1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

米大統領就任式の宣誓、オバマ元大統領がやり直した理由

LIMO / 2021年1月18日 19時5分

米大統領就任式の宣誓、オバマ元大統領がやり直した理由

米大統領就任式の宣誓、オバマ元大統領がやり直した理由

バイデン氏の大統領就任式が目前に迫る

昨年11月の米国大統領選挙から2カ月以上が経ちました。大接戦だったかどうかは判断が分かれますが、バイデン氏が勝利し、トランプ政権は4年で終わることになりました。しかし、トランプ大統領が敗北を最後まで認めなかったことで揉めに揉め、ついにはトランプ大統領の支持者の一部が米国議会に乱入する騒ぎとなったのはご存知の通りです。

目下の最大の焦点は、1月20日(現地時間)に行われる大統領就任式です。就任式でバイデン新大統領が行う就任演説の内容のみならず、就任式後の金融市場の動きや国際情勢の行方などを全世界が注目しています。

バイデン次期大統領は、深刻な分断が鮮明となった米国社会の結束を回復させることができるのでしょうか。

コロナ禍で異例のパターンとなる模様

しかしながら、今回の大統領就任式は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて従来とは大きく変わる模様です。恒例となっている華やかなパレードは実質的に中止となり、インターネットでの“バーチャル・パレード”が放映されると目されていますが、詳細は不明です。

さらに、政治家や各界の著名人といった就任式への参加者も大幅に縮小される見込みであり、4年に1度の”祭典”というイメージからはかけ離れたものになるかもしれません。

また、これまでは日本でも日付が変わった21日午前1時過ぎからNHK衛星放送で生中継されるのが恒例でした。今回も何らかの形で放送すると予想されますが、直前にならないと放送時間等が判明しない可能性があります。

ところで、毎回毎回全世界が注目する米国大統領就任式とは、いったい何なのでしょうか。

就任宣誓が終わって初めて正式な大統領となる

大統領就任式とは、“次期”大統領が連邦議会議事堂前でアメリカ合衆国大統領職への就任宣誓を行う式典です。

新型コロナウイルスの影響で規模が縮小される今回の就任式ですが、この就任宣誓は通常通りに行われます。場所もこれまでと同じ連邦議会議事堂前であり、ネット上での宣誓ということにはなりません。それだけ、この就任宣誓は神聖で重要な儀式なのです。

そして、この就任宣誓を終えた時から、“次期”大統領が正式に大統領に就くとされています。つまり、就任宣誓が終わるまでは、米国大統領はトランプ氏のままなのです。正確には、就任式が行われる日の正午(今回ならば1月20日の正午)から、新大統領の職務が開始されることが憲法で定められています。

ただ、実際には、就任式が正午に合わせて行われるため、前述のような“就任宣誓=大統領の職務開始”となっているようです。

宣誓文は合衆国憲法で厳格に定められている

この就任宣誓ですが、『私は合衆国大統領の職務を忠実に遂行し、全力を尽して合衆国憲法を維持、保護、擁護することを厳粛に誓う(I, ***** do solemnly swear that I will execute the Office of President of the United States faithfully and will to the best of my ability, preserve, protect, and defend the Constitution of the United States. So help me God.)』という文言であり、これは合衆国憲法で定められた定型文です。

「*****」の部分には大統領本人の氏名(今回なら“Joseph Robinette Biden, Jr”となります)が入りますが、その他は一切の変更が許されません。憲法で厳格に定められているからです。日本ではちょっと考えられない厳しさです。なお、日本語訳の最後にある「誓う」は「確約する」という訳もあります。

就任宣誓のやり直しが起きたのはなぜか

こんな長文を一言一句間違えずに暗唱できるのか?と思うかもしれませんが、実際の就任宣誓では、壇上に連邦最高裁長官と“次期”大統領の2人が立ちます。そして、連邦最高裁長官がこの宣言文を区切りの良いところで切って読み上げ、“次期”大統領が復唱する形を取ります。

なお、復唱する形で宣誓する“次期”大統領は、メモ用紙などを見ることが禁止されています。そのため、間違って復唱するケースが実際に起きました。ただ、それは大統領側のミスではなかったのです。

2009年に行われたオバマ大統領の就任式において、最高裁長官がこの宣誓文を一部間違えたため(語順ミス)、後日、ホワイトハウスでやり直す事態になっています。

オバマ氏は戸惑った様子で言い淀んだものの、最高裁長官をおもんばかったのか間違ったまま復唱しました。いずれにしても、わざわざやり直しをするくらい、極めて厳格な宣誓と言えます。

このような就任宣誓の形式を知っておくと、1月20日の就任式をよりいっそう楽しめるかもしれません。いずれにせよ、是非とも注目したいイベントです。

首都ワシントンは厳戒態勢に

なお、 “次期”大統領は聖書に手を当てて(置いて)宣誓することが“慣例”となっています。ただし、これは憲法で定められた様式ではないため、この行いに関しては一部で政教分離に反するのではないかという見解があるようです。

この就任宣誓が終わって、晴れて正式に大統領職に就いた後、就任演説が行われます。今回は、この就任演説がリモート形式になると予想されますが、トランプ政権後の行方を見極める意味でも世界中が注目しているでしょう。

最後になりますが、今回の大統領就任式が無事に行われることを切に希望します。本当かどうかはさておき、ネットでは就任式を妨害する動きも見られているようですし、実際、ワシントンDCは戒厳令に近いような厳重警戒態勢が敷かれていると報じられています。何事もなく平穏な式典となりますよう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください