「エコバッグ」の正しい使い方、節約が目的では環境にやさしくなれない

LIMO / 2021年1月3日 18時45分

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「エコバッグ」の正しい使い方、節約が目的では環境にやさしくなれない

昨年の7月1日、レジ袋の有料化がスタートしました。それ以前にも、スーパーなどではレジ袋を有料化しているところが多くありましたが、7月からはコンビニや雑貨店などでもすべて3円なり5円なり出さないと袋はもらえないことに。

それに伴い、「エコバッグ」が買い物時の必需品となりました。しかし、果たして本当の意味で「エコバッグ」は人々に定着しているのでしょうか…?

レジ袋が有料化となった背景は?

そもそも、なぜレジ袋が有料化となったのか…その背景をいま一度ご紹介しましょう。

2018年のG7(主要7カ国首脳会議)で、国ごとにプラスチックごみによる海洋汚染問題への対策に取り組もうという「海洋プラスチック憲章」が採択されたのですが、日本は署名しませんでした。

しかし「憲章」以前から欧米や中国では、レジ袋の有料化や禁止の取り組みがはじまっており、日本も国際社会に取り残されないよう、2019年のG20では海洋プラスチックごみへの対策を表明。脱プラスチックに向かっていることを世界に示すため、レジ袋有料化に踏み切ったのです。

とはいえ、今回のレジ袋有料化の目的は、「プラスチックごみの減少」ではなく「まずはレジ袋をきっかけにライフスタイルを見直し、ごみを出さない生活に取り組む」こと。つまり、プラごみ問題への取り組みの第一歩、それがレジ袋の有料化、というわけなんです。

エコバッグ、本当に理解して使っている?

このエコバッグの本当の目的を理解して利用している人は、どれくらいいるのでしょうか? 恥ずかしながら筆者も「エコバッグの使用目的」について誤解していたひとりです。

普段買い物に使用するエコバッグはポリエステルやナイロン素材のものばかり。何度も繰り返し使うので、すぐに破れてしまったり、汚れてしまったり。そうすると捨ててまた新しいプラ系素材のエコバッグを使用…。これではエコバッグが新たなプラスチックごみになってしまいますよね…。

しかも、日本LCA学会が発表した「環境配慮行動支援のためのレジ袋とマイバッグのLCA」(LCA=ライフサイクルアセスメント)によると、ポリエステル製のエコバッグの方がレジ袋より50倍も環境負荷が多いのだそう。つまり、買い物50回ごとにエコバッグを捨ててしまうと、レジ袋を都度もらうのと同じ量のCO2を排出することになってしまうのです。

筆者の周りにも「エコバッグって、なんやかんやで増えちゃうから、ちょっと汚れたらすぐに捨てちゃう」という人が数人います。もし、彼女たちがエコバッグを50回以上利用する前に捨てていたら…。レジ袋の使用を減らす意味がなくなってしまいます。

また、「レジ袋がもらえなくなったから、100均でポリ袋を購入して、それを持って買い物に行っている」という人もいます。これも本来の目的がまったく理解されていないがゆえの行動、と言えますよね。

そもそも、主婦の人たちに、「なぜエコバッグを使用しているのか」その理由を問うたときに、「環境問題を意識して」と答える人が果たして何人いるでしょうか? 正直なところ、「節約のため」と言う人が大半なのではないでしょうか。

筆者も「今まで無料でもらえていたものを、5円出すのはシャクにさわるから」という気持ちがあるのは否めません。まぁ、それでもプラスチックごみ削減の一助になるのであれば良し、としたいところではあるのですが。

エコバッグ、どう使用するのが正解?

では、レジ袋有料化の目的に沿ってエコバッグを利用するにはどうすればいいのでしょうか。

コットンや麻など、天然素材で作られたエコバッグを、何度も繰り返し利用することが理想的でしょう。ポリエステル製のエコバッグであっても、繰り返し50回以上使用することを徹底すれば、じゅうぶん効果的ではあります。

いずれにせよ、忘れてはいけないのが「なぜ、レジ袋は有料化になったのか?」という本来の目的。「自分たちを取り巻く環境が少しでも良くなるように」という思いを持ちながらエコバッグを使用すれば、おのずと「長く大切に使おう」という意識が生まれてくるのではないでしょうか。

まとめ

いまでは外出時の必須アイテムとなったエコバッグですが、多くの人が「レジ袋が有料化されたからやむを得ず」持っているに過ぎないのでは…筆者はそう思います。

想像してください。もし買い物先で「うちはレジ袋無料なんですよ」と言われたら…。ほとんどの人は「じゃあ、いただきます」と答えるのではないでしょうか? きっと筆者もそう答えます。

レジ袋が無料なお店でも「私はエコバッグを持参しているので要りませんよ」と言える人が多くを占めてこそ、本当の意味で「エコバッグが定着した社会」と呼べるのではないでしょうか。

【参考】

「プラスチック製買物袋有料化 2020年7月1日スタート(https://www.meti.go.jp/policy/recycle/plasticbag/plasticbag_top.html)」経済産業省

「参考資料 レジ袋有料化に係る背景について(https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/haikibutsu_recycle/reji_yuryo_wg/pdf/001_s04_00.pdf)」経済産業省 レジ袋有料化検討ワーキンググループ

「環境配慮行動支援のためのレジ袋とマイバッグのLCA(https://www.jstage.jst.go.jp/article/ilcaj/2008/0/2008_0_130/_pdf/-char/ja)」日本LCA学会

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