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生活保護の申請がリーマン・ショック以来11年ぶり増加 支援策は?

LIMO / 2021年6月19日 6時45分

生活保護の申請がリーマン・ショック以来11年ぶり増加 支援策は?

生活保護の申請がリーマン・ショック以来11年ぶり増加 支援策は?

2020年度の年間の生活保護申請件数が22万8081件となり、前年より2.3%(5039件)増えたことが、厚生労働省が2021年6月2日に公表した調査でわかりました。生活保護の申請が増えたのは、リーマン・ショックの起きた2009年度以来で、11年ぶりとのことです。

長引くコロナ禍の影響で、仕事を失ったり、収入が減ったりした人が増えたと見られています。

そこで今回は、生活保護の申請件数について解説。またコロナ禍で苦しむ人のための公的支援制度も紹介していきます。

生活保護の申請は7か月連続で上昇

それでは、足元の数字をみていきます。

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拡大する(/mwimgs/0/1/-/img_017c1f3a617167e6acdbe13163fa1f4031619.png)

厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和3年3月分概数)」をもとに筆者作成

厚生労働省が2021年6月2日に公表した調査によると、生活保護の申請件数は、2021年3月で2万2839件、前年同月より8.6%(1809件)増加しています。申請件数については、2021年9月から上昇傾向が続いており、実に7か月連続で前年より増加し続けています。

2020年度で特に申請件数が大きく伸びたのが、緊急事態宣言が発動された時期である2020年4月です。前年同月比24.9%と、突出した伸びを見せています。

厚生労働省は、「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるもの。ためらわずに自治体までご相談ください」と呼びかけています。

それでは、コロナ禍などで生活に苦しんでいる人向けの制度は、他にどんなものがあるでしょうか。

無利子の「緊急小口支援」と「総合支援資金」

コロナ禍の影響で経済的に苦しくなった人向けに資金を貸し付ける制度として、国は「緊急小口資金」と「総合支援資金」の2つを実施しています。どちらも無利子でお金を借りられる仕組みです。

緊急小口資金等の特例貸付については、これまで複数回、受付期限が延長されています。

厚生労働省によると、緊急小口資金等の特例貸付は2021年6月5日時点で累計支給申請件数236万7462件、累計支給決定額は9723億59億円に上ります。

また、「緊急小口資金」や「総合支援資金」の利用ができなかった人向けに「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」という制度もあります。

この制度について厚生労働省は2021年6月11日、相談コールセンターを設置したことを公表しています。

詳細は下記の通りです。

新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金相談コールセンター

電話番号:0120-46-8030

受付時間:9:00~17:00(平日のみ)

非正規労働者や個人事業主の方を含めて、生活が苦しい人へのセーフティネットとしてこうした制度が存在しています。

医療費負担を軽減する「無料低額診療事業」

無料定額診療事業とは、低所得者が無料、または定額な料金によって診療を受けられる仕組みです。厚生労働省によると、対象者は下記の通りです。

低所得者

要保護者

ホームレス

DV被害者 など

さまざまな事情で生活が苦しい人のためにある制度です。

それでは、具体的にどのような条件であれば無料定額診療は受けられるのでしょうか。すでに無料定額診療を実施している北海道勤労者医療協会を例に見てみましょう。

協会では、1か月の収入が生活保護基準の約120%以下なら全額、140%以下なら一部の医療費負担を免除としています。

厚生労働省の「無料低額診療事業等に係る実施状況の報告:調査の結果(2018年度)」によると、診療事業を活用した人は760万8773人、施設数は703にのぼります。

生活に苦しんでいるならためらわずに申請を

今回は、生活保護の申請数の状況や、コロナ禍などで生活が苦しい人のための制度について、解説してきました。

こうした情報を知っているかいないかが、あなたの生活を大きく左右する可能性があります。

また、あなた自身が生活に困っていなくても、この先何が起こるかわかりません。自分だけではなく、あなたの大切な家族がこうした制度を活用できるケースもあるでしょう。

公的支援制度は、みなさんに活用されてはじめて価値が生まれるものです。今回紹介した制度を使う条件に少しでも当てはまりそうなら、ためらわずに相談することをおすすめします。

参考資料

全日本民主医療機関連合会「無料低額診療事業 制度の説明」(https://www.min-iren.gr.jp/?p=20135)

厚生労働省「無料低額診療事業・無料低額老健事業の実施状況の概要(平成30年度実績)」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/muryou_sinryoujigyou_r01.pdf)

厚生労働省「生活困窮者自立支援における新型コロナウイルス感染症の影響と対応について」(https://www.mhlw.go.jp/content/12002000/000705796.pdf)

厚生労働省「生活保護制度」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html)

生活保護の被保護者調査(令和3年3月分概数)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2021/dl/03-01.pdf)

厚生労働省「生活保護制度の概要」(https://www.mhlw.go.jp/content/000693930.pdf)

厚生労働省「くらしや仕事の情報」(https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kurashiyashigoto.html#h2_1)

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