「好きを仕事に」という言葉のワナ…「キャリア迷子」から抜け出す方法
LIMO / 2021年3月23日 18時35分
「好きを仕事に」という言葉のワナ…「キャリア迷子」から抜け出す方法
新生活の春、何かを始めたい気分になる季節です。仕事の面では、新たなキャリアの一歩を踏み出したい人もいるかもしれません。
しかし「自分に合う仕事って?」「適職・天職って本当にある?」と立ち止まることもあるでしょう。今回はそんな“キャリア迷子”の人が前に進むための考え方や、具体的な自己分析の方法についてお伝えします。
「好きを仕事に」という言葉の罠
今の仕事に不満があればあるほど、好きな仕事ができたら幸せだろうな、自分の好きなことで稼いでいる人はうらやましい…という気持ちになるものです。けれど「好きを仕事に」という考え方が“正解”だと信じ込んでいませんか?
耳ざわりのいい「好きを仕事に」というフレーズ。理想的な状態にも思えますし、自分の好きなことを軸にキャリアを考える人も少なくありません。しかし、必要以上にとらわれることはないのです。
以前、筆者がとある分野で活躍する方と話した時に「この仕事は別に好きでも嫌いでもない」といわれて驚いたことがありました。「特に『好き』と思ったことはないけれど、自分にできることだから」「今の仕事や働き方が幸せ」と。それを聞いて、仕事が好きでなくても成功はできるし幸せにもなれる、と目の前で思い知らされたのです。
仕事とは、自分に提供できる何かで役に立ちその対価を得ること。いってしまえば、世の中にとって重要なのは、本人が好きかどうかの気持ちよりも、役に立つ何か(強み)で貢献できるかどうかです。だからこそ、自分に合う仕事を探すには、冷静に自分の強みを把握するための自己分析が欠かせません。
自己分析①ツールを活用する
就職・転職といえば自己分析。自分自身を知るために欠かせないステップであり、すでに何度も経験した人も多いでしょう。しかし自己分析は一度すれば終わりではなく、環境やライフステージの変化などに合わせてその都度振り返ることがとても大切です。
そして最も分かりやすいのは自己分析ツールを使う方法です。例えば、世界的に有名なクリフトンストレングス・テスト (ストレングス・ファインダー)(https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/)では、自分が持っている資質を明らかにすることで強みが分かります。
また、人材系企業が提供するサービスも役立ちます。リクナビNEXTの「グッドポイント診断」(https://next.rikunabi.com/goodpoint/)やパソナ社の「適職診断」(https://career-door.com/diagnosis/)などであれば、よりキャリア形成に直結する形で自己分析ができるでしょう。そのほか、性格診断の要素が強い「16Personalities性格診断テスト」(https://www.16personalities.com/ja)「エムグラム診断」(https://mgram.me/ja)などは、より気軽に自分を見つめるきっかけになるはずです。
自己分析②人に聞く
自分以外の人に聞いてみる方法もおすすめです。家族や友人、パートナー、可能なら職場や仕事関係の知人に自分のことを尋ねてみると、思いがけない気付きを得られることがあります。
知り合いに聞くのが難しければ、キャリアコンサルタントや転職エージェントといった、キャリアのプロに相談してみるのも良いでしょう。知り合いとは違うプロ視点で見てもらえるため、より精度の高いフィードバックを得ることが可能です。
また、SNSでつながっている人に聞いてみても良いかもしれません。直接会ったことのない相手でも、普段から考えや行動を発信していれば何らかの印象を持たれているはずです。知り合いともプロとも違う第三者からの意見は、自分の一面を知るのにきっと役立ちます。
自己分析③逆から考える
そして最後は、あえて逆から考えてみる、ネガティブな面からアプローチしてみる方法です。真正面からの自己分析が難しければ、違った角度から考えてみるというわけです。
例えば、仕事で「他の人にイラっとする時」はありませんか?会議の場で発言しない、締め切りを守らない、数字のミスや誤字脱字が多い、論理的に考えず勢いで進める…もしこういった人にイラっとするのであれば、その「逆」があなたの強みかもしれません。自分が普段当たり前にできているからこそ、こんなこともできないのかと思ってしまうのです。
あるいは「こんな仕事はイヤだ」という方向性から考えることも、今後のキャリアの良いヒントになります。こんな仕事は辛い、こんな働き方はしたくない、年収がこれより低いのは嫌…など、自分が譲れないポイントはあるはずです。そうして残ったものと向き合うことで、自分が求めている仕事や自分に合う働き方が見えてくることもあるでしょう。
さいごに
誰もが自分に合った仕事をしたいと思うものです。しかし今の仕事に満足している人、幸せに働いている人はどのくらいいるでしょうか?現状から動き出せずモヤモヤしているなら、まずは一歩動き出すことから。自分と向き合うことなら今すぐに始められるはずです。
冒頭でも述べたように、必ずしも自分の「好き」を仕事にする必要はありません。自己分析を通じて自分の活用すべき強みを知り、その強みを活かせる仕事を考え抜くことが大切です。また自己分析は一度で終わりというものではなく、ぜひ何かの節目を迎えるたびに振り返ってみてください。そうした積み重ねが、きっとあなたをより良いキャリアに近づけてくれると思います。
参考資料
GALLUP “Clifton Strengths”(https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/)
リクナビNEXT「グッドポイント診断」(https://next.rikunabi.com/goodpoint/)
パソナ「適職診断」(https://career-door.com/diagnosis/)
NERIS Analytics Limited「16Personalities性格診断テスト」(https://www.16personalities.com/ja)
mgram「エムグラム診断」(https://mgram.me/ja)
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