60歳以上無職世帯「貯蓄2000万円超」の割合は?
LIMO / 2021年2月18日 12時0分
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60歳以上無職世帯「貯蓄2000万円超」の割合は?
金融庁のワーキンググループ報告書に端を発した「老後2000万円問題」をきっかけに、リタイヤ前の貯蓄目標額として「2000万円」を設定されたという方もいらっしゃるかと思います。
ゆとりある老後のためには、現役時代からコツコツお金を貯めていく努力が必要となることは言うまでもありません。
家族構成、生活スタイル、さらにいうと定年退職金の有無といった状況は人それぞれですが、
2000万円という大金を短期間でサクッと貯めることは、簡単なことではないでしょう。
では実際のところ、老後生活の入り口ともいえる世代は、どのくらいの貯蓄をもっているのでしょうか。
今回は「60歳以上・無職世帯」のお金事情をひもといていきます。
「二人以上、世帯主が60歳以上の世帯」の貯蓄事情
さいしょに、「二人以上かつ世帯主が60歳以上の世帯」の貯蓄事情をながめていきます。
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、この条件に該当する貯蓄保有世帯の中央値は1506万円、平均値は2285万円となっています。
なお、 貯蓄保有世帯の中央値は、貯蓄「ゼロ」世帯を除いた世帯を貯蓄現在高の低い方から順番に並べたときに,ちょうど中央に位置する世帯の貯蓄現在高のこと。平均値は一部の「お金持ち」層によって引き上げられるため、「中央値」を参考にするのがおすすめです。
では、貯蓄額の分布もみてみましょう。
貯蓄額の分布「二人以上、世帯主が60歳以上の世帯」
100万円未満・・・8.5%
100万~200万円・・・3.9%
200万~300万円・・・3.4%
300万~400万円・・・3.7%
400万~500万円・・・3.2%
500万~600万円・・・4.1%
600万~700万円・・・3.5%
700万~800万円・・・2.8%
800万~900万円・・・3.1%
900万~1000万円・・・2.3%
1000万~1200万円・・・6.0%
1200万~1400万円・・・4.8%
1400万~1600万円・・・4.0%⇐中央値(1506万円)
1600万~1800万円・・・3.8%
1800万~2000万円・・・3.3%
2000万~2500万円・・・7.5%⇐平均値(2285万円)
2500万~3000万円・・・6.2%
3000万~4000万円・・・8.5%
4000万円以上・・・17.3%
「無職の高齢者世帯」の貯蓄は減っている?
さらに「無職の高齢者世帯」に絞ったデータをみていきましょう。
高齢無職世帯の貯蓄現在高は、以下ように推移しています。
2014年・・・2372万円
2015年・・・2430万円
2016年・・・2363万円
2017年・・・2348万円
2018年・・・2280万円
2019年・・・2244万円
2019年は、前年に比べて36万円のマイナスという結果に。さらに、4年連続で減少しています。
とはいえ、どの年度も2000万円以上のラインは維持したままですね。
ここで、2019年の無職高齢世帯の平均貯蓄額「2244万円」の内訳をみてみましょう。高齢世帯がどのような方法で貯蓄しているのかをつかむことができそうです。
高齢無職世帯の貯蓄の種類別貯蓄現在高(二人以上の世帯)
金融機関
通貨性預貯金・・・552万円(24.6%)
定期性預貯金・・・948万円(42.2%)
生命保険など・・・374万円(16.7%)
有価証券・・・361万円(16.1%)
金融機関外・・・8万円(0.4%)
通貨性預貯金…自由に入出金可能な普通預金など
定期性預貯金…金融機関に一定期間預ける定期預金など
生命保険など…生命保険会社の養老保険やこども保険などで、掛け捨ての保険を含まない
さいごに
今回は、60代以降のみなさんの貯蓄事情をながめてみました、ここ数年は経済的に厳しい状況であるにもかかわらず、平均額は2000万円以上をキープしているという結果に。多くの世帯で、「老後までにまとまったお金を貯めておかなければ」という共通認識があるようです。
とはいえ、冒頭で触れた「老後2000万円」という金額はあくまでも目安です。
夫婦が健康で過ごせた場合を前提として、「30年間毎月5.5万円の赤字が続いた場合」の金額なのです。よって、病気や要介護状態になったときに必要となる費用(介護リフォーム、老人ホーム入居費など)は含まれていません。
健康状態、現役時代の生活水準や年金受取額などによっては、予想外の老後資金が必要となる方もいらっしゃるわけです。
こちらを読んでくださいっている現役世代のみなさんの中には、「住宅ローンや教育費の捻出で精いっぱい、老後資金まで手が回らない…」とお感じの方も多いでしょう。
お金のことは親しい友人にも相談しづらいもの。働き盛りの忙しいみなさんが、長い老後を見据えた資金形成のスタートを考えたなら、一度「お金のプロ」に相談してみることもおススメです。
ひとりひとりのライフスタイルに寄り添う、オーダーメイドのマネープランを見つけるきっかけになるかもしれません。
参考資料
総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)「報道資料(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2019_yoyaku.pdf)」「Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2019_gai4.pdf)」
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