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古い体質の子ども会、コロナで右往左往。「本当に必要か」の声も

LIMO / 2021年4月19日 19時5分

古い体質の子ども会、コロナで右往左往。「本当に必要か」の声も

古い体質の子ども会、コロナで右往左往。「本当に必要か」の声も

コロナ禍により、当たり前に行われていたイベントや会合が次々と中止された2020年度。4月から新年度がスタートしましたが、第4波も危惧されるなど、まだまだコロナ以前の社会に戻ることは難しい状況です。

子どものいる世帯にとっても小学校行事の縮小や中止の連続でしたが、その中で、PTAや子ども会活動のように保護者が関わる団体においても「今まで通り」を根本的に見直す1年となりました。

会合や諸活動がなくなることで負担が減った面がある一方、ネット上では「やってもやらなくても、学校生活には関係のないことだった」という意見が取り沙汰されることもありました。

しかし、何らかの形で子ども会活動に関わっている方にとっては苦労の連続だったようです。

「前例がない」状況に苦慮する子ども会

PTAや子ども会といった組織は、多くの日本の企業や官公庁と同様、基本的にこれまでの慣例を踏襲していきます。

例年通りの行事を実施して文書を配布する、という型通りの流れで1年が過ぎていき、一から新しいことに取り組むことはまれ。ある意味、日本らしさが詰まったとも言える団体です。

企業のように利益を生み出す組織ではなく、学校など教育現場のように非常事態に対するしっかりとしたマニュアルがあるところはほとんどありません。

あくまで保護者の善意で成り立っているため、新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休校措置が取られた際や、その後の会合や行事の見直しはどのように決断すれば良いのか、ともかく右往左往の連続だったという話は筆者の周囲からも聞こえてきます。

たとえば、地域にある複数の子ども会の足並みを揃えることもある程度必要だったものの、学校やPTAに指示を仰いでも「それぞれ感染リスクを考慮して判断してほしい」との返答。会合は軒並み中止になり、役員同士が直接会うことがないので隣接する子ども会の動きを把握することも難しい状態になりました。

結局、それぞれの子ども会の動向をママ友ネットワークで収集して参考にしつつ、行事の中止や内容変更の決断をしていくことに。そして、各子ども会の会長は、中止のお知らせ文書やメール配信などの文面を、一から考えなければなりませんでした。

筆者自身、昨年度は子ども会の役員を務めており、コロナ禍で例年通りの文章が全く使えないため、会長がゼロから文面を考え四苦八苦する姿を間近で見ています。

家事育児に仕事をしつつ、こうした地道な作業を行うのは外野が思う以上に大変なものです。行事がほとんどなく「何もないから楽だったわね」と声をかけらることに、トップを任された保護者は複雑な思いを抱いているようでした。

子ども会やPTAは「本当に必要?」

新型コロナウイルスの収束は未だゴールが見えてこず、しばらくはPTAや子ども会のあり方も今まで通りにはいかないでしょう。元々、こうした組織の在り方に対する疑問の声は年々高まっていましたが、コロナ禍により「本当に必要なのか」というところにまで発展しているのは否定できないでしょう。

やりたい人だけやればいい、と思っていても引き受ける人はそう多くはありません。持ち回りで担当し、しかも子どもが高学年になれば役員は避けられない。これはほとんどの地域で見られる暗黙のルールです。

「コロナ禍だとイベントが少ないから逆に引き受け時」という考え方もあります。しかし、引き受けた役によっては、前例のない事態への対応に頭を悩める方もおり、実際はそれほど楽ではありません。

いずれにしても、こうした議論が持ち上がるというのは、それだけ多くの保護者、とくに母親にとっては「やらなくて済むならそれに越したことはない」ものだから、ではないでしょうか。

「大変だけど皆もやっている」「子どもが複数人いたら大きな役職に就くのは当たり前」という思考も、それはそれで危ういものがあります。ネット上で「コロナ禍を機に、今までのPTAや子ども会活動を見直すべき」という声が出るのも頷けます。

新たな体制づくりか、いっそなくしてしまうか

当たり前のことが当たり前のように行える時代が過ぎ去ったのは誰の目にも明らかです。「元に戻るのを待つ」のも期待薄になってきている今、PTAや子ども会の運営もウィズコロナを念頭にした体制作りが急務となっています。

とはいえ、昭和的なタテ社会の気風が残っている部分もあり、見直しが順調に進むとは思えません。いっそのこと、全てを白紙に戻して新たに作った方がいいようにも思えますが、「もう何もかもなくせばいい」という声も出てくるかもしれません。

これまで小学校生や中学生に通う子を持つ親にとって、悩みの種だったPTAや子ども会の役員の在り方が問われる1年となりました。コロナ禍が収まらない限り、今後も各地で議論が噴出していくことでしょう。

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