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金銭感覚が親世代と違う? 20代が結婚を考える世帯年収

LIMO / 2021年3月31日 19時35分

金銭感覚が親世代と違う? 20代が結婚を考える世帯年収

金銭感覚が親世代と違う? 20代が結婚を考える世帯年収

日々の暮らしの中でジェネレーションギャップを感じることはありませんか? 流行した歌やファッション、テレビ番組などが世代によって異なるのは当然ですが、金銭感覚も、たとえばバブルを経験した世代と今の若い世代では違いがあるようです。

2021年1月にSMBCコンシューマーファイナンス株式会社が、20歳~29歳の男女を対象にした「20代の金銭感覚についての意識調査 2021」を発表(有効サンプル1,000人)。その結果から、消費や結婚・出産などのライフイベントに関する項目を中心に、20代と親世代の金銭感覚がどう違うのかを見てみましょう。

手堅いお金の使い方をする20代

まず、いくつかの消費意識や行動について、自身の考え方や状況にどのくらいあてはまるかを聞いた結果は以下の通りでした。

【多少無理しても、良いものにお金をかけたい】

「非常にあてはまる」(11.4%)、「ややあてはまる」(36.9%)を合わせた「あてはまる(計)」は48.3%。

【無理をせず、買える範囲で良いものを選びたい】

「非常にあてはまる」(25.8%)、「ややあてはまる」(52.9%)を合わせた「あてはまる(計)」は78.7%。

このように、今どきの20代は無理をしたり見栄を張ることなく、身の丈にあった消費をしている人が多いようです。男女別で見ると、女性は【無理をせず、買える範囲で良いものを選びたい】の「あてはまる(計)」が84.6%と、より堅実さが出ている結果になっています。

さらに、購入検討する際、同じ商品群・サービスの中で「最安値」のものは必ずチェックするでは「あてはまる(計)」が75.7%、商品やサービスのレビュー(口コミ)を必ずチェックするでは「あてはまる(計)」が72.6%という結果でした。

欲しいものがあっても、即買うことはせず、最安値や口コミもチェックするところは、何でもググる世代ならではの素晴らしいリサーチ力が感じられます。

20代が結婚してもいいと思える「世帯年収額」は?

お金に関しては、無理をせず慎重な面のある20代ですが、結婚してもいいと思える「世帯年収額」について聞いた結果はは以下の通りでした(図表1参照)。

「年収400万円あれば」までの合計:33.9%

「年収500万円あれば」までの合計:47.9%

「年収600万円あれば」までの合計:57.5%

図表1:結婚しようと思える世帯年収

(/mwimgs/e/7/-/img_e79a9725a782e88f5a869186ba0976be57525.jpg)

拡大する(/mwimgs/e/7/-/img_e79a9725a782e88f5a869186ba0976be57525.jpg)

出所:20代の金銭感覚についての意識調査 2021(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)

前回の調査結果では、「500万円あれば」までの合計が56.0%で半数以上でした。それに対し、今回の調査では「500万円あれば」までの合計は47.9%に低下し、「600万円あれば」までの合計で57.5%(前回63.4%)と、コロナ前よりハードルが高くなっています。

また、「年収がどんなに多くても、したいと思えない」と回答した人の割合は21.8%と、前回調査の13.9%から大幅に上昇。一方で、「年収がどんなに少なくてもしたいと思える」と回答した割合は、前回18.5%から今回14.9%へと低下しています。結婚観にもコロナによる経済面の厳しい現実が反映されているのかもしれません。

20代・30代の実際の年収はいくら?

では、20代や30代の実際の年収はどのくらいなのでしょうか。国税庁が発表している「民間給与実態統計調査(令和元年分)」によると、1年を通じて勤務した給与所得者1人当たりの年齢階層別平均給与は以下のようになっています。

20~24歳:男性278万円、女性248万円

25~29歳:男性403万円、女性328万円

30~34歳:男性470万円、女性321万円

35~39歳:男性529万円、女性313万円

世帯収入が年収600万円ということであれば、25~29歳の男性(403万円)と女性(328万円)の収入を足すと世帯としては731万円。前述の調査結果にあった結婚してもいい世帯年収の条件600万円は超えるということになります。

出産・子育ての金銭的ハードルも上昇

話を「20代の金銭感覚についての意識調査2021」に戻すと、出産・子育て(1人)しようと思える世帯年収額を聞いた結果は以下の通りです(図表2参照)。

「年収500万円あれば」までの合計:36.4%

「年収600万円あれば」までの合計:47.9%

「年収700万円あれば」までの合計:54.4%

図表2:出産・子育て(1人)しようと思える世帯年収

(/mwimgs/5/6/-/img_56b5eb70e6aac302d0568639ee3cafb059669.jpg)

拡大する(/mwimgs/5/6/-/img_56b5eb70e6aac302d0568639ee3cafb059669.jpg)

出所:20代の金銭感覚についての意識調査 2021(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)

出産・子育て(1人)しようと思える人が半数を超えるのが「700万円あれば」までの合計で54.4%。前回調査では「600万円あれば」までの合計が55.5%でしたので、結婚と同様に、出産・子育てに対するハードルも上がったようです。

また、「年収がどんなに多くても、したいと思えない」と回答した人の割合は、前回調査の14.9%から今回は24.2%と大幅に上昇しました。

子育てには想像以上にお金がかかるというのが、筆者の実感でもあります。出産・子育てで妻が休職・退職すれば世帯収入は減ってしまいます。子供が欲しいと思っていても、収入面での不安によって躊躇してしまうというのは理解できる心情です。

おわりに

今どきの20代が結婚してもいいと思う世帯年収が500〜600万円と聞くと、一瞬”それは高望みでは?”と思ってしまいますが、夫婦2人で働くことが前提だとすると納得のいく数字です。

今の20代は、日本の長いデフレの中で育ち、年金や老後資金に不安を抱えた親を間近で見てきています。そんな20代が、結婚後も夫婦2人でしっかり稼いで、身の丈にあったライフスタイルを送ろうと考えるのは不思議ではないでしょう。

バブルをなんとなく知っていて、専業主婦のサザエさんやフネさんを見て育ってきた親世代とは、金銭感覚にギャップが生じるのも無理はないのかもしれません。

参考資料

20代の金銭感覚についての意識調査 2021(https://www.smbc-cf.com/news/datas/chousa_210114.pdf)(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)

令和元年分 民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/001.pdf)(国税庁)

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