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学習不足や学力格差の不安。コロナで二つに割れる親の対応

LIMO / 2021年3月12日 19時35分

学習不足や学力格差の不安。コロナで二つに割れる親の対応

学習不足や学力格差の不安。コロナで二つに割れる親の対応

新型コロナウイルスの感染拡大により、昨年の3月から5月末まで全国的に臨時休校の措置が取られました。学校再開後は授業ペースを速くしたり、夏休みの短縮などの対応で遅れを取り戻す取り組みが行われてきています。

しかし、臨時休校から1年が経とうとしている今でも、コロナ禍による学習不足や学力格差など、子を持つ親の不安が全て解消されたわけではないようです。

約7割の親が子どもの学力低下を不安視

夏休みをはるかに超える長期間の休校。思うように外出できない日々。感染対策で制限の多い中、再開した学校では通常よりも速いスピードで進められる授業。

毎日学校で学び、宿題をして新しい単元の理解定着を図る学びのサイクルが、コロナ禍により突如として中断してしまった昨年。一連の出来事に戸惑わない子ども、そして親はいなかったことでしょう。

塾や習い事の総合情報サイト「テラコヤプラス by Ameba」(運営:株式会社CyberOwl)が今年1月27日〜2月9日に実施したアンケート調査(注1)結果からも、臨時休校の影響が今も色濃く残っていることが分かります。

注1:全国の塾・学習塾、予備校、家庭教師に通う子を持つ親300人を対象に、学習環境について質問

まず、「感染拡大で学力低下の不安はありますか?」という問いに対し、「はい」と答えたのは約7割の69%に上りました。

臨時休校で日頃の学習量低下が避けられない事態となりましたが、年が変わった今でも多くの親が子どもの学力低下を懸念しており、問題は現在進行形であることが浮き彫りとなっています。

また、「コロナ禍で子どもの学習機会を増やしましたか?」という質問では、「増やした」が49%、「増やしていない」は51%と、ほぼ均等に割れています。

この結果からは、「コロナ禍で子どもの学力低下が気になるから対策を講じた」と「気になるけれど特に対策はしていない」の2つのグループに親の対応が分かれていることがうかがえます。

筆者の周囲はというと、臨時休校措置が発表された週末にドリルを購入した人、ネットの無料教材を大量に印刷した人などは珍しくありませんでした。

筆者の家でも学習時間の確保を狙い、学校の時間割に沿って国語や算数の勉強をしていきました。その一方で学校がある時と同じようなリズムを維持することは難しく、勉強一辺倒になると子どものやる気も失いかねないので、さじ加減に苦労したものです。

こうして子どもの学習時間を完全に家庭だけで補おうとすると、ドリルの丸つけや教材の準備など親の負担が増えてしまいます。そんな中、一気にニーズが高まったのが、オンライン授業などインターネットを介した在宅学習です。

3カ月に及ぶ休校期間は、感染症対策での緊急措置ということもあり思うような外出もできませんでした。

ニーズが一気に高まったオンライン授業だが

それまでも、在宅で1人で勉強できるオンライン授業やアプリを活用したサービスありましたが、休校かつ外出自粛というコロナ禍で認知度が急速にアップしました。

上記のアンケート調査では、「コロナ禍で子どもの学習機会を増やしましたか?」に対し「増やした」と答えた親(149人)に、さらに「どんな学習機会を増やしましたか?(複数回答可)」と具体的な対応を聞いています。

すると、67%(122票)が「学習系アプリ」「YouTube」「通信教育・オンライン塾」と回答。感染症リスクを考慮した、オンライン学習という新しい学びの形が浸透していったことが見て取れます。

また、「Zoomを使って授業を行う塾」も登場。筆者の周囲では、通常は塾に通うスタイルであっても、非常時にオンライン対応をするかどうかが塾選びの判断材料になったというママもいました。

しかし、スマホやパソコンで勉強できるオンライン型は直接先生の目が届かないため、子ども本人の集中力に全てがかかってしまう面もあります。

こうしたデメリットはあるものの、学力低下の不安を解消するのに役立つツールとして脚光を浴びたと言えるでしょう。

学力格差に拍車がかかるか

昨年の全国的な臨時休校は、乱暴な言い方をすれば「1年の4分の1にあたる期間、学校に行かなかった」ことを意味しています。

その中で学習時間を確保できた子もいれば、生活スタイルが乱れ学習機会が減った子もいたでしょう。そして、親が意図的に勉強量を増やした子もいればそうではない子もいます。

ここ数年、経済力による学力格差などがネット上で指摘されたり議論されることがありますが、今回の「テラコヤプラス by Ameba」のアンケート結果で学習機会を「増やした」と「増やしていない」が二分していることからも、コロナ禍で学力格差に拍車がかかってしまう可能性は十分考えられます。

今後は、コロナ禍による子どもたちの学力の変化などについて、文部科学省の「全国学力・学習状況調査」などを活用し大規模に検証する必要もあるでしょう。

参考資料

コロナ禍の子どもの学習環境についての調査(https://terakoya.ameba.jp/juku/a000001213/)(テラコヤプラス by Ameba)

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