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電気・ガス代値上げが家計を直撃。見直しでどのくらい安くなったか

LIMO / 2021年4月27日 18時35分

電気・ガス代値上げが家計を直撃。見直しでどのくらい安くなったか

電気・ガス代値上げが家計を直撃。見直しでどのくらい安くなったか

家計のやりくりに日々奔走する主婦に追い打ちをかけるように、この4月から色々なものが値上げになっています。中でも電気料金・ガス料金は、4月と5月にそろって値上がり。

たとえば東京の標準的な使用量の家庭では、2カ月合わせて約700円支払いが増えると報道されています。コロナ禍で在宅時間が長くなっている時期だけに、さらに家計を圧迫する要因の1つだと言えるでしょう。

総務省の「家計調査報告(家計収支編)2020年」によると、2人以上世帯の光熱費の平均は21,836円。支出全体の平均が277,926円ですから、光熱費の占める割合は約8%です。

その内訳は、電気代10,671円、ガス代4,729円、その他光熱費1,182円、上下水道費5,255円となっており、光熱費の中でも、電気代とガス代の比重が高いことが分かります。

そこで今回は、普段あまり気に留めることのない電気とガスの料金算定の仕組みと、電気とガスの料金を安くするポイントについて見ていきます。

電気料金とガス料金はどう決まるか

通常、一般家庭の電気・ガス料金は「基本料金」「従量料金」「燃料(原料)費調整額」で決定します。電気料金にはさらに「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が上乗せされています。

燃料(原料)費調整額というのは、原料である原油や天然ガスの価格変動や、輸入する際の為替レートで変動するもの。つまり、燃料費が安いときには電気やガスの料金は安くなり、高ければ料金が上がる仕組みになっています。

では「再生可能エネルギー発電促進賦課金」とは何かというと、電力会社が、再生可能エネルギー(太陽光・風力・バイオマスなど)で発電した電力を一定期間・一定金額で買い取る「固定価格買い取り制度」というものがあります。

この電力会社が買い取った費用を、電気を利用する人にも負担してもらうことで再生可能エネルギーの普及を目指す、その負担金が「再生可能エネルギー発電促進賦課金」というわけです。

5月以降も電気料金は下がらない!?

上記のように、燃料費調整制度は変動する燃料費の価格を電気やガスの料金算定に反映させるものですが、算定期間と実際に料金に反映される時期にはタイムラグが生じます。

たとえば、11月〜1月の平均燃料価格が翌4月分の燃料費調整に適用され、12月〜2月の平均燃料価格が翌5月分の燃料費調整に適用されるという形です。

原油価格(WTI)は、2020年11月に1バレル40ドル前後で推移していましたが、2021年3月には1バレル65ドル前後、4月時点では1バレル60ドル前後で値動きしています。5月分と6月分の値上げもすでに決まっていますが、これだと7月以降も値下げは期待できないかもしれません。

プランの見直しで電気やガスの料金を安く

しかし、これから暑くなる季節。暑さに耐えての節約にも限界があります。そこで考えたいのが、いま契約している電気やガス会社での料金プランの見直しです。

たとえば、筆者が暮らす地域の電力会社である関西電力のウェブサイトでは、現在の契約状況やひと月あたりの電気料金などの簡単な質問に答えるだけで、最適なプランを見つけることができ、電気料金の試算も簡単に行えます。

また、電気とガスを別々の会社で契約している人は、契約を一本にまとめるだけで電気・ガス料金が安くなるプランも用意されています。

さらに、2016年の電力の自由化により様々な企業が電力事業に参入したことで、既存の電力会社にこだわることなく電力会社を選べるようになりました。いわゆる「新電力」と呼ばれる企業です。

身近な企業だと、NTTグループやENEOS、KDDIなどが電力の小売りを行っており、既存のサービスと電気をセットにしたプランも提供しています。

しかし、価格競争の激化や電力調達コストの上昇によって資金繰り悪化に陥る企業が相次ぎ、今年3月には新電力最大手のF-Powerが会社更生法を申請。また、市場調達価格に応じて料金が変動するプランによって、電気料金が跳ね上がったことも報じられています。

このように、燃料費の高騰は新電力のリスクを露呈させることにもなりました。乗り換えを検討する際には、こうしたリスクがあることも考慮する必要があります。

切り替えで何%安くなったか

電力とガスの自由化で電力会社の選択肢が増えたものの、料金見直しが面倒で先延ばしにしていたのですが、最近になって筆者もようやく電気とガスの契約を切り替える手続きをしました。

大阪在住の筆者の自宅は、「関西電力」と「大阪ガス」というごく一般的な組み合わせで、それぞれ個別の契約でした。関東であれば、「東京電力」と「東京ガス」をイメージしていただくと分りやすいと思います。

そして、自宅のインターネットは関西電力系のeo光と契約しています。そのeo光が、ネット契約をしている顧客向けに、ネットと電気のセット「eo電気」と、ネットと電気とガスのセット「関電ガスeo割」というプランを提供していることを知り、料金の試算をしてもらうことに。

すると、ネットと電気、ガスの3つをまとめる契約で、以前より電気代は約5%、ガス代は約10%安くなることがわかり、そのプランへ切り替えることを決めました。

このように、ネット契約をしていることが前提のプランというものもあります。電気やガスの契約見直しを検討する際には、いま利用しているネットのプロバイダーやスマホの会社が、電気やガスとまとめるサービスを提供していないかチェックしてみるのも一つの手です。

注:「eo電気」「関電ガスeo割」の詳細は、eo光のウェブサイト「サービス(https://eonet.jp/service/)」のページでご確認ください。

面倒な手続きはいらなかった

筆者は電話で切り替えの手続きを行いましたが、必要なのは電気使用量のお知らせ(検針票)」や「ガス使用量のお知らせ(検針票)」に記載されている「契約番号」と「供給地点特定番号」だけでした。

電力会社によっては、ウェブ上で電気料金の試算や契約が行えるところもあります。乗り換えや切り替えの手続きは面倒くさいものだと思い込んでいましたが、こんなに簡単なら早くやっておけばよかったというのが正直なところです。

おわりに

コロナ禍でテレワークやおうち時間が増える中での電気料金とガス料金の値上げは、家計へのダブルパンチです。しかし、こんな時期だからこそ、今まで手をつけずにいた電気代やガス代などの固定費を見直すのには良いタイミングだとも言えるでしょう。まずは、お得になるプランがないかを探すことから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

家計調査報告 家計収支編 2020年(令和2年)平均結果の概要(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2020.pdf)(総務省統計局)

電気料金の内訳(https://kepco.jp/ryokin/shikumi/breakdowns/)(関西電力)

一般料金(一般ガス供給約款の料金)料金表(https://wwwe5.osakagas.co.jp/custserv/ryokinhyo1001.html?_ga=2.113880199.1645134172.1618705358-1716933169.1615418621)(大阪ガス)

燃料費調整制度について(https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/fuel_cost_adjustment_001/)(経済産業省 資源エネルギー庁)

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