2021年からのSDGs最後の10年を見据えて~コロナ禍で考える世界の水と衛生~
LIMO / 2020年12月25日 6時0分
2021年からのSDGs最後の10年を見据えて~コロナ禍で考える世界の水と衛生~
今年も年の瀬に入りました。今年、2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの話題一色。このコロナ禍のなか、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の達成期限である2030年まで最後の10年間となります。
ここでは、SDGsの17のゴールのうち、「6. 安全な水とトイレを世界に」を取り上げ、逆風にある今こそ考えたい世界の水と衛生についてお話ししていきます。
世界の約8億人がいまだに安全な水を確保できていない現状
「水」はどこに住んでいても、生きていくため、あるいは豊かな生活を送るために必要となる資源です。もし、日本で暮らす私たちがきれいな水やトイレのない環境に置かれた場合、大きなストレスを感じることは想像に難くありません。
日本では厳しい水質基準をクリアした安全な水を、自宅の水道から得ることができます。しかし、地球上の誰もがこうした便利な暮らしを送っているわけではありません。水を得るために30分以上歩く生活を送る人や、浄水設備がないことから病気を引き起こす細菌や糞尿で汚染された水を飲み水にしている人が2017年時点で約8億人います。
自宅を基準として30分以内に安全な水を得ることができない人々は、主にアフリカ地域や南アジア、オセアニア地域で暮らしています。水へのアクセス確保が困難な場合、生活の中で利用可能な水の量に制限がかかり、健康や衛生面にも悪影響が生じます。
さらに、「水汲み」という労働に相当な時間と労力がかかります。その労働の担い手が小さな子供というケースも珍しくありません。水の利用に制限があることによって家事や教育等に大きな制約が生じています。
感染症などの温床となる非衛生的で安全でないトイレの使用を余儀なくされる人々
安全な水の利用状況は、衛生的で安全なトイレの普及状況とも密接に関連しています。世界銀行によると、ヨーロッパや北アメリカ、東アジア、オセアニア等の先進国においては人口の半分以上の人が衛生的で安全なトイレを使用できています。
一方、まだまだ低い割合に止まっている国、データ入手に何らかの制限のある国も数多く存在し、世界全体で見るとそうした地域のほうが一般的です。
世界ではいまだに多くの人々が衛生的で安全なトイレを使用できず、公衆衛生問題や健康被害が発生しています。トイレの数自体が少ないケース、汚水でトイレが汚れてしまっているケース、あるいはトイレの外構造が脆く、倒壊や女性に対する暴力の発生などの危険性をはらんでいるケースもあります。
衛生的で安全なトイレへのアクセスが困難な地域では、下痢やコレラ、A型肝炎、またはそれらを含んだ慢性的な栄養失調の症状が出るリスクが高まります。下水管や下水処理施設の整備、そしてトイレをきれいにするための水がなければ、各家庭や地域一帯の衛生状況は悪化していく一方です。
現状を打破するために~SDGs達成期限まで最後の10年~
水へのアクセスを改善するには、各国政府が上下水道の整備をするほかに根本的な解決策はありません。加えて、水道料金の価格改定による利用者層の増加や、安定的な供給を可能とするための水資源の確保、上下水道が破損した際の対応力強化などにも取り組む必要があります。
とはいえ、現実的には、財源に限りのある途上国政府が上下水道の整備や管理、トイレへのアクセスの急激な増加を短期間で成し遂げることは困難です。
上下水道の整備が進まないような地域では、まず、その地域に住んでいる人々が、水やトイレのアクセスが原因となって起こる健康被害や病気を認知し、衛生意識を高めることが重要です。手洗いやうがいなどの衛生意識・習慣が高まっていなければ、防げる病気も防げません。
また、井戸の管理や修理など、そこに住む個人レベルの意識、能力が強化されることで、行政の対応の遅れによる水不足の被害をカバーすることが可能です。
今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる影響で、日本を含めた世界各国の行政レベル、個人レベル双方の支援の重要性がますます高まっています。
水道関連行政の指針や財源の補助はもちろん、水の利用量を抑えた農業や産業のノウハウの移転、簡易的に使える浄水器の普及など、民間企業や市民セクターの活躍できる領域が多くあります。
SDGsの達成期限である2030年まで最後の10年間、その皮切りでコロナ禍という逆風に見舞われている今こそ、私たちにとって当たり前にある安全な水の利用、衛生的で安全なトイレの使用の大切さをいま一度考えてみませんか。そして、世界でいまだにアクセスできていない人々について思いを巡らせてみませんか。
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