あらゆる税務手続きが「税務署に行かずにできる」社会に 国税庁のDX構想
LIMO / 2021年6月17日 20時35分
あらゆる税務手続きが「税務署に行かずにできる」社会に 国税庁のDX構想
国税庁は2021年6月11日、「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2.0-」を公表しました。「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」に向けた構想を示すとともに、課税・徴収におけるデータ分析の活用等の取組を更に進めていくこととしています。
そこで今回はこの内容について、解説を進めていきます。
納税者の利便性向上を目指す
行政のデジタル化は、2021年9月に設置されるデジタル庁主導のもとで、取り組みが進められる予定です。
デジタル化の基本方針は下記の通りです。
利用者目線の徹底
万全なセキュリティの確保
業務改革(BPR)の徹底
また、「納税者の利便性の向上」と「課税・徴収の効率化・高度化」を2本の柱としました。
それでは、構想の内容を具体的に見ていきましょう。
確定申告などすべてスマホで完結
それでは、構想の中身について、確定申告の簡素化から見ていきましょう。
確定申告に必要なデータ(給与や年金の収入額、医療費の支払額など)を申告データに自動で取り込むことで、数回のクリック・タップで申告が完了する仕組みの実現を目指します。(下記イメージを参考。)
これまでは紙ベースでのやり取りで煩雑だった確定申告が、カンタンにできるようになりそうです。
申請のスリム化で「ワンスオンリー」を徹底
また、税務に関する申請や届け出についても、簡便化を掲げました。一度提出した情報は、二度提出することは不要とする「ワンスオンリー」を徹底するため、申請や届出については、必要かどうかを見直します。
必要なものについては、入力事項を最小限にし、数回のクリック・タップで手続が完了する仕組みの実現を目指すとしています。
このほか、特例適用(青色承認、消費税簡易課税等)や納税(未納税額がない旨等)の状況については、マイナポータルやe-Taxで確認できる仕組みの構築を進めるとしました。
国税庁によると、e-Taxの利用率は徐々に伸びてきています。(グラフを参考。)
令和元年度では、法人税については約9割、個人税については約6割となっています。
利便性が高く、公平な社会の実現を
ここまで、国税庁が推進する税務のデジタル化を解説してきました。国税庁は「税務行政のデジタル・トランスフォーメーションの着実かつ継続的な実施により、国民にとって利便性が高く、かつ、適正・公平な社会の実現に貢献していきたい」としています。
これまで面倒だった税務に関する手続きについて、簡素化が加速することが期待されます。
参考資料
国税庁「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2.0-」(https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/digitaltransformation/pdf/syouraizo2_r0306.pdf)
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