煉獄さん! 炭治郎! ありがとう!! 家族の距離を縮めてくれた『鬼滅の刃』
LIMO / 2020年12月19日 11時0分
煉獄さん! 炭治郎! ありがとう!! 家族の距離を縮めてくれた『鬼滅の刃』
いまや社会現象にもなっているアニメ『鬼滅の刃』。「キメハラ」という言葉が生まれるなど、ポジティブな話題だけではないとは言え、老若男女問わず登場人物の言葉にグッと心をつかまれ、“心を燃やした”人も多いのではないでしょうか。
今回は、『鬼滅の刃』がもたらしてくれたポジティブな効果についてご紹介。経済面だけでなく、身近なところにも『鬼滅の刃』は良い影響を与えてくれているようです。
夫婦の会話がよみがえった
子どもが生まれると、夫婦で映画を観に行く機会は激減するもの。子育てと家事・仕事との両立に追われ、夫婦の会話が減ってしまっているという人も多いでしょう。
まずは、そんなAさん夫婦のエピソードをご紹介します。子どもが家族の中に鬼滅の刃ブームを巻き起こしてくれたおかげで、夫婦の会話がよみがえったそうです。
「この春、新1年生になった長女。しばらくすると、学校で毎日話題にのぼるというアニメの話を口にするようになりました。そのアニメとは『鬼滅の刃』。『みんな鬼滅の話をしてるけど、私は見たことがないからわからない…』と言われ、娘と一緒に見てみることにしたんです」
子供に見せるには残酷描写が多すぎるといった話も耳にしていたため、娘に見せることに抵抗をもっていたというAさん。
「見始めてしばらくすると、そのストーリーにのめり込んでいました。登場人物たちに感情移入してしまい、母である私の方がハマってしまったんです」
このケース、実はあるあるなのではないでしょうか?「子どもに言われて渋々見せたら、親がハマってしまった…」。筆者のまわりにも、このケースは多いように感じます。
結局、娘と一緒に配信されていたテレビ版を全話見て、すっかり鬼滅のとりこになってしまったAさん。この感動をどうしても夫に伝えたくなり、仕事から帰ってきた夫をつかまえすぐに鬼滅を見たという話をしました。すると夫から、『実は俺もハマってる』というまさかの回答。
「原作漫画のほうをちょっと読んですぐにやめた、という話だけ聞いていたので、まさか夫までハマっているとは知らず驚きました。ちょうどそのタイミングで、劇場版公開の情報が解禁に。迷わず『家族で観に行こう!』という話になり、公開後すぐ行くことになったのです」
その後、無事に映画を観に行ったAさん一家。どのような変化が起こったのでしょうか。
「映画を観終わって、私も主人も大号泣。娘はきょとんとした様子でしたが、『すごい!』と興奮していたので、おそらく彼女なりにおもしろさを感じることができたのでしょう。映画館を後にし、帰りの車の中で“鬼滅談義”がスタート。夫婦であれほど夢中になって会話をしたのはいつ以来だろう…と、心の中がほんわかしたのを覚えています。もう1回観に行こう!と、娘そっちのけで夫婦で大盛り上がり。鬼滅ブームをもたらしてくれた娘には、感謝の気持ちでいっぱいです」
話題を共有することの喜びを、鬼滅を通じてまた思い出すことができたというAさん夫婦。煉獄さんや炭治郎たちの一生懸命な姿は、冷え切った夫婦の間にも熱い風を送り込んでくれたようです。
コロナ禍で会えない実家の家族と盛り上がれる
今年は、コロナの影響で帰省を見送ったという人も少なくないでしょう。一つの部屋に集まって、他愛もない会話をして…という当たり前のことができない時間が長く続いています。
Bさんも、今年は一度も帰省できなかったうちの一人です。
実家の家族とリアルでつながる機会は極端に減りましたが、そんな中でも『鬼滅の刃』がポジティブな旋風を吹きこんでくれたようです。
「いつもなら年に3回は地元へ帰省していましたが、今年は年始以来一度も地元へ帰れず、家族とも会えない日々が続きました。自粛期間中、テレビで見て『鬼滅の刃』にハマった私でしたが、実家では誰も見ておらず話題を共有できなかったのですが、映画が公開されてその状況が一変したのです」
映画の公開により、Bさんの“鬼滅ブーム”にますます拍車がかかった頃、実家との間でも鬼滅旋風が巻き起こったのだとか。
「最初に映画を観たのは私でした。思いっきり心を打たれた私は、その興奮を実家のLINEグループ内で熱弁したんです。実家で鬼滅を見ている人がいなかったので、最初は私の熱意にみんな若干引き気味でした」
しかし、ニュースでも取り上げられるほどの社会現象になったことで、お父さんが「これほど話題になっているのだから、一度観てみたい」と言い出し、Bさんはその背中を猛プッシュ。
「数日後、『少年が妹を守りながら鬼を倒しに行く話』というペラペラの予備知識だけを携えて父は映画を観に行ったのです。父の感想は、『泣きはしなかったけど、すごいことはわかった。あれだけ話題になるのも納得!』というもので、私までうれしい気持ちになりました」
その後はお母さんや兄弟たちも続いて観に行ったそうで、Bさん家族のLINEグループ内はあっという間に鬼滅の話題で盛り上がったそうです。
「家族全員が映画を観終わってからというもの、家族LINEの中では鬼滅に出てくるセリフや鬼滅のスタンプを駆使したおもしろトークが展開されています。離れていて今すぐには会えないけれど、一つの話題でこれだけ家族と楽しめていることに、幸せを感じるようになりました」
離れ離れで過ごすBさんの家族にとって、『鬼滅の刃』は家族を身近に感じられるという大きな効用を与えてくれたようです。
ポジティブな風をもたらした『鬼滅の刃』に、ありがとう!
2020年は、流行語大賞もコロナ関連の言葉ばかり。にぎやかなオリンピックイヤーになるはずだったのに、誰もが暗いトンネルの中にいるような気分に襲われる1年でした。しかし、『鬼滅の刃』はそんな状況の下でも、たくさんの人の心にポジティブな風を吹き込んでくれたようです。
まだ出口が見えたわけではありませんが、鬼滅に登場するキャラクターたちの言葉にエネルギーをもらって、前を向いて進んでいきたいものですね。
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