意外に多い「貯蓄0円」世帯の割合。今年ゼロからお金を貯める方法
LIMO / 2021年1月4日 11時30分
意外に多い「貯蓄0円」世帯の割合。今年ゼロからお金を貯める方法
2019年は「老後2,000万円問題」や「消費税増税」、そして昨年は今に続く新型コロナウイルスの感染拡大…と、家計の不安をあおるような出来事が続いています。
その一方で、年金保険料や健康保険料などは段階的に引き上げられており、家計への負担は年々増加傾向にあります。たとえば、2005年時点の国民年金保険料は月1万3,580円でしたが、2020年度には1万6,540円と、月額が約3,000円も引き上げられました。
このような経済的な不安が高まる中で、「将来のために貯蓄を増やさなくては…」と考えている人も多いことでしょう。しかし、ただ焦っているだけではなかなかお金は増えていかないもの。もし、現時点で貯蓄ゼロの人がいきなり「2,000万円」と言われても、金額が大きすぎて途方に暮れてしまうのではないでしょうか。
そこで今回は、貯蓄0円の人でもお金を増やしていける、上手な目標の立て方を紹介します。
「貯蓄0円」世帯の割合は?
金融広報中央委員会発表の「2019年 家計の金融行動に関する世論調査」によると、金融資産非保有世帯(注1、注2参照)の割合は、「単身世帯:38.0%」「二人以上世帯:23.6%」です。
2007年時点では「単身世帯:30.0%」「二人以上世帯:20.6%」だったので、単身世帯、二人以上世帯ともに、貯蓄0円の世帯が増えていることがわかります。これだけ納める税金や保険料が上がっている現状では、この結果も仕方のないことなのかもしれません。
しかし、「仕方ない」とあきらめていては、万が一の病気やケガで働けなくなったときに困ってしまいますね。将来に備えて、しっかり貯蓄を増やしていくにはどうすればよいのでしょうか。
注1:本調査における「金融資産」は預貯金のほか保険、有価証券、その他金融商品を含む(ただし「運用の為または将来に備えて蓄えている部分」とされ、日常生活に使われる預貯金は含まれない)。
注2:金融資産の有無は、2017年までは、回答者が「保有している」と「保有していない」から選択。2018年からは、a.問1(b)で10(いずれも保有していない)を選択した世帯と、b.問1(b)で1(預貯金)のみを選択し、問2(a)で1(預貯金の合計残高)の「うち運用または将来の備え」がゼロないし無回答の世帯をそれぞれ「金融資産を保有していない世帯」(金融資産非保有世帯)としている。
具体的な目標を立てることが重要
貯蓄を増やしたいときには、「いつまでに」「何のために」「いくら必要か」を具体的に考えることが大切です。目標があやふやだと意識が高まりにくく、つい「来月からでいいか」と問題を先延ばしにしてしまい、なかなか貯蓄ゼロの状態から抜け出せなくなってしまいます。
一方、「30歳から60歳までの間に老後資金として2,000万円貯める」など、はっきりした目標があればどうでしょうか。「年間約66万6,700円、月々約5万5,560円を貯める必要がある」というように、今やるべきことが明確になり行動を起こしやすくなりますね。
また、「月5万円以上も貯蓄に回すのは難しい」などの問題点も明確になり、問題点がわかれば「月々の金額を3万円する代わりに、ボーナスを全額貯蓄に回そう」など、解決方法も見えてくることでしょう。
「中央値」を目安に目標を立ててみよう
貯蓄を始めるときには、自分の将来をシミュレーションして具体的な目標金額を決めることが大切ですが、あまりに高すぎる目標を設定すると、途中で挫折してしまう危険性があります。
とくに現時点で貯蓄0円だという人は、そもそも貯蓄の習慣が身についていないので、いきなり「2,000万円貯める!」などと目標を立てても、継続するのが難しいでしょう。
もし、「どうやって目標を立てたら良いかわからない…」という場合は、ひとまず自分と同年齢の「金融資産保有額の中央値」を目指してみてはいかがでしょうか。
「金融資産保有額の中央値」とは?
「平均値はわかるけど、中央値って?」と思われた方もいるかもしれませんね。
中央値とは、「ある項目に含まれる数値を少ない順、あるいは多い順に並べたときに真ん中に来る数値」のことを指します。なぜ中央値に着目するのかというと、平均値よりも中央値のほうがより実態に近い数値を表しているからです。
たとえば、貯蓄額が0円の人、50万円の人、1000万円の人が1人ずついるとしましょう。この場合「(0円 + 50万円 + 1000万円)÷ 3 ≒ 350万円」が平均値になります。
貯蓄額が100万円に満たない人の方が多いにもかかわらず、平均値は約350万円。このように、平均値は大きな数値の影響で実態とはかけ離れてしまうことがあるのです。
それに対して、上記のケースの中央値は「50万円」です。平均値よりも中央値で見た方が全体の実状に近いことがわかりますね。
それでは、前述の「家計の金融行動に関する世論調査」より、年令別の金融資産保有額の中央値を確認してみましょう。
いかがでしょうか。いきなり「2,000万円!」などの目標を立てるよりも、取り組みやすそうな気がしてきませんか。
まずはこの中央値を目安に貯蓄を始めてみて、貯蓄の習慣がついてきたら次は500万円、そして1,000万円…というように徐々に目標を高めていけば、貯蓄0円生活から抜け出せる道筋が見えてくることでしょう。
おわりに
将来のために貯蓄を増やしたいときには、いつ何のためにいくら必要なのか、具体的な目標を立てることが大切ですが、貯蓄の習慣がないのにいきなり高い目標を立ててみても、継続するのはなかなか難しいものです。
新年は、目標を新たにする絶好の機会。貯蓄が苦手だという方は、まずは「自分と同年齢の中央値」という達成しやすい目標を設定し、貯蓄の習慣を身につけることから始めてみてはいかがでしょうか。
参考:貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧日本郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
【参考資料】
「国民年金保険料の変遷(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150331.html)」(日本年金機構)
「家計の金融行動に関する世論調査(時系列データ)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/)」(知るぽると 金融広報中央委員会)
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