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人気FPが教える「つみたてNISA」~ホントにお得?~

LIMO / 2021年5月30日 6時45分

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人気FPが教える「つみたてNISA」~ホントにお得?~

5つのメリットと4つのデメリット

近頃、なにかと話題のつみたてNISA

コロナ禍をきっかけに、将来に不安を感じた方が多かったからでしょうか、いま注目があつまっている「お金のおトクな制度」です。

実際、2019年末時点のつみたてNISAの口座開設数は約189万口座でしたが、2020年末時点では約302万口座と、1年間で約113万口座も増えています。

話題のつみたてNISAですが、今回は「つみたてNISA」の基本の仕組みとメリット・デメリットについて解説します!

つみたてNISAってどんな制度?

つみたてNISAとは、年間投資上限額40万円までの投資で得られた利益を20年間非課税にできる制度です。

投資の利益には、通常20.315%の税金がかかります。これは、投資で仮に10万円の利益が出ても、税金で2万円ほど引かれ、8万円足らずしか受け取れなくなるということ。

しかし、つみたてNISAを利用して投資をすれば、10万円を丸ごと受け取れるのです。つまり、つみたてNISAを利用すれば、税金を気にすることなく利益を最大化できる、というわけです。

「表1 つみたてNISA概要」にまとめていますので、ごらんください。

(/mwimgs/1/7/-/img_170cfda1148fbf1b469da7a78103b5f4123335.jpg)

拡大する(/mwimgs/1/7/-/img_170cfda1148fbf1b469da7a78103b5f4123335.jpg)

【表1】つみたてNISA概要(筆者作成)

つみたてNISAのメリットとは?

つみたてNISAの主なメリットは5つあります。さっそくみていきましょう!

【つみたてNISA】メリットその1

長期間にわたって運用益が非課税

つみたてNISAでは、年間40万円までの投資で得られた利益を、最長20年間非課税にできます。
つみたてNISAで新規に投資できる期間は法改正後2042年まで

2021年から投資すると最大22年間、880万円の投資の利益が非課税にできます。

【つみたてNISA】メリットその2

商品がしぼられていて選びやすい

つみたてNISAで購入できる商品は、金融庁の定める基準を満たし、届け出が行われた投資信託・ETF(上場投資信託)の193本のみ(2021年5月25日時点)。

銀行や証券会社によって商品の品揃えは異なりますが、いずれも手数料が安く抑えられています。

【つみたてNISA】メリットその3

ドルコスト平均法の効果が活かせる

投資信託の値段(基準価額)は、日々値動きしています。ですから、定期的に一定額ずつ購入すると、基準価額が高いときは少量を、安いときにはたくさん買うことができます。

こうした購入方法を「ドルコスト平均法」といいます。ドルコスト平均法を利用して買い付けると、平均購入単価が抑えられるため、少しの値上がりでも利益が出せる可能性が増します。 

【つみたてNISA】メリットその4 

少額から積立OK

つみたてNISAでは、定期的に商品を購入する積立で投資を行います。この積立が少額でスタートできるのもメリットです。

たとえば、大手ネット証券のSBI証券・楽天証券・マネックス証券などは、月々100円で積立が可能。

その他の金融機関でも、1000円程度の少額から投資可能なところが多くなっています。

もっとも、少額の投資では増えるペースも遅いので、慣れてきたら投資金額を増やすといいでしょう。

【つみたてNISA】メリットその5 

いつでも引き出して換金できる

つみたてNISAで投資した資金は、いつでも引き出し可能。住宅購入資金・教育資金・余暇活動資金・老後資金など、さまざまな目的でお金を貯めることができます。

つみたてNISAのデメリットとは?

つみたてNISAも万能ではありません。主なデメリットが4つあります。

【つみたてNISA】デメリットその1

株・REIT、指定されていない投信、ETFに投資できない

つみたてNISAで投資できるのは、金融庁の基準を満たした商品のみ。これは裏を返すと、株やREIT(不動産投資信託)といった他の金融商品や、金融庁の指定外の投信・ETFには投資できない、ということです。

【つみたてNISA】デメリットその2

損益通算・繰越控除ができない

「損益通算」は、複数の口座で生まれた利益と損失を合算する仕組みで、「繰越控除」は、損益通算しても損失があるとき、その損失を最大3年間繰り越して、翌年の利益から差し引くことができる仕組みです。

いずれも、投資の利益にかかる税金の負担を減らすのに役立ちます。

しかし、つみたてNISAは損益通算や繰越控除の対象外。仮につみたてNISAの商品が損失を抱えていても、損益通算や繰越控除をすることはできません。

さらに解説!「損益通算や繰越控除ができない」とは??

 

たとえば、A投信でプラス20万円の利益、B投信でマイナス30万円の損失が出ているとします。
両方とも課税口座で取引している場合は、損益通算することで、損益はマイナス10万円になり、税金は課されません。さらに、この損益を確定申告しておけば、繰越控除で翌年以降の利益と相殺し、税金を安くすることができます。
つみたてNISA口座で取引をすると、損益通算や繰越控除ができないため、税金を減らしたり、損失を繰り越したりすることはできなくなってしまいます。

【つみたてNISA】デメリットその3

非課税投資枠の再利用・持ち越しはできない

つみたてNISAの年間40万円の非課税投資枠は「使い切り」です。

たとえば、つみたてNISAで20万円分の金融商品を買って同年内に売っても、その年の残りの非課税投資枠は20万円のまま。40万円には回復しません。

また、非課税投資枠は、翌年に持ち越すこともできません。

たとえば、ある年につみたてNISAの非課税投資枠を20万円しか使わなかったからといって、翌年の非課税投資枠が60万円になる、ということはありません。(※「表2 非課税投資枠ルール」をごらんください。)

(/mwimgs/c/6/-/img_c6183885ed0ad8bba21c3063abd3fe37235965.jpg)

拡大する(/mwimgs/c/6/-/img_c6183885ed0ad8bba21c3063abd3fe37235965.jpg)

【表2】非課税投資枠ルール(出典:Money & You)

【つみたてNISA】デメリット4

リバランスに向かない

値動きとうまく付き合うためには「分散投資」が必須です。分散投資は、値動きの異なる資産を組み合わせることがポイントですが、マーケットは常に動いていますので、時間が経てば、配分比率が変わってしまいます。

こんなとき、商品を売却・購入して配分を元に戻す作業を「リバランス」といいます。

つみたてNISAの場合、商品を売却しても非課税投資枠が復活しないので、今持っている商品を売って他の商品を買うリバランスがしにくいのがデメリットです。

つみたてNISA、何があっても続けることが大切!

マーケットはときに、暴落することがあります。

2018年につみたてNISAをスタートし、コツコツ投資してきた人の多くは、2020年に「コロナショック」を経験しました。

コロナショックにより、株価は暴落。大きく値下がりした投資信託に「ショック」を受けた方もいらっしゃったと思います。

このとき、焦って売って、投資をやめてしまった人は、残念ながら損をしてしまいました。しかし、現時点での株価は、コロナショックのときよりも大きく値上がりしています。

暴落に動じることなく、淡々とドルコスト平均法の効果を活用しながら積立投資を続けている人は、利益を得られていることでしょう。

今回ご紹介した通り、つみたてNISAにもデメリットはありますが、いずれも大きなデメリットではありません。

むしろ、つみたてNISAには、そうした暴落があっても、長期にわたって非課税の恩恵を受けながら、資産を堅実に築くことのできる大きなメリットがあります。

このせっかくのメリットを生かすためにも、少額からでも「つみたてNISA」をスタートして、できるだけ長く続けていきましょう。

 

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