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【共働き世帯】月の収入や貯蓄はいくらか。専業主婦世帯との差は?

LIMO / 2021年6月30日 19時35分

【共働き世帯】月の収入や貯蓄はいくらか。専業主婦世帯との差は?

【共働き世帯】月の収入や貯蓄はいくらか。専業主婦世帯との差は?

年々増加している共働き世帯。内閣府の「令和2年度版男女共同参画白書」によると、令和元年度(2019年)では、共働き世帯は1,245万世帯、専業主婦世帯は582万世帯に。

昭和55年(1980年)には共働き世帯614万世帯、専業主婦世帯1,114万世帯と、かつては専業主婦世帯が多数派だったものが、平成9年に逆転。平成24年以降はその差がグングン拡大しています。

共働き世帯が増えている一番の理由は、やはり世帯収入が増えることでしょう。1人より2人で働く方が収入が増えるのは当然のこと。では、共働き世帯の月当たりの収入や支出、貯蓄はどのくらいなのでしょうか。

総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年度」から、二人以上の世帯のうち勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)の結果を見てみましょう。

共働き世帯の月当たりの収入は?

「家計調査報告(家計収支編)2020年度」によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)で、世帯主が夫である共働き世帯の月当たり「実収入」平均は716,420円。

実収入とは「いわゆる税込み収入であり、世帯員全員の現金収入を合計したものである」と定義されています。ちなみに、いわゆる専業主婦世帯の月当たり実収入平均は554,110円ですから(注1)、共働き世帯の月当たり実収入は約16万円多いことが分かります。

ただし、前出の「令和2年度版男女共同参画白書」で共働き世帯の内訳を見てみると、令和元年度(2019年)では「妻がパート(週35時間未満)」で働く世帯が682万世帯に対し「妻がフルタイム(週35時間以上)」で働く世帯は495万世帯(図表1参照)。

1985年からの推移を見ても、増加しているのは「妻がパート」で働く世帯で、「妻がフルタイム」はほぼ横ばいです。つまり、約6割の共働き世帯では妻がパートタイムで働いているということで、収入は増えても専業主婦世帯の収入の2倍には届いていないのが現状です。

(注1)二人以上の世帯のうち勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)の「有業者1人」を参照(「世帯主の配偶者のうち女の有業率」は0.0%)。

図表1:共働き世帯のうち「妻がパート」の世帯数と「妻がフルタイム」の世帯数の推移

(/mwimgs/2/8/-/img_28d4dc57efa13fb7a286a6d52089afea94216.jpg)

拡大する(/mwimgs/2/8/-/img_28d4dc57efa13fb7a286a6d52089afea94216.jpg)

出所:内閣府「令和2年度版男女共同参画白書」(総務省「労働力調査特別調査」「労働力調査(詳細集計)に基づく)

共働き世帯で増えてしまいがちな支出は?

次に、共働き世帯と専業主婦世帯の月当たりの支出を見てみましょう。

すると、「消費支出」(生活費)は、共働き世帯328,368円、専業主婦世帯は283,922円。項目別に見ると、食費、交通・通信費、教育費、その他の消費支出で共働き世帯が専業主婦世帯より5,000円以上多くなっています(図表2参照)。

便利家電の登場で家事全般の負担はひと昔前より減ったかもしれませんが、それでも食事の支度は手間がかかるもの。共働き世帯においてはお惣菜等の活用もあるでしょうから、食費が増えるのはやむをえないことかもしれません。

図表2:共働き世帯と専業主婦世帯の月当たり収入、支出等の比較

(/mwimgs/4/b/-/img_4b2aafc4f4b7565f8d1c2ab2683544ed165169.jpg)

拡大する(/mwimgs/4/b/-/img_4b2aafc4f4b7565f8d1c2ab2683544ed165169.jpg)

出所:総務省の「家計調査報告(家計収支編)2020年度」を基に筆者作成

ちなみに、図表2に示されている「実支出」とは、消費支出(生活費)に非消費支出(税金や社会保険料など)を加えたものです。

共働き世帯の月当たり貯蓄は?

最後に月当たりの貯蓄を見てみます。

まず、月当たりの「貯蓄純増(注2)」は、共働き世帯225,115円、専業主婦世帯144,713円。「金融資産純増(注3)」は、共働き世帯227,309円(1年で約272万円)、専業主婦世帯148,180円(1年で約178万円)。

「金融資産純増」の1年での差は約94万円。仮にこの水準で10年経つとしたら、かなりの差が生じます。そう考えると将来が不安な今の時代、共働き世帯が増えているのがよく分かる気がします。

(注2)貯蓄純増:「預貯金」と「保険料」の合計から「預貯金引出」と「保険金」の合計を差し引いたもの
(注3)金融資産純増:「貯蓄純増」に「有価証券購入」と「有価証券売却」との差を加えたもの

おわりに〜共働き世帯のデメリットに要注意

共働き世帯が年々増えている背景には、住宅ローン費用や子供の教育費の確保に加え、将来の老後資金不安に備えたいという心理がありそうです。

ただ、共働きで収入は増えるのものの、それに伴って生活にかけるお金も増えてしまいがち。仕事で疲れているために、ついつい外食する回数が増えてしまったり、お惣菜を買うことが多くなったりと、”時間をお金で買う”ような出費が増えてしまうこともあるでしょう。

こうした理由で支出のコントロールがうまくいかないと、収入の割に貯蓄ができていないという結果になってしまいます。

そして、男女間でなかなか理解し合えないのが家事育児の分担問題。女性が仕事と家庭を両立していくには、夫や家族の協力が本当に大切です。家族とよく話し合いながら、それぞれの家庭にあったスタイルを見つけられるといいですね。

参考資料

令和2年度版男女共同参画白書(https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/gaiyou/pdf/r02_gaiyou.pdf)(内閣府)

家計調査報告(家計収支編)2020年度(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&result_back=1&tclass4val=0)(総務省統計局)

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