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あなたが無意識に「損する」行動をしてしまうのはなぜか

LIMO / 2021年1月29日 19時5分

あなたが無意識に「損する」行動をしてしまうのはなぜか

あなたが無意識に「損する」行動をしてしまうのはなぜか

私たちは普段の生活の中で、無意識のうちに損をする、もしくは得にならない行動をとっているものです。それには人間の心理が関係していますが、私たちは自分の心理を客観的に見ることができません。

そこで今回は、知らず知らずのうちに損をしているということをなくすため、行動経済学の理論を活かしたヒントを紹介したいと思います。

利益よりも損失回避を重視してしまう「プロスペクト理論」

たとえば、5本の当たりくじと5本のはずれくじが入った10本のくじを1本引きます。当たりが出たら10万円もらえますが、はずれが出たら5万円を渡さなければならず、くじを引かなければ2万円もらえるとしたらどうしますか?

多くの人がくじを引かないという選択をするのではないでしょうか。当たりもはずれも50%の確率で、当たれば、はずれのときに失う金額の2倍の金額をもらえます。しかし、利益を得られるチャンスがあるにもかかわらず、多くの人が損をしたくないという気持ちでくじを引かないのです。

また、買い物をするとき、「xxすると5倍おトク!」と言われるより、「yyしないと2倍損をする!」と言われる方が印象に残るのではないでしょうか。

こうした「損失」を嫌う人間の心理を利用して、企業はさまざまなマーケティング戦略を練るのです。トクするよりも損をしたくないという気持ちが先行してしまう、そんな心理を利用したアピール方法というわけです。

人間は、こんなタイプのアピールに弱いのだということを自覚しておくだけで、少し賢い買い物ができそうに感じませんか?

目先の利益を優先してしまう「現在志向バイアス」

学校などで習う経済学では、基本的に人間はいつも経済的な合理性を考えて行動するとされていました。「明日もらえる1万円」と「1年後にもらえる1万2,000円」だったら、金額が多い1万2,000円のほうがトクだからそちらを選ぶのが経済合理性だというわけです。

ですが、実際には多くの人が「明日もらえる1万円」を選ぶのではないでしょうか。このように、遠い未来の利益よりも目先の利益を優先してしまうという心理に左右されてしまうのは仕方ないことですが、一方で私たちの本来の目的を邪魔してしまうこともあります。

ただ、自分の考え方のクセを知っておけば、これも防げる可能性があります。たとえば、「健康のことを考えてジョギングすることにしたけれど、今日は疲れたしサボってしまおう」と思うことはありませんか?

もしくは、「節約しようと思っているけれど、今日はせっかく買い物に来ているから今日だけは特別にたくさん買い物をしてしまおう」と思うこともあるかもしれません。

そんなとき、「こう思ってしまうのは現在志向バイアスのせいなんだ」と考えることができれば、本来の目的にかなった行動を取れるのではないでしょうか。

自分に都合のいい情報ばかり収集してしまう「確証バイアス」

私たちは毎日さまざまな情報を取り込んで生きています。インターネットの普及でより多くの情報を収集することができるようになりましたが、そうしたさまざまな情報の中から私たちはつい自分にとって都合のいい情報ばかりを収集してしまっています。

たとえば、占いの類もこれに当てはまります。血液型占いで「A型は几帳面でマジメ」と書かれているのを見たあとに、A型の人が掃除をしていたり本を読んでいるのを見たら、「やっぱりA型は几帳面でマジメだな」と思ってしまいませんか。

確証バイアスのことを知り、もしかしたら自分に都合の悪い情報を取り入れられていないのでは、という視点を持つことが大切です。自分に都合の悪い情報を取り入れないとつい考え方が偏ってしまいますが、意識的に自分に都合のいい情報以外も取り入れるようにすると、ものの見方が広がるでしょう。

あえて高いものを選んでしまう「ヴェブレン効果」

ヴェブレン効果というのは、いわゆる見栄の消費です。高級ブランド品を購入すると、いろんな人に見せびらかしたり、自慢したくなって、持ち歩きたくなるのが人間の心理。それで、多くの人の手が届かないようなモノをあえて購入してしまうのです。

別な言い方をすると、真の商品価値にかかわらず「高いからこそ、価値がある」ということを感じて購入してしまうのが「ヴェブレン効果」。まさに、あえてブランド志向でモノを購入する心理ですね。

これも意識して心にとめておくだけで普段の生活が少し変わるのではないでしょうか。自分にとって本当に必要なものなのか、それとも単なる見栄の消費であって自分の生活には不要ではないのか。そういうことを常に考えて買い物をしたいものです。

おわりに

自分たちの心理なのに、私たちは意外と自分のことを知らないものです。まずは今回紹介したような心理効果で、”実は損している”こともあるというのを知りましょう。そして、意識的に「あ、いま私はこういう心理状態なんだな」と冷静に客観視すると、自分の消費行動が変わるかもしれませんね。

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