給与の振り込み「銀行口座」が8割で最多 デジタル払い導入「不透明」で足踏み
LIMO / 2021年6月20日 19時0分
![給与の振り込み「銀行口座」が8割で最多 デジタル払い導入「不透明」で足踏み](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_23884_0-small.jpg)
給与の振り込み「銀行口座」が8割で最多 デジタル払い導入「不透明」で足踏み
株式会社フリーウェイジャパンは2021年6月7日、「給与デジタル払いに関する認知度調査」の結果を公表しました。今後希望する給与の支払い手段について「銀行振込」が80.2%で最多となりました。政府がデジタル払いの議論をすすめるなか、「制度の詳細が不透明」という意見もあり、大半が導入をためらっている結果となりました。
今回は給与のデジタル払いについて、この調査を紐解きながら一緒に考えていきましょう。
給与のデジタル払いを希望 わずか6.2%
それでは、調査結果を見ていきましょう。
今後希望する給与の支払い手段について聞いたところ、「銀行振込」が80.2%で最多。次点で「現金手渡し」が11.4%、「デジタル払い」が6.2%、「その他」が2.2%という結果になりました。
今後希望する給与支払い手段は?
(/mwimgs/a/d/-/img_adb9ca6a569537f682804c9b785c4c7d102682.png)拡大する(/mwimgs/a/d/-/img_adb9ca6a569537f682804c9b785c4c7d102682.png)
【出典】株式会社フリーウェイジャパン「給与デジタル払いに関する認知度調査」
従来どおりの銀行振込が大半を占める一方で、デジタル払いはわずか6.2%に落ち着いています。
それでは、なぜデジタル払いの導入について、ここまで二の足を踏んでいる企業が多いのでしょうか。
制度が「不透明」半数以上に
次に、「給与デジタル払い」を利用するにあたっての障壁について見ていきましょう。
「給与デジタル払い」の利用するにあたっての障壁は?
(/mwimgs/f/e/-/img_feb840281bc42619e847efaf6672b85889308.png)拡大する(/mwimgs/f/e/-/img_feb840281bc42619e847efaf6672b85889308.png)
【出典】株式会社フリーウェイジャパン「給与デジタル払いに関する認知度調査」
「給与デジタル払い」を利用するにあたっての障壁について聞いたところ、「制度の詳細が不透明」の回答が最多の54.8%と過半数を占めました。ついで「システムインフラの投資コスト」が37.7%、「イシュア―(デジタル通貨発行元)の与信」が32.0%と続いています。
制度の浸透を推し進めたい政府の呼びかけが足りていないことや、セキュリティに懸念を持っている企業がいると予測されます。
また、従業員の説明や担当者の対応工数といった、現場への負担を懸念している企業も多いことがわかります。
それでは、逆にデジタル払いの導入を利用、または検討している企業の声も聞いてみましょう。
手数料の削減に期待
「給与デジタル払い」の利用を予定、または検討している企業に対して、利用の目的を聞いた結果が下記の通りです。
給与のデジタル払いの利用目的は?
(/mwimgs/f/9/-/img_f90e4578e140c07e2af11b681b89dec092323.png)拡大する(/mwimgs/f/9/-/img_f90e4578e140c07e2af11b681b89dec092323.png)
【出典】株式会社フリーウェイジャパン「給与デジタル払いに関する認知度調査」
「銀行振込手数料の削減」が49.0%で最多と、社内のコスト削減が最大の理由であることがわかりました。その他は「第2口座等と同様な従業員への便宜」が21.0%、「デジタル払いによるイシュア―(デジタル通貨発行元)からのポイント付与による従業員への還元」が19.6%となりました。
ここまでをまとめると、手数料が削減できるという期待感は高いものの、不透明な部分が多く導入をためらっている企業が大半という結果となりました。
ただ、「デジタル払いの制度が安定普及するまでは銀行振込」「メリットと安全性がクリアになればデジタル払い」という意見もありました。
給与のデジタル払いの安全性や利便性がしっかり理解されれば、一気に普及する可能性があると言えそうです。
調査概要
調査タイトル:給与デジタル払いに関する認知度調査
調査方法 :インターネットリサーチ
調査期間 :2021年 5月19日~5月25日
調査対象 :小企業/零細企業の従業員320人、代表取締役426人
あなたは給与のデジタル払いについて賛成?反対?
ここまで、給与のデジタル払いについての調査を発表しました。
厚生労働省が2021年4月19日に公表した資料によると、給与のデジタル払いについて、下記のような要件などを想定しています。
破産等により債務の履行が困難となったときに、労働者に対して負担する債務を速やかに労働者に保証する仕組みを有していること
現金自動預払機(ATM)などで支給当日に1円単位で現金化できること
政府としてはデジタル払いを推進していく姿勢を見せていますが、みなさんは給与のデジタル化について、賛成でしょうか、反対でしょうか。今後も動向をチェックしていきましょう。
参考資料
株式会社フリーウェイジャパン「給与デジタル払いに関する認知度調査」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000061444.html)
厚生労働省「第168回労働政策審議会労働条件分科会(資料)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18113.html)
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