実は不要かもしれない5つの支出。ケチケチせずに生活費を見直す方法
LIMO / 2021年8月1日 19時35分
実は不要かもしれない5つの支出。ケチケチせずに生活費を見直す方法
生活費を見直すという場合に、ケチケチすることを考える人が多いのですが、その前に大きな支出項目をゼロベースで見直すことが有益だ、と筆者(塚崎公義)は考えています。
大きな支出項目を洗い出す
生活費を見なおす、というと「ビールをやめて発泡酒で我慢する」といった倹約が思いつきますが、倹約よりも先に大きな支出項目について本当に必要か否かをゼロベースで見直す方が有益な場合も多いでしょう。
それで足りない場合には、発泡酒等での我慢も必要かもしれませんが、我慢はストレスを増して贅沢の欲求を高めますし、何よりリバウンドが心配ですからね(笑)。
大きな支出項目を洗い出すだけであれば、家計簿をつける必要はありません。預金通帳の引き落とし項目とクレジットカードの利用明細を見れば、大きな支出項目は見当がつくはずですから。
なお、生活費を見直す作業は、夫婦の協力が不可欠です。気をつけないと、お互いに相手の支出を削減しようという戦闘モードになりがちですが、そうではなく、お互いの老後資金をどう貯めていくかという協調姿勢を心がけましょう。
余談ですが、家計簿をつけること自体には、別の意味があるそうです。支出をするたびに家計簿につけることで、個々の出費に対する節約意識が高まり、無駄な物を買わなくなる、ということのようです。
ダイエットをする際に、毎日体重を量り、食べた物をメモするだけで、食べ物に対する意識が高まって高カロリー食品に手が出なくなる、というのと似ているのだそうです。
保険は本当に必要か
まず、生命保険は必要でしょうか。専業主婦と乳飲児を養っているサラリーマンであれば、自分に万が一のことがあった時に遺された家族が路頭に迷わないように生命保険に加入する必要があるでしょう。
しかし、独身である場合や夫婦ともに正社員である場合には、自分が死んでも(悲しむ人はいるでしょうが)金銭面で路頭に迷う人はいないでしょう。退職金を受け取った元サラリーマンについても同様ですね。それならば、生命保険は不要ですね。
保険は、顧客が払った保険料の中から保険会社の費用や利益が出ているわけですから、顧客全体としては損な取引です。期待値がマイナスだ、と言い換えても良いでしょう。
したがって、保険に加入しないと大変困った事態に陥る可能性がある場合を除いては、保険に加入するよりも保険料を老後のために、あるいは万が一の場合の遺族のために、預金しておいた方が良いでしょう。
ただ、すでに加入している保険(貯蓄型)を途中で解約すると「解約手数料」がもったいないという場合もあるので、「これまで払った分はそのままにして、今後は払い込みを行なわない」といったことを相談してみても良いかもしれませんね。
損害保険についても、本当に必要か見極めてみましょう。自動車を運転する時の賠償保険は絶対に必要でしょうが、車両保険は必要でしょうか。自動車を盗まれたら小さな中古車を買えば良いので、路頭に迷うことはないでしょう。
医療保険は必要でしょうか。日本の健康保険制度は良くできていて、どんなに高額な治療を受けても自己負担額は限られているのです。したがって、医療保険に加入しなくても路頭に迷うようなことにはならないのです。加入を検討しているなら、「高額療養費制度」で検索をしてみて、それから決めても遅くないはずです。
自動車は本当に必要か
自動車は必要でしょうか。都会に住んでいるならば、公共交通機関を使う方が金銭面でも健康面でも望ましいでしょう。自動車関連の費用は、定期的な買い替えを前提とすると相当高いですし、駅まで歩く必要がなくなることの健康への悪影響も大きいでしょうから。
ちなみに筆者は自動車を手放した時に、贅沢にタクシー代を使っても自動車の維持費等々より安い、と判断しました。実際には、もったいないのでタクシーに乗る機会はそれほど多くなく、金銭面でも健康面でも当初予想以上の成果が上がっています(笑)。
習い事はコストに見合った成果があるか
子供の習い事は必要でしょうか。お絵描き教室、水泳教室等々に子供を通わせている親は多いでしょうが、コストに見合った効果が見込めるでしょうか。
場合によっては「自分は親として子育ての責任をしっかり果たしている」という自己満足のために数多くの習い事を子供にさせている、という親もいるかもしれません。本稿を読んだ機会に、自分がそうでないことを確認しておきましょう。
自分の習い事は必要でしょうか。資格取得等々のための出費は自分への投資と位置付けている人は多いでしょうが、投資に見合った成果が期待できそうでしょうか。何となく資格に挑戦してみたい、といった程度であれば、本当に必要な出費なのか否かを見直してみましょう。
子育て終了後は都心の小さなマンションに住む?
子育て中は郊外の大きな一軒家に住んでいたという場合、子供が巣立って行った後は都心の小さなマンションに引っ越すことを考えてみましょう。
高齢者にはありがたいことに、マンションは戸締りが楽で、小さければ掃除も楽です。隣家と温めあうので冬の朝の寒さも厳しくありません。しかも、公共交通機関の発達した都心に住めば自動車が不要になるかもしれません。
今後は人口減少で郊外の住宅地は不動産価格が値下がりしていくかもしれませんから、自宅を売って老人ホームの入居資金を捻出するという場合にも、都心のマンションの方が有利かもしれませんね。
飲み会を半分にしたらどうなるか、考えてみよう
あとは、新型コロナ後に再開されるであろう飲み会ですね。付き合いもストレス解消も必要でしょうから、飲み会もある程度は必要なのでしょうが、回数を半分に減らしたらどうなるか、ということは検討してみたいですね。
たとえば、毎日同じ仲間と同じ店で同じ上司の悪口を言い合っているといった場合には、惰性で飲みに行っていないか、「思い切って半減して浮いた金を貯金して浮いた時間で自己研鑽に励む」という選択肢が取り得ないのか否か、自分の胸に手を当てて考えてみましょう。
本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。
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