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2020年の「今年の一皿」はテイクアウトグルメ…早くみんなとお店で楽しめる日を!

LIMO / 2020年12月18日 20時0分

2020年の「今年の一皿」はテイクアウトグルメ…早くみんなとお店で楽しめる日を!

2020年の「今年の一皿」はテイクアウトグルメ…早くみんなとお店で楽しめる日を!

毎年、ぐるなび総研の主催で「今年の一皿」という食文化の表彰が行われています。これは、優れた日本の食文化を人々の共通の遺産として記録に残し、保護・継承するためにその年の世相を反映し象徴する食を表彰するものです。早い話、“フード・オブ・ザ・イヤー”という位置付けだと思われますが、毎年、それなりの注目を集めて発表されています。

先日、今年2020年の受賞が発表され、今年はテイクアウトグルメが選定されました。テイクアウトグルメの拡大については改めて説明するまでもなく、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、新たな収益源としてテイクアウトを開始する飲食店が急増したことによります。

コロナ禍でテイクアウト営業が短期間に急拡大

ご存知の通り、テイクアウト(持ち帰り)自体は決して目新しいものではなく、ファストフードを中心に定着していました。また、弁当チェーン店などテイクアウト専門店も珍しくなかったと言えます。

しかしながら、新型コロナ感染が一気に拡大し、政府による緊急事態宣言や地方自治体主導の店舗営業自粛要請がごく短期間のうちに発令されたことで、それまでにテイクアウト営業に注力していた店(業態)と、していなかった店(業態)との優劣が明確になりました。

テイクアウトは、メニューの開発や持ち帰り容器の手配など、想像以上に事前準備に時間を要します。コロナ禍まで店舗での集客営業のみに注力してきた業態は、抜本的な構造改革(早い話がリストラ)に迫られており、その代表格がファミレスなのでしょう。

いわゆるコロナ第1波の襲来から10カ月が経とうとしている現在、多くの飲食業がテイクアウト営業を実施しています。その意味では、「今年の一皿」にテイクアウトグルメが選出されたことに異論を唱える人は少ないと思われますが、このテイクアウトグルメの拡大は今後も続くのでしょうか?

過去の「今年の一皿」を振り返ってみよう

ところで、「今年の一皿」の表彰が始まったのは2014年からです。その後、現在の賞区分(今年の一皿、準大賞、ノミネートの3つ)になる2018年まで、毎年区分の変更(特別賞など)がありましたが、大賞(=今年の一皿)が1つだけ選出されることは変わっていません。なお、今年2020年は準大賞の選定はありませんでした。

まずは、過去の「今年の一皿」を振り返ってみましょう。

2014年:ジビエ料理

2015年:おにぎらず

2016年:パクチー料理

2017年:鶏むね肉料理

2018年:鯖(サバ)

2019年:タピオカ

2020年:テイクアウトグルメ

一時的に品不足状態となったものもあるが…

いかがでしょうか。どのくらい覚えていましたか?

“そう言えば、そんな料理もあったな”と懐かしがる人もいるでしょうし、“え、そんな料理がヒットしたかな?”とほとんど忘れてしまった人もいるでしょう。

ただ、これら受賞料理は、その年を代表する人気グルメだったことは紛れもない事実です。どれもネットの世界で大きな話題となり、これらを扱う料理店や販売店では一時的とはいえ、深刻な品不足になったものも少なくありません。

たとえば、わずか2年強前に2018年「今年の一皿」を受賞した「鯖」を思い返してみましょう。

2018年、鯖はEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの必須脂肪酸を多く含み、健康効果も期待できるということで大ブームとなり、スーパーなどで缶詰(通称:鯖缶)が一時的に深刻な品不足となりました。また、鯖バーガーや鯖しゃぶなども人気を集め、専門店も登場したくらいです。

また、その前年(2017年)の大賞を受賞した「鶏むね肉料理」も同様です。

「むね肉」の高たんぱく・低脂肪の特性に注目が集まり、抗疲労効果や抗酸化作用があるイミダゾールジペプチドが豊富に含まれる「むね肉」の機能性が評価され、女性を中心に一大ブームとなりました。鶏むね肉と野菜のサラダは、オフィス街のランチ時には売り切れ続出で、スーパーなどでも品不足となったのは記憶に新しいところです。

受賞時がピークでその後は下降線を辿るパターンが続く

2016年に大ブームとなった「パクチー料理」も、依然として根強いファンはいるものの、雨後のタケノコの如く登場した専門料理店はほとんど見かけなくなりました。2014年の「ジビエ料理」も徐々に定着しつつある中で、昨今の豚インフルエンザ問題(注:野生のイノシシが感染源と言われています)などで今一つパッとしないのが実情でしょう。

そして、昨年2019年に一大社会現象にもなったタピオカはどうでしょうか。こちらは、コロナ禍の影響があったにもかかわらず、人気が急降下することはなく、安定した市場拡大が続いているようです。

ただ、新規参入店の増加率は明らかに鈍化しており、また、タピオカの輸入量は完全にピークを過ぎています。一部では、大都市でのタピオカ店舗数に余剰感が出始めたという話もあり、もう少し様子を見る必要があるでしょう。

こうして振り返ると、やはり、「今年の一皿」受賞がピークとなり、その後は沈静化した、あるいは下降していったことが分かります。確かに、その年を代表する料理を表彰するわけですから、次の年にブームが終わるのは当然なのかもしれません。しかし、“山高ければ谷深し”となっているものが少なからず見られるのは、残念の一言に尽きます。

飲食店がテイクアウトに頼らなくてもいい日が早く来るように

さて、テイクアウトグルメは今後どうなるでしょうか。

過去のパターンから言えば、徐々に人気は下火になると思われます。ただ、従前の「今年の一皿」はブームと称されるような人気に支えられたものであったのに対し、テイクアウトグルメは人気云々とは関係なく、ある種の「生活必需品」として取り扱われました。このようなパターンは間違いなく初めてです。

そして、コロナ禍の影響が拡大し続けている現状を見る限り、テイクアウトグルメに対する需要が急減する可能性は非常に低いと考えられます。それどころか、その需要がより一層拡大する可能性もありそうです。

筆者はテイクアウトグルメを否定するつもりは毛頭ありませんが、1年後、あるいは2年後に、テイクアウトグルメが廃れて、コロナ前の様に、皆が飲食店の中で楽しく時間を過ごせる世の中になっていてほしいと願います。やはりテイクアウトグルメが「今年の一皿」に選出されるのは、異常事態としか考えられないのは筆者だけでしょうか。

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