「現在の生活に満足している」20代、収入も買い物も背伸びしない
LIMO / 2021年2月26日 20時5分
![「現在の生活に満足している」20代、収入も買い物も背伸びしない](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_21947_0-small.jpg)
「現在の生活に満足している」20代、収入も買い物も背伸びしない
他の年代より現在の生活に満足している20代
内閣府の「国民生活に関する世論調査(令和元年度)」によると、18歳以上を対象に現在の生活にどの程度満足しているかを聞いたところ、全年代では「満足」が73.8%のところ、18~29歳の若者では85.8%が「満足」と回答。これは、調査対象のすべての年代の中で最も高い数字です。
また「所得・収入に対する満足度」についても、全年代では52.3%が「満足」と回答しているのに対し、18~29歳では58.4%が「満足」しており、こちらもすべての年代の中で最も満足している人の割合が高くなっています。
注:「満足」=「満足している」「まあ満足している」と回答した人の合計
お金に対する価値観やその使い方には個人差が大きい一方で、若者の消費傾向というのは景気や社会全体の雰囲気などを反映するとも言われています。
では実際、20代のお金事情や消費傾向はどのようなものなのでしょうか。最新の調査データから生活満足度の高さの理由を探っていきましょう。
20代の平均お小遣い額と貯蓄額
まずは、20代のお財布事情を見ていきましょう。
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が、20代男女1,000人を対象に行った「20代の金銭感覚についての意識調査2021」によると、毎月自由に使えるお金はいくらあるか聞いたところ、お小遣いの平均は月2万9,398円でした。
これは、コロナ禍前の2020年版調査に比べて638円増加した金額になっており、「意外と高い…」と感じた方もいるかもしれません。しかし図1のように、最も多くの回答を集めているのは「1万円以下(29.2%)」。また約10人に1人は「0円(10.2%)」と回答していることから、多くはつましいお財布事情であることがうかがえます。
図1 20代の毎月のお小遣い額
(/mwimgs/4/0/-/img_407af64d511d0850189a91caa973bdb640593.jpg)拡大する(/mwimgs/4/0/-/img_407af64d511d0850189a91caa973bdb640593.jpg)
出典:「20代の金銭感覚についての意識調査 2021」(SMBCコンシューマーファイナンス)
また、現在の貯蓄額について聞いてみると、貯蓄額の平均は72万円であるものの、内訳は「50万円以下(40.8%)」「0円(18.2%)」となっており、過半数は平均額にとどいていないという結果になりました。
今の20代は「背伸び消費」より「身の丈消費」?
このようなお財布事情を反映してか、全回答者に自身の消費傾向について聞いたところ、「無理をせず、買える範囲で良いものを選びたい」と答えた人は、「非常に当てはまる」「ややあてはまる」を合わせて78.7%にものぼりました。
「多少無理しても、良いものにお金をかけたい」と答えた人の合計が48.3%であったことを考えると、最近の20代の人は多少背伸びした購買活動をするのではなく、身の丈に合った購買活動をする傾向にあるようです。
そして、さまざまな情報をチェックし購入するかどうかを慎重に検討している姿勢も、調査結果から見て取ることができます。「購入検討する際、おなじ商品群・サービスの中で”最安値”のものは必ずチェックする」「商品やサービスのレビュー(口コミ)を必ずチェックする」では、それぞれ7割以上が「あてはまる」と回答しました。
筆者が20代で学生だった頃には(もう十数年前のことですが…)、アルバイトの給料が入るとお気に入りのブランドの服や靴、カバンなどを次から次へと購入してしまい、ギリギリの生活費で耐えていたこともありました。もちろん個人差はあるものの、現在の景気や社会情勢をよく表している結果とも言えるのではないでしょうか。
20代と「モノを持たない消費」サブスクサービス
今ではすっかりお馴染みになった月額・定額制で使い放題のサービス、いわゆる「サブスクサービス」。
最近では、さまざまな企業がサブスクサービスを提供しており、サービス内容も多種多様となっていることから「最近サブスクを始めた」という方も多いことでしょう。
たとえば、大手動画配信サービス「Netflix (ネットフリックス)」では、コロナ禍の巣ごもり消費などが追い風となり、日本の有料会員数は2020年夏までの1年間で約200万人増え、現在では500万人超にも達しています。
そんな中、20代はサブスクサービスをどのように捉えているのでしょうか。同調査によると、利用意向について前向きなのは全体の42.1%となっており、これは前回の2020年版調査に比べて4.1ポイント高い数字です。
一方で、実際にサブスクサービスにお金をかけている人の割合は34.8%にとどまっており、ひと月あたりにかけている金額の全体平均も738円と、実際に使っている人はまだ少数派のようです。
しかしながら、サブスクサービスの「モノを持たない消費」というのは20代の消費傾向と合っていることから、今後はさらに若い世代にもサブスクサービスは広がっていく可能性がありそうです。
おわりに
20代と言えば、お金を自由に使えるという喜びから多少向こう見ずな消費をしがちな年代というイメージがありましたが、昨今の20代はそのようなことはなく、自分の身の丈に合った消費活動をする人が多いようです。筆者は多少痛い目を見ながらお金の使い方のイロハを学びましたが、最近の20代は既にそういった知識がしっかりインプットされているのかもしれませんね。
参考資料
「20代の金銭感覚についての意識調査2021(http://www.smbc-cf.com/news/datas/chousa_210114.pdf)」(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)
「Netflixが日本の料金値上げ 巣ごもり消費で会員増加(https://mainichi.jp/articles/20210205/k00/00m/020/087000c)」(毎日新聞)
「国民生活に関する世論調査(令和元年度)(https://survey.gov-online.go.jp/r01/r01-life/2-1.html)」(内閣府)
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