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プジョー、シトロエン、マセラッティ、ジープなど複数有名ブランドを擁するステランティスとはどんな会社か

LIMO / 2021年4月26日 20時5分

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プジョー、シトロエン、マセラッティ、ジープなど複数有名ブランドを擁するステランティスとはどんな会社か

プジョー、シトロエンといった自動車のブランド名を一度は聞いたことがあるかと思います。ただ、意外と「どういう企業が作っているのか」を知る機会は少ないものです。

例えば、プジョーはもともとコーヒーミルやペッパーミルなど、調理器具メーカーとして発足しており、1889年に同社が自動車を作るようになって以来、各事業が発展していきました。

今回は、プジョーをはじめとするブランドを擁するステランティスができるまでについてみていきます。また、国内での動向を知るために、グループPSAジャパン(Group PSA Japan)およびFCAジャパン(FCA Japan)の販売実績も確認していきます。

グループPSAからステランティスになった経緯を振り返る

まず、日本法人のグループPSAジャパンの沿革をプレスリリースなどをともに、ステランティスにまで至った流れを欧州と日本に目を向けて確認していきます。

2016年4月:フランス本社が社名変更(PSAプジョー・シトロエン・グループ→グループPSA)

2019年12月:フィアット・クライスラー・オートモービルズ(以下FCA)およびグループPSAの50:50の対等合併合意が発表

2020年2月:日本法人が社名変更(プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社→Groupe PSA Japan株式会社)

2020年7月:FCAとグループPSAの合併による新会社の名称を STELLANTIS(ステランティス) に決定

2021年1月:合併が完了し、ステランティス誕生

まず、欧州の動きから見ていくと、ステランティスが誕生する前の5年間に、注目すべき買収や合併、社名変更が行われていることが分かります。

2016年4月に「PSAプジョー・シトロエン・グループ」から「グループPSA」に社名を変更しています。また、2017年8月にはグループPSAが「オペル」の買収を完了。そして2019年12月には、「FCA」と「グループPSA」の対等合併が発表され、2021年1月に両社の合併が完了し、「ステランティス」が誕生する流れとなっています。

ステランティスは、グループPSAから「プジョー、シトロエン、DSオートモビル、オペル、ヴォクソール」5ブランド、またFCAが擁していた「フィアット、アルファロメオ、アバルト、マセラティ、ランチア、クライスラー、ジープ、ラム、ダッジ」の9ブランドを加えた計14ブランドを扱うことになります。

ステランティスの日本での状況に関していえば、現時点でグループPSAジャパンとFCAジャパンが存在しており、現時点ではそれぞれ別法人として存在し、統合はされていません。

日本法人の動きに目を向けると、欧州でもグループPSAがオペルを買収し、日本でもオペルを再び扱う計画もあり、2020年2月に、プジョー・シトロエン・ジャポンからグループPSAジャパンに社名を変更しています。

現在、グループPSAジャパンではプジョー、シトロエン、DSオートモビルの3ブランドを中心に扱っております。

また、FCAジャパンでは、アルファロメオ、フィアット、ジープ、アバルトのブランドを扱っています。

日本では、現時点ではステランティスとして両ブランドを同時に同一法人では扱ってはいません。

現在のグループPSAジャパン代表はあの名物経営者

グループPSAジャパンは2021年1月付で木村隆之氏が代表に就任していることです。

木村氏はトヨタ自動車からキャリアを始め、インドネシア日産自動車社長、アジア・パシフィック日産自動車兼タイ日産自動車社長、ボルボ・カー・ジャパン代表取締役社長を歴任している、いわば自動車業界の「プロ経営者」と言われている人物です。

ボルボの日本国内での販促でも手腕を発揮し、『最高の顧客が集まるブランド戦略 ボルボはいかにして「無骨な外車」から プレミアムカーへ進化したのか』という著書もあります。

プジョー、シトロエン、DSオートモビルといったブランドを日本でどのように更に育てていくのか、その動向に注目が集まるでしょう。

日本におけるグループPSAジャパンやFCAジャパンの動向はどうか

グループPSAジャパンの日本における販売実績は好調で、2021年第1四半期(2021年1月-3月)における総販売台数が「過去最高」を記録したことを公表しています。

同社プレスリリース「プジョー、シトロエン、DSオートモビルの 3月の販売好調をうけて Groupe PSA Japanが第1四半期の販売新記録を達成」で公表されている値をもとに当第1四半期の販売台数を整理すると、以下の通りです。

プジョー:3907台(販売新記録)

シトロエン:1705台(販売新記録)

DSオートモビル:225台(※他の公表値より筆者算出)

3ブランド合計:5837台(販売新記録)

この「過去最高」はグループPSAジャパンの前身であるプジョー・シトロエン・ジャポン株式会社時代の記録も含んで比較したものです。今後の躍進にも十分に期待できるでしょう。

また、FCAジャパンにおいても業績は好調です。

同社プレスリリース「FCAジャパン6か月連続で販売台数記録を更新」では、第1四半期(2021年1月-3月)の販売台数は6858台、対前年同期比で+15%増ということで、市場シェア拡大とともに好調です。

今後も、国内での両社の動向やグローバル視点でのステランティスの動きには注目です。

※2021年4月29日に外部からのご指摘にもとづいて、追記・再編集いたしました。

参考資料

プジョー社(ペッパーミル部門)「水車小屋から始まるプジョーの歴史」(http://www.peugeot-mill.com/history/)

グループPSAジャパン「仏PSA本社における社名変更ならびに新経営戦略「Push to Pass」発表について」(https://newsroom.groupepsajapan.jp/news/20160412_groupe_psa)

グループPSAジャパン「プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社、Groupe PSA Japan株式会社への社名変更のお知らせおよび2019年度登録台数実績について」(https://newsroom.groupepsajapan.jp/news/20200131_groupepsajapan)

グループPSAジャパン「FCAとグループPSAの合併による新会社の名称を STELLANTIS に決定」(https://newsroom.groupepsajapan.jp/news/20200717_stellantis)

グループPSAジャパン「FCAとGroup PSA 統合を完了」(https://newsroom.groupepsajapan.jp/news/20210105_stellantis_merger)

ステランティス社公式サイト(英語)(https://www.stellantis.com/en)

グループPSAジャパン「会社情報」(https://www.groupepsajapan.jp/)

グループPSAジャパン「Groupe PSA Japan株式会社代表取締役社長交代について 新代表取締役社長として木村隆之が就任」(https://newsroom.groupepsajapan.jp/news/20201228_psaj_new_ceo)

グループPSAジャパン「プジョー、シトロエン、DSオートモビルの 3月の販売好調をうけて Groupe PSA Japanが第1四半期の販売新記録を達成」(https://newsroom.groupepsajapan.jp/news/20210402_groupe_psa_japan_sales_records)

FCAジャパン「FCAジャパン6か月連続で販売台数記録を更新」(https://www.fcagroup.jp/press-office/6301/)

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