看護師が語る、看護師の「サービス残業多すぎ」問題
LIMO / 2021年3月3日 18時35分
看護師が語る、看護師の「サービス残業多すぎ」問題
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延により看護師不足が注目されるとともに、看護師の労働環境の厳しさについても注目されています。しかし、まだまだ看護師の闇はあります。その一つがサービス残業の多さです。
残業の中でも賃金が発生しないサービス残業ですが、これが本当に多いと看護師である筆者も感じます。今日は看護師のサービス残業の闇について少し伝えたいと思います。
8割の看護師が毎日残業してる?!
日本医療労働組合連合会が行った「看護職員労働実態調査」(http://irouren.or.jp/research/078cf0cae1596c1abac17d5303ac95503599b3bd.pdf)によると、8~9割の看護師が残業をしており、日勤後に1時間以上残業しているという人は44%。さらに夜勤後でも25%の人が1時間以上の残業をしているという結果が出ています。
また、勤務終了後だけではなく、始業開始前の残業を30分以上している人も半数以上いるのがわかります。なぜこんなにも残業が多く、なおかつ一部では未払いになってしまうのでしょうか。
不払い総額3億円?!サービス残業の実態
同調査(http://irouren.or.jp/research/078cf0cae1596c1abac17d5303ac95503599b3bd.pdf)によると賃金不払い労働は、1カ月で合計16万4,128時間(1万8,695人)になるとのことで、時間単価を2,000円 とした場合、不払い賃金の総額は約3億2,826万円 にもなるとのこと。1人あたり1万7,559円/月となります。年間約20万円ともなれば、なかなかの金額です。
なぜサービス残業が多いのか?
賃金不払い労働の主な業務として挙げられているのが、
① 記録
② 患者対応
③ 情報収集
④ 研修
⑤ 各種委員会
⑥ 会議
記録と患者対応については、完全に通常の業務であるのにサービス残業とされるのは理解し難いと考えます。看護師は緊急入院や急変などイレギュラーな対応を強いられる場面が多く、残業が多くなるのはある程度仕方ない面もあると思います。
しかし、筆者の経験でも急変などが起こった場合は残業代が出るが、患者さんのナースコールが多かったなど小さな出来事が積み重なり残業となった場合には、サービス残業となることもよくありました。
③情報収集に関しては、業務に必要な準備行為の1つです。毎日同じ患者さんを受け持つわけではないため、患者さんはどんな状態なのか?今日はどんな治療・検査があるのか?といった情報を収集しておかなければ業務を行うことができません。
多くは30分程度で終わりますが、新人の頃などは1時間前に出勤することもありました。サービス残業となってしまう理由としては、時間が把握しにくいことでしょうが、始業時間を早めるなどの対策を取るべきなのではないかと思います。
研修や委員会、会議などは日常的にやることではありませんが、あればほぼ必ずサービス残業となります。研修は、そのまま新しい医療情報などを研修するもので、外部の研修会に参加するとなれば、サービス休日出勤となることも……。
まだ自由参加なら納得できますが、半強制参加となりますし、研修会の参加だけでなく、レポートの提出も合わせるととんでもない時間を費やすことになります。
委員会は、医療安全委員会や感染対策委員会などなど色んな委員会があり、2年目か3年目になると必ず何かしらの委員会に配属され、月に1回の会議や部署内で統計を取るなど様々な雑務があります。
会議は委員会であるのはもちろんですが、月に1度程度チーム会などで患者さんの対応の仕方などを話しあうことがあります。勤務時間内にすることもありますが、その日出勤していない人はというと、強い心を持ち断れる人でなければサービス休日出勤となります。
なかには、労働時間改善会議なんてものがあり、労働時間改善を話しあうのにサービス休日出勤とは「どういうことだ?」となることも…。
看護師の環境改善をいまこそ
現在、看護師の労働環境は良くも悪くもCOVID-19により注目されています。国からの給付金や手当などによってですが、給与がかなり上がっている病院もあります。この大きな流れのなかで変わるなら今しかないと思っています。
いまこそ、看護師だけではありませんが労働環境の改善に力をいれてほしいと願います。
参考資料
日本医療労働組合連合会「看護職員の労働実態調査結果報告」(http://irouren.or.jp/research/078cf0cae1596c1abac17d5303ac95503599b3bd.pdf)
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