「別居したい、でもお金が不安…」離婚前の生活費はどうすればいいのか
LIMO / 2021年2月17日 12時5分
「別居したい、でもお金が不安…」離婚前の生活費はどうすればいいのか
離婚に向けて話し合いを始めると、別居することになる夫婦も多いでしょう。離婚話をしているときには精神的にも大きな負担になりますが、いざ別居となると金銭面のことも考えなければなりません。
では、子どものいる女性が別居する場合、生活費を確保するために知っておくべきなのはどんなことでしょうか。シングルマザーのケースを参考に、離婚前と離婚後で利用できる制度の違いについても見ていきます。
シングルマザーの生活費の目安とは
シングルマザーの生活費は、一説では1カ月およそ15万円程度といわれています。内訳の目安としては、家賃約5万円、水道光熱費約2万円、携帯代5千円、食費や日用品費用約3万5千円、教育費(給食費や保育園、習い事など)約1万5千円、その他に交際費やレジャー費、被服費、ガソリン代、保険費用、医療費などがかかります。
教育費や食費などは子どもの数や年齢によって違い、家賃や車にかかる費用については住む地域により異なりますが、地方都市在住の筆者の実感はこれに近いものです。
一番大きいのは住む場所の問題
離婚前の別居を考える際に最も悩ましいのが、どこに住むかということ。実家に戻れる人は実家に戻る選択肢もありますが、そうしない場合はアパートなどを借りる必要があります。
生活費を節約するためには住居費を抑えるのが効果的ですが、離婚後であれば公営住宅への申込みができます。
一般的には離婚前には公営住宅の申込みができませんが(DV被害者は裁判所などの証明書でできる場合もあります)、今後のためにも公営住宅の利用を検討しておくといいでしょう。
別居する場合の住居は、費用的にも子どものための環境的にも悩むところですが、初めから一か所に決めるのでなく、離婚前・離婚直後・離婚から1年後、というように段階的に考えるのも一つの手です。
生活費用をどう捻出するか
住居費用も含め、月々の生活費用をどう工面するかはしっかり考えておかなければならない問題です。離婚後には一定の所得以下であれば受けられる「児童扶養手当」がありますが、基本的には離婚前には受け取ることができません。
特に妊娠~乳幼児の子育て中は仕事ができなかったり、働き方もパートというケースが少なくないでしょう。しかしパート収入の平均額は、月99,827円(厚生労働省「毎月勤労統計調査 平成30年分結果確報(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/30/30r/30r.html)」)。
この金額だと、先述したシングルマザーの生活費の一例から見ても5万円ほど不足しますから、住居費がかかる場合はパート収入だけで生活費をまかなうのはなかなか困難です。
別居後の生活費を確保するために重要なのは、婚姻費用を受け取ることです。
婚姻費用とは、夫婦が生活する上で必要となる全ての生活費のこと。たとえば、住居費や食費、子供を育てるのにかかる費用などで、婚姻費用は夫婦がその負担能力(収入の大小等)に応じて、分担する義務を負っています。
別居している場合でも、生活費を受け取りたい側は相手に婚姻費用を請求することができます。具体的な金額について話し合うときは、裁判所による「養育費・婚姻費用算定表(https://www.courts.go.jp/tokyo-f/vc-files/tokyo-f/file/santeihyo.pdf)」などを参考にするといいでしょう。
また、話し合いが進まなかったり、話し合い自体ができない場合は、早めに婚姻費用の分担請求調停の申し立てを行いましょう。
申し立てにかかる費用は、収入印紙1200円分と連絡用の郵便切手代(申し立てをする家庭裁判所によって異なる)です。必要書類は、裁判所のウェブサイト「婚姻費用の分担請求調停(https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_03/index.html)」で確認できます。
児童手当についても、基本的に子どもを養育している親側がもらうことができます。別居をしたら手続きについて一度自治体へ確認してください。特に乳幼児を育てている家庭は別居中の生活費や住居に困る場合が多いですから、利用できる制度は利用することが必要です。
こうしたことに加えて、子どもの年齢に合わせてライフプランを立てるのも大切なことです。具体的な計画を描くことで、”この先どうなるかわからない”という不安も和らぐでしょう。
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