断捨離しすぎた! 憧れのミニマリスト「持たない暮らし」で大失敗
LIMO / 2020年12月29日 10時0分
断捨離しすぎた! 憧れのミニマリスト「持たない暮らし」で大失敗
必要最小限のものだけで生活することにより、かえって心が豊かになる…という考えのもとに日々を暮らしている「ミニマリスト」。
よりシンプルに、より自分らしく生きているミニマリストは「憧れのライフスタイルのひとつ」として定着しています。しかし、生半可な気持ちでミニマリストを目指してしまうと、手痛いしっぺ返しを食らう羽目になることも。
今回はミニマリストに挫折した女性の体験談をご紹介します。
「1日1捨」にしばられて…
最初にご紹介するのは30代の女性Aさん。会社員のAさんは、新型コロナ感染拡大の影響を受け、オフィス勤務から在宅ワークに切りかわったことが「ミニマリスト」を目指すきっかけに。
「普段は朝から晩まで仕事で、家には眠りに帰っているようなものだったのですが、家にいる時間が長くなると、物の多さが気になって…」
そこで一念発起、ステイホーム期間を利用して、断捨離を敢行、ミニマリストを目指そうと思ったそうです。
「ミニマリストたちのブログやSNSを読んで、1日にひとつずつ不用品を捨てていく『1日1捨』にトライすることを決めました。1日に1つずつなら無理なく片付けができそうだな、と思って…」
決行期間は4か月。4か月後にはすっきり片付いて見違えるような部屋に生まれ変わるはず…とAさんはウキウキしていたそうです。ところが…
「最初のうちは読まなくなった本やら、使わない食器など、言い方はおかしいですが『捨てるものに困らなかった』んです。ところが2か月ほどたったら、捨てるものに困るようになって」
捨てるものがなくなったらそれでストップにすればよかったのですが、Aさんは「4か月やり遂げないとミニマリストにはなれない」と思い込んでしまい、無理矢理捨てるものを探すようになったのだとか。
「毎日毎日、『これ、本当は捨てたくないんだけどなぁ』などと思いながら、思い出の写真や洋服、CDなどを捨てるのは本当につらかったですね」
4か月たったAさんの部屋は、スッキリ片付いて、遊びに来た友人たちにも好評。
「でも、ふとした時に読み返したくなる本や、お気に入りのCDまで捨ててしまって…。実は後悔して再度購入しようと思ったのですが、絶版、廃盤で手に入らない状態。今、とても空虚な気持ちです。ミニマリストって、心が豊かになると思っていたのに…」
自分が“断捨離”される羽目に
続いてご紹介するのは20代のHさん。Hさんは数年前からミニマリストにはまり、“持たない暮らし”を続けていました。
「本当に必要最低限のものだけで生活していると、毎日の行動がシンプルになるんです。洋服も本当にお気に入りのものを数枚持っていれば『今日は何を着よう』なんて迷わなくてすむ。それに片付けや掃除に時間を取られることがないので、時間と気持ちに余裕が生まれました」
ミニマリストは良いことだらけ、と信じて疑わなかったHさん、徐々に友人にもこの素晴らしさを味わってもらいたい、と思うように。
「そこで、頼まれてもいないのに、友人宅に押しかけては『断捨離アドバイス』を行っていたんです」
たとえば器が好きな友人のところにおじゃましたら「ひとり暮らしなのに何枚もお皿なんていらないよね? 捨ててしまったほうがいいよ」
本好きの友人には「本なんて図書館で借りればいいんだよ。この天井までの本棚一杯の本がすごく圧迫感を与えているのに気づかないの?」といった具合。
最初のうちは「そうね、ちょっと増えすぎたかもね」なんて調子を合わせてくれていた友人。それをいいことにHさんは勝手に「これとこれは捨てな」「これは要らないでしょ」と友人の私物を断捨離し始めたそう。
「とうとう『あなたの価値観を押し付けないでほしい。私はミニマリストになりたいわけじゃない』と友人に苦言を呈されてしまいました。それ以来、なんだか気まずくて彼女たちとは会っていません。私が“断捨離”されてしまったんです」
まとめ
本当に必要な物だけに囲まれてシンプルに暮らすミニマリスト。どちらかといえば物が多すぎるのが現代人、多くの人が憧れを感じる気持ちはよくわかります。かくいう「物を捨てられない」筆者も、ミニマリストには羨望のまなざしを向けているひとり。
とはいえ、物が多かろうと少なかろうと、大切なのは「心地よさ」。憧れの気持ちにしばられて、生きづらくなってしまっては元も子もありません。
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