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半導体大国・台湾に中国が侵攻する恐れ。日本企業はリスクに備えているか?

LIMO / 2021年5月20日 19時55分

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半導体大国・台湾に中国が侵攻する恐れ。日本企業はリスクに備えているか?

世界で半導体不足が指摘されるなか、半導体シェアにおける台湾の存在感が強まっている。

半導体生産で世界的な注目を集める「台湾積体電路製造(TSMC)」の傘下にある「世界先進積体電路(バンガード・インターナショナル・セミコンダクター)」は5月4日、来年を目処に自動車向けなどの半導体生産を現状から3割増やし、21年の設備投資も前年比で約2.4倍にあたる330億円を投じる計画を明らかにした。

今後もデジタル化加速による半導体需要の増加が見込まれるが、半導体で世界の工場化する台湾の存在は日本の半導体関連企業にとってもメリットであり、半導体分野における日本と台湾の経済的結び付きがいっそう深まることが期待される。しかし、今後の台湾情勢を巡っては期待材料ばかりではないのが現状だ。

半導体の国内生産拡大を目指すバイデン政権

米国のバイデン大統領は、半導体の国内生産拡大を目指すべく、サプライチェーン強化を進めている。

バイデン大統領は2月24日、半導体やレアアース、医薬品などの輸出入先を根本的に見直す大統領令に署名。3月31日にはハイテクノロジーで中国に対抗するため、今後8年間で2兆ドル(約221兆円)を超える投資を実施していく方針を明らかにしている。

投資額は第2次世界大戦以降で最大規模となる。また、4月16日にワシントンで開催された日米首脳会談でも、中国依存からの脱却や軍事的緊張を見据え、半導体を含むハイテク分野のサプライチェーン強化に向け日米が連携することで一致した。

半導体分野における台湾の存在が、バイデン大統領にとっても魅力的に映ることは間違いないだろう。しかし、脱台湾に打って出ることはないにしても、半導体の国産化の動きを見せる背景には安全保障の懸念がある。

中国が台湾に侵攻する恐れ

最近、安全保障の世界では台湾有事を巡る動きで緊張が高まっている。

米インド太平洋軍の司令官は3月9日、上院軍事委員会の公聴会の席で、6年以内に中国が台湾に侵攻する恐れがあると述べ、周辺海域における軍事バランスが中国優位に傾いていると強い懸念を示した。実際、6年以内にそれが現実となる可能性は高くないが、偶発的な衝突によって一気に緊張が高まる恐れがある。

仮に、台湾有事となれば半導体を巡る経済への影響は大きく、しかも台湾へ一極依存していればなおさらだろう。米国にはそういった危機意識があり、バイデン大統領がやろうとしていることは正にリスクヘッジだ。

また、台湾有事が発生すれば日本経済への打撃は計り知れない。半導体問題だけでなく、南シナ海や東シナ海など日本のシーレーンが大きな影響を受け、日本に到着予定の石油タンカーや民間商船の安全な航行が阻害される可能性がある。

日本企業は経済安全保障への備えを

有事や安全保障の分野を経済と切り離して考える経営者は依然として多い。

しかし、世界情勢を見れば分かるように、政治と経済は表裏一帯の関係にあり、今後さらに経済安全保障という分野が企業にとっても重要になっていく。台湾を巡る半導体事情もその1つであることは間違いない。

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