「中1ギャップ」が心配? 中学校で子どもがさらされる大きな変化
LIMO / 2021年4月10日 11時35分
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「中1ギャップ」が心配? 中学校で子どもがさらされる大きな変化
桜前線の北上が例年以上に早い今年も、新学期の季節がやってきました。1年前は新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの学校では入学式の中止や延期が相次ぐ混乱の春でしたが、今年は4月からスタートが切れそうです。
子どもたちは皆、クラス替えや進学などで新しい環境に身を置くわけですが、特に小学校から中学校への進学は生活リズムが一変する大きな節目。一般的に「中1ギャップ」ともいわれ、その変化についていけず不登校やいじめが起きることもあります。
では、小学校と中学校ではどのくらい違いがあるのでしょう。改めて考えていきたいと思います。
部活動も加わり生活リズムが激変
一部の公立小学校では授業扱いになるクラブ活動以外に、スポーツ系やブラスバンド部、合唱部などの部活がある学校もあります。一方、中学校では多かれ少なかれ何かしらの部活が存在します。そのため「中学生になったら何の部活に入るか」は、子どもにとって大きな決断です。
現在、新型コロナウイルスの影響で、以前に比べれば部活動の時間や移動範囲が制限されています。しかし、学校の授業の後に部活動を行うと帰宅時間が遅くなり、小学校時代の生活リズムが一気に崩れることになります。
入学前からある程度「部活があれば家に帰ってくるのが遅くなる」ことを理解していても、実際にその生活が始まると、4月や5月はリズムに慣れるのに精一杯で、疲労困憊になる子は少なくありません。
また、塾も中学生向けの授業は部活を考慮し、平日は夕方以降の時間帯に設定されてることがほとんどです。筆者が塾講師をしていた時、中学生が一番多かったのは「夜の7時から8時半」の時間帯でした。
土曜日や、何らかの大会が控えている時は日曜日にも部活動があり、やはり午前や午後の早い時間帯に来る中学生はほとんどいませんでした。いたとしても、吹奏楽部や合唱部を除く文化部や部活に入っていない生徒のみで、どの学年でも少数でした。
全員に当てはまるわけではありませんが、中学生になると「学校+部活動+塾」や「学校+部活動」をベースとした生活を送るようになります。
小学生の頃の「学校+習い事」と一見すると変わらないようにも思えますが、部活は学校生活の一部なのでオンオフの切り替えが難しくなります。そこに上下関係なども加わり、ストレスが溜まりやすくなるのです。
そして、小学校の「学校に行って帰ってくる」から「学校に行って夕方近くまで部活をして帰ってくる」という生活リズムの変化と同様に、大きな変化があるのが勉強です。
成績が数値化され内申点も意識するように
たとえ公立学校であっても、中学校では定期テストの成績が校内順位や偏差値などで明確に数値化されます。
小学校では単元テスト毎に理解度をチェックし、親の方も子どもの学力を定期的に把握することができました。しかし、中学校のテストは出題される範囲が広く、学校の先生が作成した問題を解くことになります。
これまで「みんな出来なかった」と言い訳してまかり通っていたのも、順位がしっかり出てしまうため通用しなくなります。さらに、日頃の提出物や授業態度が悪いと内申点が伸び悩むため、成績以外のことにも注意しないといけません。
元気に学校に行って勉強をしていた小学校時代から一変し、先生からの評定を気にしながら勉学や部活動に精を出すことになるわけです。
良い結果を出すには計画的に学習する習慣と、日頃から部活と両立して勉強に励む姿勢が必要です。小学生時代に家庭学習習慣が定着している子にとってはそこまで難しいことではないでしょうが、「学校の宿題しかやっていなかった」という場合は勉強スタイルを確立させるのに苦労するかもしれません。
いずれにしても、これまでの勉強への取り組み方の違いは中学に入学すると定期テストを通じて一気に顕在化してしまい、挽回するには相当な努力を要します。
筆者も塾で仕事をしている時に、中学校1年生の成績順位やグループが卒業まで大きく変動することがないのを肌で感じました。もちろん、少数ではあるものの成績がアップする生徒もいましたが、そういう子は塾でも家でも並々ならぬ努力をしていました。
乱暴な言い方ですが、人生で初めて他者との違いを意識させられ、自分自身がランク付けされるのが中学校。ある意味、牧歌的だった小学生から急に大人の世界へと一歩足を踏み入れることになります。
これは、事前にわかってはいても実際に身を置くのとは話が別。勉強も部活もスイスイこなす子もいる一方で、急激な変化に追いつこうともがき苦しむ子もいるのです。
「もう中学生なんだから」の一言で片付けないで
中学生は大人の階段を上り始める時期です。成績等で自分がランク付けされ、思春期突入でクラス内や部活内での人間関係のトラブルも起きやすくなります。ほんの数カ月前までランドセルを背負って小学校に通っていた子どもたちにとって、「ストレスにならない」と言い切れない環境です。
子どもの生活習慣によって精神面や肉体面への影響は異なりますが、誰しも少なからず小学校と中学校のギャップに追いつかず、何かしらの形で疲れが出やすくなるもの。
多くの親もこうした経験をしてきたはずですが、つい「もう中学生になったんだから」「勉強も部活も頑張るのは当たり前」と言ってしまいがち。そうした一方的な物言いで片づけず、子どもの気持ちに寄り添っていきたいものですね。
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