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もうすぐ定年「余裕ある生活」の貯金額はいくら?60代の現実とは

LIMO / 2020年12月8日 18時15分

もうすぐ定年「余裕ある生活」の貯金額はいくら?60代の現実とは

もうすぐ定年「余裕ある生活」の貯金額はいくら?60代の現実とは

もうすぐ定年を迎える60代。子どもの教育が落ち着いたり、住宅ローンを完済したりと、生活に落ち着きが出てきた世帯もあることでしょう。人生100年時代といわれる今、充実したセカンドライフを楽しみにしている人も多いかもしれませんね。

では、そんな「余裕ある生活」を送るためには、どのくらいの資金が必要なのでしょうか。60代の貯金額やリアルな生活を紐解きながら、老後資金について考えてみましょう。

60代、みんなの貯蓄はどのくらいあるのか

まず気になるのは、同世代のみんなはどのくらい貯蓄をしているのかということです。金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/19bunruif001.html)」で60代の貯蓄額をみてみると、平均1,634万円、中央値は650万円でした。一方、負債に関して「負債はない」と答えた世帯が65%と、半数以上にのぼります。負債の平均額は478万円であり、徐々に負担が軽くなってきている様子がうかがえるのではないでしょうか。

「住宅ローンの返済も終わり、子ども2人も大学を卒業。ぐっと負担が軽くなって、毎年旅行に行くようになりました。これからは自分たちの時間を楽しむぞって気持ちです」(61歳女性)

「定年延長しましたが、手取りややりがいが減って、人生にハリがなくなった感じです。老後資金のためと思って我慢しています」(63歳男性)

定年を迎えるにあたり最も気になるのは今後の生活。ライフスタイルが変化すれば、当然支出も変わってきますよね。一体、充実したセカンドライフを送るためには月いくら必要なのでしょうか。

余裕のある老後生活に必要な費用は?

一般的に、「余裕のある老後」資金とはどのくらいなのでしょう。生活保険文化センター「生活保障に関する調査(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/r1hosho/2019honshi_all.pdf)」によると、趣味や旅行・子どもや孫への資金援助を含む「ゆとりある老後生活」に必要な資金は、月額平均36.1万円であるそうです。もちろん個々の生活水準にもよりますが、自身の生活支出と比べてどのようなイメージをもつでしょうか。

では次に、もうすぐ定年を迎える世帯がどのくらい支出をしているのかをみていきます。総務省統計局の「家計調査 貯蓄・負債編(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20190&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&result_back=1)」から、50代世帯と比較した60代世帯の生活のリアルを探ってみましょう。

世帯主の年齢50-59歳/世帯主の年齢60-69歳 ※すべて平均額
【消費支出】50代世帯354,252円/60代世帯 292,533円
【食料費】81,051円/78,489円
【外食費】15,843円/10,804円
【被服及び履物】14,507円/9,512円
【保健医療】13,094円/15,110円
【教育費】24,713円/2,201円
【教養娯楽サービス】18,284円/17,246円

こちらを見ると、教育費などの負担がぐっと軽くなり、食料・外食・被服関係などの支出も60代になると落ち着くようです。同データの世帯人員数を比べても、50代世帯は3.16人、60代世帯は2.62人と、子どもの独立など家族構成の変化も影響していそうですね。パック旅行費などを含む教養娯楽サービスは大きな差がみられないところを見るに、娯楽の質は上がっているのではないでしょうか。一方、保健医療関係の支出は60代の方が高く、年齢によるリスクもうかがえる結果となっています。

定年後の資金が足りない!今すべき対策は

老後資金のメインとして年金があげられますが、令和元年度の厚生年金標準額(夫婦2人分・老齢年金を含む)は約22万円です。仮に月36万円支出するとなると、年金だけなら毎月14万円の赤字となってしまいます。単純計算で1年168万円、20年で3,360万円、30年なら5,040万円、これらを退職金やそれまでの貯蓄でまかなわなければなりません。もちろん支出額は年齢やライフスタイルによりますが、想像以上にお金がかかることが分かります。

定年後の資金が足りないことに焦りを感じるかもしれませんが、気づいたときから対策はできます。そもそも、節約生活を送れば前述ほどの支出は必要ないかもしれません。支出を改めて見直し、家計のスリム化を図ることで解決することもあるでしょう。

そして、現在は働き方にも大きな変化が生まれています。令和3年より施行される「高年齢者雇用安定法の改正(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000626606.pdf)」では、65~70までの高齢者の就業確保措置が企業の努力義務となるのです。また、退職金やある程度の貯蓄があるのなら、資産運用に取り組むのも手です。この場合、しばらく使う予定のない余剰資金を充てるようにしましょう。

気づいたときから早めに調べて行動。老後が長いことを視野に

寿命も延び、現在は老後生活もぐっと長くなっています。厚生労働省の「令和元年簡易生命表の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/dl/life19-02.pdf)」によると男性の平均寿命は81.41年、女性は87.45年であり、前年度よりもさらに延びているそうです。しかし長い老後に比べ、収入は今までのように入ってきません。それまでにしっかり準備しておくことで、安定したセカンドライフを送れるようになるでしょう。気づいたときから早めに行動し、安心して老後を迎えたいものですね。

【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。


【参照】
金融広報委員会
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/19bunruif001.html%20%E7%B7%8F%E5%8B%99%E7%9C%81%E7%B5%B1%E8%A8%88%E5%B1%80))」4金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)、28借入金の有無、30借入金残高(借入金有無回答世帯)
「家計調査 貯蓄・負債編(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20190&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&result_back=1)」二人以上の世帯・勤労者世帯 7-3貯蓄・純貯蓄現在高五分位階級,世帯主の年齢階級別
日本年金機構「令和2年4月分からの年金額等について(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/20200401.html)」
厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000626606.pdf)」「令和元年簡易生命表の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/dl/life19-02.pdf)」

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