1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

バイデン政権の国際協調路線は機能するか? 内政・外交両面に課題

LIMO / 2020年12月31日 10時0分

バイデン政権の国際協調路線は機能するか? 内政・外交両面に課題

バイデン政権の国際協調路線は機能するか? 内政・外交両面に課題

バイデン政権の誕生まで1カ月を切った。バイデン氏は女性や黒人、ヒスパニック系など人事面でもその多様性を全面に押し進めている。この脱トランプとも言える動きに、フランスやドイツなど欧州主要国は安堵している。

しかし、その国際協調や多様性は評価できるものだが、実際どこまでそれが上手く機能するかは別問題だ。バイデン政権は内政的にも外交的にも多くの難題に直面する可能性がある。

依然としてトランプ人気が根強い中の船出

まず、外交の前に立ちはだかるのが内政だ。

大統領選挙でバイデン氏の獲得票数は8000万票を超えたが、トランプ大統領も約7380万票となり、両者とも12年前にオバマ氏が記録した6950万票(歴代最多)を上回る結果となるだけでなく、トランプ氏は4年前に自身が獲得した票数6200万票から1000万票以上も増やしている。

米国の政治専門メディア「ポリティコ(Politico)」は11月下旬、2024年の米大統領選挙における共和党候補は誰がふさわしいかを問うアンケート調査を実施し、トランプ大統領が最も高い53パーセントの支持を集めたと発表した。

他の候補者では副大統領のペンス氏が12パーセント、トランプ氏の長男が8パーセントなどとなったが、依然としてトランプ人気は根強い。

また、新型コロナウイルスは依然として米国で猛威を振るっている。既に米国はその最大被害国となっており、2021年以降もその勢いが収まるかは分からない。今後のワクチン接種がどこまで機能するかにもよるだろうが、バイデン政権は第一にコロナ対策に従事することになる。

米中二強時代、ASEANをめぐるリスクも

そして、外交の世界でも大きく難題がある。今日の国際社会では、国家間のパワーバランスは大きく変化し、既に米国一強の時代は終わり、米中二強の時代に突入している。

また、トランプ政権にも象徴されるように、世界では自国優先主義的な流れやナショナリズムが強くなっており、イスラエルやサウジアラビアなどトランプ大統領の敗北を内心残念がっている国々も少なくない。

こういった世界の潮流の中で、バイデン政権の多様性や国際協調がどこまで機能するかは全くの未知数だろう。

たとえば、日本も重視するインド太平洋構想において、東南アジアはインド洋と太平洋の真ん中にあり極めて重要な地域だが、ラオスやカンボジア、ミャンマーなどは中国との経済的結束が強い。

ミャンマーは少数民族ロヒンギャの人権弾圧について沈黙を守り続け、カンボジアではフンセン政権が野党を解党するなどして事実上の独裁体制となっている。また、タイではプラユット政権や王政を批判する市民の激しい抗議デモが続いているが、市民への人権侵害も問題になっている。

人権問題を重視するバイデン政権がこういった問題でASEAN各国に追求していくと、米国とASEANの間で亀裂が生じ、中国がそういった隙をついてASEANへの接近をさらに加速化させる可能性もある。

以上のように、バイデン政権は内政と外交の両局面で難しい課題に直面する可能性がある。コロナ禍もあり、世界はさらに混沌とした時代に直面しようとしている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください