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中受家庭はお金持ち⁈教育費と家計費のリアルとは

LIMO / 2021年1月28日 11時5分

中受家庭はお金持ち⁈教育費と家計費のリアルとは

中受家庭はお金持ち⁈教育費と家計費のリアルとは

1月も終わりに近づき、中学受験をするご家庭や、受験準備のための入塾を控えたご家庭は「受験モード」が高まってくる頃だと思います。

ご自身やパートナーが中学受験を経験したという方以外は、実はその「大変さ」にピンと来ていない場合も多いのでないでしょうか。上京してきたご夫婦などは「都会では中学受験をした方がいいのはなんとなくわかるけれど、それはお金持ちのすることでは?」などと考えてしまうかもしれません。

今回、株式会社ファルボは、中学受験にかかる学習費の実情をインタビュー。中学受験家庭のことを「中受家庭」とよび、その「中受家庭の家計のリアル」が見えてきました。

中学受験世帯の年収は?

株式会社ファルボ(https://www.farvo.co.jp/)は、2020年12月に「世帯年収別の中学受験にかかる補助学習費実態調査 (https://www.value-press.com/pressrelease/260944)」を発表しました。調査によりますと、私立中学に通う家庭の約52%が、世帯年収1,000万円以上という調査結果を公表しています。

対して、厚生労働省の「平成29年度(2017年)国民生活基礎調査の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa18/dl/03.pdf)」によると、「児童のいる世帯(18歳未満の未婚の人がいる世帯)」の1世帯当たり平均所得金額は743 万6,000 円、中央値(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)をとると648万円とのこと。いわゆる「子育て家庭の平均的年収」と比べると、私立の中学に通う多くの家庭が平均的な年収よりも高い人たちの集まりであることがわかります。

中学受験をするためにかかった費用は?

先ほどご紹介した「世帯年収別の中学受験にかかる補助学習費実態調査」では、実際に中学受験を終えたご家庭にインタビューもおこなっています。インタビューに回答してくれた2件のご家庭に「小学4年生から6年生までの中学受験のために必要となる補助学習費(学習塾・家庭教師・通信教育)」をお聞きしたところ、Kさん(世帯年収1135万円)は約326万円。Oさん(世帯年収1000万円)は約275万円と回答しました。どちらのお子さんもいわゆる「大手進学塾」に通い、手厚いサポートを受けながら実力を伸ばし、見事難関校へと合格したそうです。インタビュー中には、毎月のマネーデータも掲載されており、Kさんのご家庭の教育費は15.8万円、Oさんのご家庭の教育費は16万円というデータも記されていました。この金額を聞くと「うちとは到底世界が違う」と感じるかもしれません。

しかし、筆者が注目したのはそれ以外の項目です。Kさんのご家庭は外食費を1万円、通信費を7千円に抑えていたり、Oさんのご家庭は外食費千5円、趣味・娯楽費をそれぞれ5千円に抑えているなど、教育費以外に関しては、平均的な家庭よりも出費を抑えている印象を受けました。

年収と塾代だけ見てしまうと、中学受験は一部のお金持ちが優雅にしているかのようにも見えてしまうところもありますが、実際は「家計をどのように工夫し、子供の『やりたい』を応援してあげるか」という、親御さんたちの工夫や意気込みが感じられました。インタビューによると、教育費以外の節約に加え、株や投資信託への挑戦、普段からマイルを活用した買い物など、年収が高いこと以外でもお金をうまく動かしているようです。

 

「マネーゲーム」といわれる中受。その価値は?

高額な塾代は、多くの人にとって重くのしかかる頭の痛い問題です。とはいえ、まだまだ幼さの残る小学生が無事合格をつかみ取るためには、多くのノウハウやサポートが必要といいます。そういった家庭ではできない部分をお任せするための塾や家庭教師代は多くの費用が掛かるもの。これは中学受験のモデルともいえ、ほとんどの家庭はこの手順を踏み目標とする中学へ進学していくそうです。それでは、精神的にも金銭的にもかなりストイックさが求められる中学受験を経験するメリットはどんなものがあるのでしょうか。

・「東京などは、中高一貫教育が進むにつれ『子供が入りたいと思った学校が高校からの募集がない』というパターンが増えている。高校受験で入りたい学校に挑戦することすらできないのはかわいそうなので、中学受験をさせる」

・「最終的に大学受験のために予備校などに通うことを考えると、中学から目標に向かい学校がサポートしてくれる私立は決してコスパの悪いものではない。年齢が上がるにつれて塾や予備校の費用はあがるもの。そういったものも学費に入っていると考えている」

・「私立の学校に早くから通わせる魅力といえば、はやり人脈づくり。ここに集まる人間は同じように努力してきた仲間だし、意識も高いため生涯続く友人になると聞く。公立のように内申点を気にして行動しなくていい点や、問題のある生徒に先生が時間を費やすことが少ないので、できる子がさらに伸びる環境だと思う」

大事なのは子供への熱意とお金のメリハリ?

中学受験の話題として、避けて通れないのが塾代をはじめとする教育費の問題です。「中学受験=課金ゲーム」などといわれることが増えた今ですが、決してお金をたくさん払ったからといって必ずしも望む進路に進めるわけではありません。

そこにはお子さんの努力はもちろん、親御さんたちが「子供が望んだときに出してあげるだけの準備をしておきたい」という姿勢を感じました。平均的な家計の家からすると「お金があるから出してあげられて羨ましい」とだけ思ってしまいがちですが、一部の「大金持ち」を除き、多くの高収入といわれる家庭でも教育費をねん出するためにメリハリをつけた生活をおこなっている様子。

平均以上の年収のご家庭の多くは、そういった姿勢も持ち合わせお子さんたちの将来を考えているのではないか、そんな風に感じました。

参考資料

株式会社ファルボ「世帯年収別の中学受験にかかる補助学習費実態調査 (https://www.value-press.com/pressrelease/260944)」

厚生労働省「平成29年度(2017年)国民生活基礎調査の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa18/dl/03.pdf)」

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