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鬼滅の刃フィーバーは教育分野にも。最近の教材に”キャラクター推し”が多いワケ

LIMO / 2020年12月23日 10時0分

鬼滅の刃フィーバーは教育分野にも。最近の教材に”キャラクター推し”が多いワケ

鬼滅の刃フィーバーは教育分野にも。最近の教材に”キャラクター推し”が多いワケ

時代、時代に子どもたちから熱く支持されるキャラクターが存在します。サンリオ系やドラえもんといった世代を超えて愛されているキャラクターもいる一方で、「あの時はすごかったね」と言われてしまう短命のキャラクターも…。

それだけ移り変わりの激しい世界ではあるものの、いったん子どもからの人気を集めればその威力は絶大です。食品、文房具やアパレル製品と多種多様な商品展開が可能となり、大きな経済効果も期待できます。実はこうしたキャラクターを用いた商品は、教育関係にも及んでいるのです。

鬼滅の刃とコラボした進研ゼミ小学生講座

通信教育というと多くの人が思い浮かべるであろうベネッセコーポレーションの進研ゼミ小学講座は、10月1日から鬼滅の刃とのコラボキャンペーンをスタートしました。

このコラボでは、学年によって異なるアイテムがもらえるなど、鬼滅人気を利用して子どもたちの気持ちを勉強に向かわせるような取り組みを行っています。現在受講している子どもの意欲向上はもちろんのこと、鬼滅の刃に惹かれて受講する小学生を増やす狙いもうかがえます。

進研ゼミが特定のマンガ作品と大々的にコラボレーションすることは珍しく、このことからも小学生の間でいかに鬼滅の刃の人気が高いのかが分かります。

少子化が加速している現在、知名度が高くても何もしないで申し込みが集まる時代ではありません。主人公の成長と子どもの成長を重ねやすい大人気マンガの活用は、新たな顧客開拓へとつながります。そうした背景もあり、ここ数年「キャラクター × 教育」の組み合わせが目立つようになりました。

ドリルにもキャラクター登場で大ベストセラーに

親世代にとってドリルというと、申し訳程度のイラストに、せいぜい2色刷りというお世辞にも華やかなものではありませんでした。しかし、教材もただ問題を載せているだけでは子どもから選ばれなくなってきています。本屋さんに行くと色とりどりの個性的なドリルがたくさん並べられ、一瞬「これは本当にドリルなの?」と戸惑うものもあります。

子どもが好きなキャラクターを前面に出した問題集やドリルもありますが、中でも目立つのがすみっコぐらし。女子児童に大人気のキャラクターがドリルとして登場したのは今から4年前の2016年11月のことです。発売当初は国語と算数のみでしたが、現在ではプログラミングや英語にまでラインナップが拡大。

昔は考えられなかったカラフルなキャラクターのシールが78枚もついているなど、女児が欲しがる作りのすみっコぐらしのドリルは、少子化と出版不況という厳しいなかでシリーズ累計160万部を突破し、ベストセラーとなっています。

そして、ここ数年で販売された小学生向けドリル最大のヒットが2017年3月に出版されたうんこ漢字ドリルです。例文はうんこに絡んだものという前代未聞のドリルはSNSで爆発的に広まり、メディアでも大きく取り上げられました。一時は品薄になるなどドリルの世界に新風を吹き込んだのです。

うんこドリルは幼児向けや算数さらに英語と多岐にわたり、シリーズ累計800万部という驚異的な数字を叩き出しています。この強烈な個性を持つ大ヒットドリルの後を追って類似ドリルも複数出版されていますが、本家を超えるものはまだ誕生していません。

当たった時の大きさは計り知れず

うんこドリルのキャラクターは、SNSやメディアを通じて広く世間に浸透しました。キャラクターの商品開発も行われ、ドリルという教育系との親和性も相まって文房具品も販売されています。

そして2019年には「うんこ学園」と銘打った公式サイトをオープン。ドリルの世界を飛び越えてキャラクターとして独り立ちできたのも、絶大な人気があるからこそといえるでしょう。

うんこ漢字ドリルの成功は、「万人受けすれば新たなビジネスチャンスを生みだす金のたまご」として受け止められ、斬新なドリルが次々に出版される流れを作り出しました。多数のドリルを手がけている学研でも、自社のロングセラー商品である「図鑑」を活用したマニアックかつオールカラーの漢字ドリルシリーズを2017年7月から出しています。

このように、ここ数年のドリルは単なる教材という立ち位置を離れ、子どもの嗜好に寄り添いつつ親や子から選ばれることを重要視する傾向が強まってきています。

作り手は大変だが子どもは選択肢が増えた

こうして、教育教材の世界もキャラクター要素が大きな位置を占めるようになりました。当たれば大きいオリジナルキャラクターを作る場合、問題を作るだけではなく、新たなキャラクターやその世界を丁寧に考える必要も出てきて出版社側の負担は増えます。

その一方で、子どもが勉強していて楽しくなるドリルがあれば、親はドリルのシリーズだけでなくキャラクター商品を購入してくれるメリットもあります。

今回の進研ゼミ小学講座と鬼滅の刃のコラボや、すみっコぐらしなどのキャラクター利用は、子どものやる気を引き出せるという意味で親としては魅力的な取り組みです。そして、うんこ漢字ドリルの成功は出版不況で苦しむ業界にとって新しいコンテンツを生む出す指針にもなったといえるでしょう。

【参考資料】
「進研ゼミ小学講座×鬼滅の刃キャンペーン(https://sho.benesse.co.jp/zemi/cp/kimetsu/)」(株式会社ベネッセコーポレーション)
「すみっコぐらし学習ドリル(https://www.shufu.co.jp/topics/detail/49898/)」(主婦と生活社)
「累計800万部突破 『うんこドリルシリーズ』から小学生向けの英単語帳が新登場!(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000179.000003336.html)」(文響社)

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