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定年サラリーマン、退職金の危ない使い方・3つのNG行動

LIMO / 2021年3月3日 19時35分

定年サラリーマン、退職金の危ない使い方・3つのNG行動

定年サラリーマン、退職金の危ない使い方・3つのNG行動

コロナ禍による減収や失業などのニュースを耳にすると、将来や老後への不安を感じることもあるのではないでしょうか。特に定年間近の年代の場合はなおさらかもしれません。

定年時の退職金は、多くの場合、サラリーマンが一生のうちで手にする一番大きなお金です。定年が近づくにつれて、その使い道に頭を悩ます人も多いのではないでしょうか。

退職金はセカンドライフの強い味方になる一方で、その使い方を間違ってしまうと老後の生活設計を大きく狂わす可能性もある資金だといえます。充実した老後の生活設計ができるように、退職金の使い方で避けたい3つの大きなポイントを見ていきます。

ポイント1. リスクの高い商品に投資すること

近年、勤務先のDC(企業型確定拠出年金)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入率も増えてきていますが、それに加えて退職金というまとまった資金で資産運用をスタートしようと考える場合もあるでしょう。最近はスマホのアプリで簡単に資産運用を始められるなど、ひと昔前と比べて初心者にとってもハードルは低くなってきています。

しかし、資産運用には元本割れのリスクもあるため、大切な退職金の運用を考える際には特に商品選びが重要になります。以下は、リスクとリターンの関係、そしてリスクの高い金融商品です。

リスクとリターンとは?

資産運用をする際のリスクとは「リターンの振れ幅があること」。言い換えると、「リスクが大きいものほど、リターンも大きい」「リスクが小さいものほど、リターンも小さい」ということになります。

「ハイリターン」の金融商品は魅力的に見えるかもしれませんが、それは「ローリスク」ではありえません。リスクの高いものとしては、仮想通貨やFXがあります。

仮想通貨

最近話題のビットコインの価格は、2017年に円換算で200万円を超えましたが、2018年にはビットコインバブル崩壊などといわれ低迷、その後乱高下を繰り返していました。2021年2月22日にも一時600万円を超えるまでに上昇したものの、翌23日の夜には480万円へと急落しています。

ビットコインは、ドルや円などのように国が価値を保証している法定通貨ではなく、インターネット上でやりとりされるいわば電子データです。そのため、上記のようにいきなり価格が高騰したり、暴落したりすることが珍しくないハイリスク・ハイリターン商品だといえます。

FX(外国為替証拠金取引)

FX(Foreign Exchangeの略)は日本語で外国為替証拠金取引といい、外貨預金と同様に外貨に投資する商品です。ただ、外貨預金は自己資金の範囲内で投資するのに対し、FXの場合は自己資金(証拠金)を担保に、その何倍もの金額の取引ができる点が特徴とされています。

そのため、うまくいったときには大きく利益を手にすることが可能ですが、その反面、自己資金(証拠金)以上の損失が出ることもあるリスクの高い商品です。

ポイント2. 住宅ローン返済にお金を回し過ぎること

総務省統計局の「家計調査年報(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)貯蓄・負債の概要(二人以上の世帯)」によると、世帯主が50~59歳の世帯では、負債現在高は652万円、貯蓄現在高は1,704万円。また、負債保有世帯の割合は、50~59歳が55.3%、60~69歳が26.9%、70歳以上11.9%という結果になっています。

このように、60歳を境にして住宅ローンなどの負債残高は減っていく傾向にはありますが、マイホームを購入した時期が遅い場合には、退職後も相応のローンが残っているという世帯もあるでしょう。

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出所:家計調査年報(貯蓄・負債編)2019年(総務省統計局)

生活資金が枯渇することがないように

退職金でローンを一括返済すると将来払うべき利息分を減らせるので、総返済額を少なくするメリットがあります。一方で、退職金に頼り過ぎた返済をしてしまうと、その後の老後資金が足りなくなることも。そのため、現役時代から可能な範囲で繰り上げ返済するなどして、定年のタイミングでのローン残高を極力少なくしておきたいものです。

また、注意が必要なのが、定年退職後に再雇用・再就職しなかった場合です。公的年金の受給開始は原則65歳なので、定年から65歳までの間に収入がないと、持っている貯蓄を取り崩して生活していかなければなりません。そのため、退職金での一括返済を行うとしても、年金受給までの生活費をしっかり確保しておくことが重要です。

リフォームにも注意

30代でマイホームを購入したとしたら、定年後にリフォームが必要な時期がやってくるでしょう。傷みやすいバス・トイレなどの水回りはもちろんですが、ついでにキッチンも…などということになると思わぬ出費になることも。家族であらかじめ話し合ってリフォームにかける予算を決めておくことで、そうした事態を避けられます。

ポイント3. 現役時代と同じ生活費レベルで暮らすこと

退職金の使い方で特に注意が必要なのが、生活費のレベルをどう考えるかです。ここに無頓着だと、ボディーブローのようにじわじわと退職金を食い潰してしまいかねません。

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2019年(令和元年)平均結果の概要」によると、世帯主の年代別にみた月平均の消費支出(2人以上の世帯のうち勤労者世帯)では、定年前の50~59歳の年代の消費支出が362,601円と最も高くなっています。ちなみに、40歳未満では280,286円、40〜49歳では334,426円、60歳以上では300,493円です。

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出所:家計調査報告 家計収支編 2019年(令和元年)平均結果の概要(総務省統計局)

定年後も働くつもりであっても、給料は現役時代より減ることを覚悟しておかなければなりません。また、生活レベルを下げるというのも、頭でわかっていても実際はなかなか難しいものです。そのため、定年が近づいてきたら、60歳以降の生活費を想定した家計の見直しをおこない、少しずつ家計をダウンサイジングしていくといいかもしれません。

おわりに

人にはそれぞれライフスタイルがあり、退職金の使い方に正解はありません。ただ、無計画だったりリスクの高い使い方をした結果、セカンドライフの計画が台無しになることは避けたいものです。長年苦労して手にした退職金。無駄にすることがないよう、攻めるよりは守りの姿勢で退職金の使い道をじっくり検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料

リスクとリターン(https://www.jsda.or.jp/jikan/lesson3/)(投資の時間/日本証券業協会)

家計調査年報(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)貯蓄・負債の概要(http://www.stat.go.jp/data/sav/2019np/gaiyou.html)(総務省統計局)

家計調査報告 家計収支編 2019年(令和元年)平均結果の概要(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2019.pdf)(総務省統計局)

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