「しらけ世代」がコロナ禍の消費をけん引?「Go To トラベル」停止でどうなる、みんなのお金の使い方
LIMO / 2020年12月25日 17時45分
「しらけ世代」がコロナ禍の消費をけん引?「Go To トラベル」停止でどうなる、みんなのお金の使い方
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が一般消費に与えたダメージは大きく、回復には時間がかかりそうです。㈱矢野経済研究所が四半期(4~6月期、7~9月期、10~12月期の3期)ごとに消費の意識や行動の変化を中心にアンケート調査を定期的に実施しています。その結果をもとにして消費の変化について見ていきます。
日常消費で増えているのは食料品のみ
㈱矢野経済研究所が行った「Withコロナ社会の消費者心理の変化を捉える定点調査(https://kyodonewsprwire.jp/release/202011187310)」の結果、10~12月期の日常消費でお金を使った際の増減を見た場合、プラスの領域にあるのは食料品のみとなりました。日用品は2020年7~9月期ではプラス領域だったものの、10~12月期ではマイナス領域に入りました。
他にもファッション製品や化粧品・美容、外食や飲み会でも減少傾向を維持しています。(「改善した」「やや改善した」「変わらない」「やや悪化した」「悪化した」の5段階で質問、そこから算出した動向指数DI値を利用)
「ハレの日」消費は回復基調へ
一般消費が回復していない中で、「ハレの日」消費は、確実に回復していることがわかりました。「国内旅行」を見ると10~12月期に実施した人の割合は13.3%で、7~9月期の7.2%から6.1ポイントの大幅な増加となりました。
ハレの日消費のけん引役は「しらけ世代」
ハレの日消費を引っ張ったのが、55~61歳の「しらけ世代」です。この世代の10~12月期の国内旅行実施率は16.0%となり、プレッシャー世代(33歳~37歳)13.8%、バブル世代(49歳~55歳)13.7%、団塊Jr.世代(45歳 ~49歳)12.5%、ポスト団塊Jr.世代(37歳~45歳)12.2%、ゆとり世代(24歳~33歳)11.5%よりも割合が高くなっています。
結婚式の実施率も増加
「ハレの日」消費の1つ、結婚式も10~12月期に増加しています。4~6月期、7~9月期はともに0.5%前後の実施率だったのですが、10~12月期には1.0%程度と約2倍になりました。
まとめ
COVID-19で落ち込んだ日常消費の回復は、まだまだこれからのようです。ただ国内旅行や結婚式など「ハレの日」消費は回復が見られました。しかし政府の観光支援策「Go To トラベル」事業は、2020年12月28日~2021年1月11日まで全国一斉停止にすると発表されました。この「ハレの日」消費の回復は、今後の政府の方針により変わってくるでしょう。ただ、感染への予防対策は絶対に必要です。気を引き締めながら、消費活動を行っていきましょう。
【参考】
「Withコロナ社会の消費者心理の変化を捉える定点調査(https://kyodonewsprwire.jp/release/202011187310)」 ㈱矢野経済研究所
【調査概要】
調査時期:4~6月期調査:2020年6月10日~6月12日、7~9月期調査:7月31日~8月3日、10~12月期調査:10月30日~11月2日
調査対象:6世代注(しらけ世代、バブル世代、団塊Jr世代、ポスト団塊Jr世代、プレッシャー世代、ゆとり世代)の男女
調査地域:三大都市圏(首都4都県、東海4県、近畿4県の政令指定都市、中核市、施行時特例市)、その他都市圏(三大都市圏を除く同県の中核市と施行時特例市)、地方圏(その他)
調査標本:各回とも3,600標本(2性別×6世代×3地域圏×約100サンプル)
調査方法:インターネットアンケート調査方式、単回答
調査対象6世代の年齢区分は以下の通り(10~12月期調査時点の満年齢で表示)
しらけ世代:55歳~61歳(1959/4/2-1965/4/1生)
バブル世代:49歳~55歳(1965/4/2-1971/4/1生)
団塊Jr世代:45歳~49歳(1971/4/2-1975/4/1生)
ポスト団塊Jr世代:37歳~45歳(1975/4/2-1983/4/1生)
プレッシャー世代:33歳~37歳(1983/4/2-1987/4/1生 )
ゆとり世代:24歳~33歳(1987/4/2-1996/4/1生)
「【更新】Go To トラベル事業の取扱いについて」Go To トラベル事務局(https://goto.jata-net.or.jp/info/2020121401.html)
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