「悠々自適の老後」はもう死後!?60代の約6割が働いているってホント?
LIMO / 2020年12月31日 20時45分
「悠々自適の老後」はもう死後!?60代の約6割が働いているってホント?
「旦那が60歳になって定年した後、悠々自適な年金生活を送っている人は、果たしてどれくらいいるのだろう?」再来年60歳になる夫を持つ51歳の主婦Aさんは、コロナ禍、さらに老後が不安になっているようです。会社の定年は60歳ですが子供の教育費が掛かるので、再雇用制度を利用して働き続けることを考えているようです。
昔の60代に比べると今の60代は若々しく「バリバリ働いている人が結構いるんじゃないか?」と考えてしまいますが、実際はどれくらいの割合の人が働いているのでしょうか。
独立行政法人労働政策研究・研修機構『60代の雇用・生活調査(https://www.jil.go.jp/press/documents/20200331c.pdf)』結果(対象:60~69歳の5,000人、調査時期:2019年7月~8月)によると下記のような結果になっています。※以下、調査結果は上記の調査を参照にします。
仕事をした: 59.0%
仕事をしなかった:41.0%
約6割の人が働いているという調査結果ですが、その人たちはどのような働き方をしているのでしょうか?
働く60代の仕事スタイルは?
「60歳過ぎても今までと同じように働いて、同じ収入を得たいな」そう思う人が多いとかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか?
会社、団体などに雇われて仕事をしていた:65.0%
会社、団体などの役員(会社経営、役員等)であった:11.5%
商店、工場、農家などの自家営業や自由業であった:11.9%
近所の人や会社などに頼まれて、任意で行う仕事をしていた:1.8 %
シルバー人材センターを通じて仕事をしていた:1.9%
家庭で内職をしていた:1.3%
家業(自家営業)の手伝いをしていた:5.5%
無回答:1.1%
実に半分以上の人が雇われて働いています。では、フルタイムで働いている人はどれくらいいるのでしょうか?
フルタイムで働いている60代はどれくらい?
雇用されている人のうち、フルタイムで働いている人の割合はどれくらいなのでしょうか?
普通勤務(フルタイム勤務):50.6%
普通勤務より1日当たりの労働時間が短い:16.0%
普通勤務より1週間当たりの勤務日数が少ない:9.8%
普通勤務より1日当たりの労働時間が短く1週間当たりの勤務日数も少ない:14.1%
勤務日と時間帯を弾力的に設定できるフレックス勤務:4.7%
在宅勤務・ テレワーク:0.5%
その他:3.3%
無回答:0.9%
約半数がフルタイムで働いていることが分かりました。前出のAさんの夫が65歳の知人に言われた言葉があるそうです。「60歳を過ぎるとガクンと体力が落ちるよ」60歳以降の体調は、アラフィフ世代にとってまだ未知の世界です。「今と同じペースで働ける!」と思いたいところですが、現実は少々違うのかもしれません。
正社員の割合は?
時間的なことも重要ですが、どちらかというと収入面に直結する雇用形態の方が気になるのではないでしょうか?60代で正社員はどれくらいいるのでしょうか?
正社員:21.4%(※男性の60~64歳:37.1%)
パート・アルバイト:40.7%
嘱託:15.2%
契約社員:14.4%
派遣労働者:2.7%
その他:4.7%
無回答:0.9%
男性の60代前半は約4割が正社員ですが、60代全体だと約2割が正社員という結果でした。まだまだ元気に見える60代ですが、そのまま正社員で働くことのハードルは思ったより高いようです。
どうして仕事を続けているの?
そもそも、どうして60歳を過ぎて仕事を続けているのでしょうか?仕事をしていた人の就業の理由は下記のとおりです。
経済的な理由:76.4%
いきがい・社会参加のため:33.4%
時間に余裕があるから:22.6%
健康上の理由(健康に良いなど):20.6%
頼まれたから:15.6%
その他:10.1%
無回答:1.0%
「年金だけではとても生活していけない」または「少しでも老後の蓄えを増やそう」と思うからか、経済的な理由が群を抜いて多くなりました。
定年後、仕事をしている人はどれくらい?
会社の定年後はいよいよ目覚ましのない悠々自適な生活になるのでしょうか?下記の数字を見るととてもそのようにはいかないようです。
定年後仕事をしている:63.4%
仕事をしていなかった:29.5%
無回答:7.1%
悠々自適の老後に近づくために家計見直しを
前出の主婦Aさんは、パートタイマーです。夫は現在58歳で現在勤めている会社は60歳で定年ですが、子供の学費が掛かるため定年後も働く予定です。会社に再雇用制度はありますが、ボーナスはなくなります。夫のボーナスが出た時には、少し財布の紐を緩めておいしいものを食べていたりしていましたが、60歳以降はそれができなくなるかもと考えるとA子さんは憂鬱になるそうです。
Aさんは最近「こんなことなら自分も正社員で働いていればよかったかも」と考えるそうです。悠々自適の老後に少しでも近づけるように、この年末年始に今一度家計の見直しをする予定のようです。
参考:
独立行政法人労働政策研究・研修機構「60代の雇用・生活調査(https://www.jil.go.jp/press/documents/20200331c.pdf)」結果
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