休や育休後のママたちに立ちはだかる壁
出産して子どもがいても働き続けたい女性が増えています。しかし、産休や育休を経て、復帰する際にはいろいろな苦労があるようです。
待ち受けていたマミートラック?!
産休と育休を終えて職場復帰したAさん。
「以前は営業の仕事をしており、出産後もバリバリ働こうと意気込んでいました。ところが、育休後に任された仕事は事務補佐。しかも単純作業ばかりでキャリアコースから大きく外れたように感じます。営業手当や役職手当もなくなり、収入も一気に下がりました。上司に営業に戻りたい意向を伝えても、『ママになったんだからのんびり働いたら?』と返されるだけ…。噂には聞いていましたが、まさか自分がマミートラックに遭うとは思っていませんでした」
子どもの預け先が決まらない、就職できない
育児が落ち着いたらまた働きたいと考えていたBさん。
「育児が始まった途端、予想以上の出費に驚きました。保育園に預けて働こうと思ったのですが、地域の受け入れが難しい状況で希望した保育園にはどこにも入れませんでした。預け先が決まらないままの就職活動もうまくいかず…。結局、経済的に不安を抱えたままの生活が続いています。キャリアを諦めた代償が、こんなに大きいとは思いもしませんでした」
ママたちを悩ませる夫(男性)との差
産休と育休からの復帰後、周りの理解が得にくいことで苦しい立場に立つワーママたちも少なくありません。
子どもを蔑ろにしているといわれるのはママだけ
日本では父親が仕事に集中したとしても「子どもを蔑ろにしている」といわれません。でも、母親が子どものことを忘れ仕事に没頭すると「子どもがかわいそう」といわれることがしばしば。そのため、ママたちはいつでも子どものことを念頭に置きながら仕事をするというストレスを抱えているようです。
家族優先を求められ仕事に集中できない
妻が働く場合、どうしても家庭第一を求められる傾向があります。
資格を活かして社会とのつながりを保ちたいIさん。夫は無理な復職には反対でしたが、家庭を疎かにしないことを条件に承諾してもらえたそうです。
「しかし、休日のスキルアップ講習会に参加することを夫に話したら反対されました。その後、定時に上がれない日々が数日続いてしまったのですが、『いい加減にしろ!』と夫の怒りが爆発…。結局、両立を諦めることになりました」
在宅ワークゆえに周りに自由と思われる
フリーランスでイラストの仕事をするSさん。
「パートなど外で働くママたちからは、在宅の仕事=何時でもできるので用事があれば動けると思われていました。そんな中、『Sさんは時間が自由になる仕事だから』と学校に出向くことの多いPTA役員を押し付けられたのです。実際は多くの締め切りに追われ、調整も一苦労なのに…。役員の日は寝る時間を削って仕事をしています。もう少しフリーランスへの理解が得られる世の中になって欲しいです」
まとめ
子どもがいても働きたい、でも働きにくい…。ワーママたちのエピソードをご紹介しました。仕事自体の悩みより、周囲にその大変さを理解されないことのほうがストレスとなっているようです。とはいえ、ワーママは現在の生活にも満足している人が多く、キャリア志向も高い人が多いことから、仕事と家庭のバランスがとれたら今よりもっと意欲的に働く人が増えるのかもしれません。ワーママに限らず、女性の働き方について、社会、会社、周囲が理解を深める必要がありそうです。
参考
ソニー生命保険株式会社「女性の活躍に関する意識調査2020年版」(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2020/nr_201027.html)
【調査概要】
調査対象
ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする
全国の20歳~69歳の女性
調査期間
2020年9月28日~9月30日
調査方法
インターネット調査
調査地域
全国
有効回答数
1,000サンプル(有効回答から各年代が均等になるように抽出)
(内訳)各年代のサンプル数は以下のとおり
20代:200s/30代:200s/40代:200s/50代:200s/60代:200s
調査協力会社
ネットエイジア(株)
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