コロナ禍での不安や不眠解消を助けるアプリがトレンドに。日本進出の「Calm」とは?
LIMO / 2020年12月13日 11時0分
![コロナ禍での不安や不眠解消を助けるアプリがトレンドに。日本進出の「Calm」とは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_20778_0-small.jpg)
コロナ禍での不安や不眠解消を助けるアプリがトレンドに。日本進出の「Calm」とは?
新型コロナウイルスの感染者が初めて中国・武漢で発症したとされる日から、12月8日で1年になりました。感染への不安や恐怖、心おきなく飲食や旅行ができないストレスなどから心身が疲弊している人も少なくありません。
こうした状況の中、世界では不安や不眠に対処するためのアプリが急成長し、市場も拡大。特にカリフォルニア発の不安緩和や睡眠導入を手助けするアプリ「Calm」は世界190ヵ国でのダウンロード数が1億に達し、今も毎日約10万ダウンロードされているといいます。その「Calm」が12月9日、日本に初上陸したので取材しました。
コロナ禍で6割以上の人が睡眠の質の低下を感じている
今年7月にウーマンウェルネス研究会が、首都圏在住の20代~50代の男女882人を対象に行った調査によると、新型コロナウイルス感染拡大以降、63.2%もの人が睡眠の質の低下を感じていることがわかりました。
また、令和2年10月の自殺者数は対前年同月比で614人増(39.9%増)の2,153人と発表されています。特に女性は前年同月比で385人増(82.6%増)という衝撃的な数字に。さまざまな理由があるかと思いますが、コロナ禍で仕事や生活に強い不安やストレスを抱えている人の急増が、この自殺者の数字に表れている可能性は高いでしょう。
良質な睡眠やリラクゼーションのためのプログラムを提供するアプリ
こうした状況の中、コロナ禍において急速にダウンロード数を伸ばしている「Calm」が、日本での本格展開を開始しました。この「Calm」は、医療系アプリではなく、パーソナルウェルネスアプリという位置づけ。無料ダウンロードと7日間の無料トライアル後は、すべてのコンテンツを年間6,500円で購入することができます。
提供されるコンテンツは、毎日更新される10分間の瞑想プログラム「Daily Calm」、良質な睡眠を促す大人の読み聞かせ「スリープストーリー」、睡眠や集中力を促進する音楽ライブラリ「Calm Music」、呼吸の方法や長さをサポートする「呼吸エクササイズ」など、睡眠やリラクゼーションといった心の健康習慣や管理をサポートします。
実際に「Calm」のサイエンスチームがアメリカ本国で調査したところ、アプリを使って「精神状態が改善した」という人は84%、「ストレスが軽減した」という人は81%、「良質な睡眠がとれるようになった」という人は73%にものぼったそうです。
成長が見込まれるオンラインフィットネス市場
今回、日本語コンテンツがスタートするにあたって監修協力をしたマインドフルネスインストラクターの木蔵シャフェ君子さんによると、コロナ禍の日本ではストレスの発散方法をいまだに見いだせず、知らず知らずのうちに心を疲弊させている人が多いそうです。
一方で、コロナ禍を逆に好機と捉えて前向きに進んでいる人も少なくありません。大きく二極化しているからこそ、ストレスを抱えている人にとっては他者と比べた時の劣等感や自己否定、絶望を感じがちになっているのでしょう。
「Calm」の共同創設者で共同CEOのアレックス・テューさんは、日本に進出した背景について、もともと日本ではストレスを抱えた人が多いために需要があると見込んでいたことに加え、今回のコロナ禍のタイミング、さらに「日本は2024年までにオンラインフィットネス市場が伸びると予測されているため」と話しました。
外出自粛期間中、自宅でトレーニングやヨガなどの健康管理を取り入れた人が多かったこともあり、今ではフィットネスクラブのオンライン化がスタンダードになりつつあります。アプリやライブ配信を利用したこうしたオンラインフィットネスは、非対面型なので感染症対策になるだけでなく、実際にジムに通うよりも比較的出費を抑えられるメリットもあります。
適度な費用で心の疲れを解消することが当たり前に?
実際に今年の8月には、日本のフィットネスクラブ「ティップネス」がオンラインフィットネス「torcia(トルチャ)」をスタート。月額825円から4,378円まで3つのプランがあり、この12月からはストレス対処法のプログラムなどを始めています。
また、ヨガやトレーニングをオンラインライブレッスンで提供するSOELU(ソエル)でも、月額980円から5,980円まで3つのプランで睡眠改善や心のケアを目的とするプログラムを多数展開しています。
このように、ダイエットや体を鍛えるためだけでなく、ストレスや睡眠をサポートするために低価格なオンラインフィットネスを取り入れることが、これからのウィズコロナ時代には広まっていきそうです。
前述のように「Calm」の費用は年間6,500円なので、月額に換算すると540円程度。これを安いととるか高いととるかは人それぞれです。ただ、この値段を精神状態が落ち着き、睡眠の質が向上するための必要経費と思っている人が多いからこそ、すでに世界で1億ダウンロードもされているのかもしれません。
コロナ禍でストレスが溜まってなかなか解消できない人、心が疲弊して睡眠の質が低下してしまった人は、こうしたオンラインフィットネスを利用してみるのも一つの選択肢ではないでしょうか。
【参考資料】
「「コロナ禍の睡眠」に関する調査(https://www.well-lab.jp/concern/suiminbusoku/1012/)」(ウェルラボ/ウーマンウェルネス研究会)
「警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等(https://www.mhlw.go.jp/content/202010-sokuhou.pdf)」(令和2年11月10日、厚生労働省自殺対策推進室)
「Calm - 瞑想・安眠・リラクゼーション(https://apps.apple.com/jp/app/calm/id571800810)」(App Storeプレビュー)
「オンラインフィットネス『torcia(トルチャ)』マインドフルネスプログラム拡充(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000160.000009907.html)」(株式会社ティップネス)
「SOELU公式サイト(https://www.soelu.com/)」(SOELU株式会社)
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