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富裕層家庭の「お金の管理」は、誰がしてる?お金の単独管理が危険な理由

LIMO / 2020年12月31日 17時15分

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富裕層家庭の「お金の管理」は、誰がしてる?お金の単独管理が危険な理由

お金のことで夫婦喧嘩になるのは世界共通のようです。アメリカでは、お金が離婚の理由というケースが35%とも50%ともいわれています。しかし、老後2,000万円必要と言う話もでている昨今、夫婦喧嘩している場合ではないようです。日本でも、老後に向けた資産形成がアメリカのように自己責任となりつつあります。だれが家計管理をするのか。資産形成について夫婦で改めて話し合ってみませんか。

家計管理は誰? 

日本は昔から家計管理を妻に任せるという家庭が多いようです。これは、2020年3月、松井証券(株)が行った「夫婦の家計管理事情に関する調査」でもその傾向は明らかになりました(※1)(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000019241.html)。若年夫婦と熟年夫婦計800名を対象にインターネット調査を実施したところ、45%の家庭が「妻が管理している」という事でした。さらに、「妻が管理」に満足している夫は7割以上いるようです。

一方アメリカはどちらというと、お金のことは男性が管理する傾向があります。過去世代は、男性の方が教育レベルが高かったことや、家族を守ること、家計を支えることは男の仕事であるという独特のマスキュリニティ精神が背景にあるといえます。

また、貯金で資産形成する日本と違い、アメリカは国からの年金では足らないだろうと、老後資金を株式投資で増やす家庭が多いです。多くの女性は投資の判断は自信がない、夫のほうが優れていると考えていることも、家計管理を夫に任せる理由のようです

女性の教育レベルの向上や共働き家庭が増えたこともあり、男性が管理する傾向は変わりつつあるものの、まだ根強いようです。

富裕層家庭の「お金の管理」、誰がしてる?

とくに資産がある家庭では、女性が男性に任せる傾向が強いようです。UBS Global Wealth Management社が2020年2月に準富裕層以上の既婚(同棲)男女、投資可能資産が最低25万ドル(約2,600万円)以上保有する25歳以上を対象とした調査“Own your worth 2020”(※2)(https://www.ubs.com/microsites/client-segments/en/own-your-worth/home.html)では、49%の女性が男性に家計管理を任せているということです。

その中でもミレニアル世代(25~39歳)の女性54%が、夫に長期的な家計管理を任せているとのこと。ブーマー世代(55~75歳)の39%を上回っています。「共同管理するべき」と、理屈は分かっている高学歴のミレニアル世代の女性でさえ、夫の方が自分より知識があるだろうと投資には関与しない姿勢を見せているということです。

同調査書におけるその理由は様々。しかし育った家庭環境の影響は大きいと指摘しています。父親が長期的な投資を管理し、母は日々の家計を管理しているという家庭で育っいる女性に、そのような傾向が多くみられるといいます。つまり、父親が株式投資をしている環境で育った女性は、「男性(父親)に経済的に守られてきた」という意識が強いのかもしれません。

単独管理のリスク

しかし多くの専門家は、家計管理・資産形成は夫婦共同で管理することを勧めています。とくに、アメリカの男性支配の家計管理については懸念する声が高まっています。ファイナンシャルジャーナリストのファーヌーシュ・トラビ氏はブルムバーグ誌の記事(※3)(https://www.bloomberg.com/opinion/articles/2020-11-14/personal-finance-advice-for-women-avoiding-money-in-marriage?sref=2o0rZsF1)の中で、「相手に先立たれた時に途方に暮れることや、別れたくても経済的に自由がなく別れられないというような状況になることもある」と、女性が積極的に家計管理に参加することを勧めています。

また、相手が自分より投資の知識があるとは限りません。ファイナンシャル・コーチ、デビー・サッセン氏も、「投資の選択が偏っていないか、投資が上手くいっているか状況を把握することは、2人の未来のために有益だ」と自身のブログで述べています(※4)(https://debbiesassen.com/you-shouldnt-let-your-partner-manage-all-of-your-finances/)。

日本では、妻に先立たれた夫が通帳と印鑑がどこにあるかわからず戸惑った、という話が昔はよくあったと聞きます。過去世代の日本の男性は、アメリカの男性と逆に、男は黙って働き給料袋を妻に渡すことが男らしく、やりくり上手の奥さんがそこからコツコツ貯金し資産形成するという風習がありました。

しかし今の日本は、銀行金利はほぼ0%、退職金や年金も今後どうなることか。これからはアメリカのように投資で老後資金を自分で増やすことが重要となるのではないでしょうか。そうなれば、夫婦2人で学び、知恵を出し合いながら投資判断をしていくことが得策といえます。

専門家に相談することも視野に

しかしどうしても、喧嘩になってしまったり、既にどちらかが経済DVを受けているという夫婦は専門家に相談することも検討してみてはいかがでしょうか。

資産形成や使い方で意見が合わないのなら、ファイナンシャルアドバイザーを交えて話し合うというのも1つの方法です。一時的に費用がかかるかもしれませんが、毎回喧嘩となり結局何もしないでいる場合の機会費用や精神的ダメージ、時間的ロスを考えれば、長期的には利得となるのではないでしょうか。

また、経済DVを受けていると感じているのなら、勇気をだして、第三者や無料相談できるところで話してみることです。すぐに解決方法が見つからなくても諦めずに探していれば、徐々にいい方向へ向かうのではないでしょうか。資産形成は夫婦チームワークがカギ。2人で協力してより効果的な資産形成の方法を見つけてください。

参考

(※1)「夫婦の家計管理に関する調査」松井証券(株)調べ(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000019241.html)
(※2)UBS“Own your worth 2020”(https://www.ubs.com/microsites/client-segments/en/own-your-worth/home.html)
(※3)Bloomberg “Stop Leaving Money Management to Your Spouse”(https://www.bloomberg.com/opinion/articles/2020-11-14/personal-finance-advice-for-women-avoiding-money-in-marriage?sref=2o0rZsF1)
(※4)Debbie Sassen COACHING “Three reasons why you shouldn’t let your partner manage all of your finances”(https://debbiesassen.com/you-shouldnt-let-your-partner-manage-all-of-your-finances/)

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