50代、60代の老後資金に不安な人たちが後悔している過去の行い
LIMO / 2020年12月20日 20時0分
![50代、60代の老後資金に不安な人たちが後悔している過去の行い](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_20914_0-small.jpg)
50代、60代の老後資金に不安な人たちが後悔している過去の行い
日本人の平均寿命は、2019年の調査で男性が81.41歳、女性が87.45歳(厚生労働省「簡易生命表 令和元年」)です。65歳で定年を迎えるとすると、男性で15年以上、女性なら20年以上生きることになります。
そうなると、老後資金が底をつくのではないかという不安が頭をもたげてくるかもしれません。そこで今回は、老後資金をしっかり貯めてこなかった後悔を感じている人たちに話を聞いてみました。彼らの話を参考に、後悔しないような人生設計を考えていきましょう。
バブル期の思い出を引きずり、貯金をせずに来たこと
「バブル期のいい思いを引きずって、なかなか生活水準を下げられなかった」と話すのは、50代後半のAさんです。Aさんはメーカー勤務でしたが、バブル期の恩恵を受けて若い頃はかなり景気がよかったのだそう。そのときに身についた「お金の使い方」が彼を苦しめていると言います。
「どうも貯金という発想がなかった。若い頃はとりあえずお金を稼いで、お金を使って、遊んでという感じだったから、貯めることなんて考えていなかったし、周囲もそうだったと思う。公務員なんてつまらない職業だと言われていた時代だったから」と振り返ります。
「バブルが崩壊した後、ぐっと気持ちを引き締めてお金を貯め始めていたらよかった。でも、それができないまま転職して年収が下がってしまったし、結婚して子どもができて、子どものことでお金がかかったし、今の会社の退職金もたいしたことはない。このまま老後生活をどうしようかと悩んでいる」と嘆きます。
収入が下がったり支出が増えたりしたときにお金の使い方を変えられないと、どうしても収支のバランスが合わなくなってしまいます。もしお金の使い方に課題を感じているのであれば、早めに直していく意識が必要でしょう。
若い頃からお金を大事にしてこなかったこと
「若い頃から、お金をあまり大事にしてこなかったんだよな」と振り返るのは、60代のBさん。
「昔からお金に無頓着で、貯め込むのも性に合わないと思っていた。今思えば、性に合わないなんて理由のためにこんな結果になってしまって残念に思う。自分たちが若い頃に今のiDeCoとかNISAみたいな非課税制度があれば、と思った時期もあったけれど、若いときにああいう制度があっても昔の自分は見向きもしなかっただろう」と話します。
「老後は当たり前に年金がもらえるという感覚だったし、年金で補いきれないなんてこともあまり考えたことがない。まだ財政赤字とか年金がもらえないなんてこと、あまり言われていない時代だったように思う」と続けるBさん。
「将来のお金のことを心配するなんて、まだまだ先のことだと思いながらここまで来てしまった。50代で転職したのも、今思えばいい選択だったとは思えない…」と、後悔することがたくさんあるようです。
お金を大事にできていないかもしれないと思ったら、一度時間を取って今後必要になるお金のことをじっくり考えてみたほうがいいかもしれません。
「男はお金を使ってナンボ」と思ってきたこと
同じく60代のCさんは、「昔は”男はお金を使ってナンボ”と思って生きていた」と言います。「お金を豪快に使えることが男の甲斐性のように思っていた。同僚や上司も皆同じような発想だったと思う。お金がない男っていうのはつまらないものだとも感じていたし、お金を貯めることを真剣に考えたこともなかった」のだそう。
「老後は何となく安泰だと思っていたし、そもそも自分の老後のことなんて想像してもいなかった。お金をボンッと出すっていうのがカッコいいと思っていただけで、なんであの頃に将来のことを考えなかったんだろうと思う」と話します。
「今、若い頃から備えていこうという人が多いのは、すごいことだなと思う。偉いし、計画性がある」とCさん。確かに、最近は若いうちから自分の老後資金を貯めようとする人が昔より増えているようです。それは年金に対する不安が理由なのかもしれませんが、自分の力でお金を貯めて後悔しない未来をつくるのは大事なことです。
派手好きで生きてきたこと
「ずっと派手好きで生きてきた。何でも人より上で、豪華でないと気が済まない性分だった」と話すのは、50代の専業主婦Dさんです。Dさんはすでに息子2人が社会人として独立しており、夫と2人暮らしです。
「今思い返してみると、あれって本当に収入に見合った生活だったのかなと思う。見栄で生きてきたような気がしてならない。子どもの教育にもお金をかけたし、自分が着るものにもお金をかけた。夫も倹約家ではなかったから、たいした貯蓄はできなかった。夫とお金のことを腹を割って話したこともない」と言います。
Dさんは、ずっと夫の給料だけで生活してきたことを後悔していると言います。「この年になって、仕事をして楽しく人生を生きている友達に会うと、『私も社会に出て働いていれば、楽しみながら暮らせたのかな』と思ったり、『老後の不安なんてないんだろうな』と、うらやましくなったりしてしまう」と教えてくれました。
「外で働いている人はイキイキしていて若々しく、お金もたくさんもらっているから自信があるように見える」というDさん。専業主婦として暮らしてきたこと自体が悪いわけではないですが、二馬力で働いたときより貯蓄面で不安が強くなるのは仕方のないことかもしれません。働けるときにはしっかり働いてお金を貯めておいたほうがよさそうです。
おわりに
今回、話を聞いた50代、60代の人たちは、ちょうどバブル世代でもあるためか、若い頃はお金を貯めるという発想がなかったということが共通していたように思います。老後の不安を少しでも軽減するために、今からしっかり準備をしておきたいものですね。
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