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将来の収入を生む「資産」を増やす!「減価償却」の視点を家計にも                                                        

LIMO / 2021年8月1日 11時30分

将来の収入を生む「資産」を増やす!「減価償却」の視点を家計にも                                                        

将来の収入を生む「資産」を増やす!「減価償却」の視点を家計にも                                                        

~共働き世代の資産形成術~

前回の記事「家計簿アプリの活用は『バランスシート』目線で。将来の収入を生み出す『資産』作りに効果的」(https://limo.media/articles/-/24280)では、家計簿アプリを使って家計簿つけができたとしても、大切なのはそれをバランスシートの目線で考えることだとお伝えしました。

今回は、バランスシートの目線を家計に取り入れて考えてみましょう。

「資産」とは?

現金や預金、投資(有価証券)などは収入ではありませんが、「資産」に分類されます。「資産」は将来の必要な時に収入の代わりとなり、例えば、来月の収入とか、退職後の収入とか、万一の時の収入など、将来の収入源に変わります。

そのほかの資産としては、生活用品、家電製品、スマホ、パソコンなど、いわゆる耐久消費財といわれるものが挙げられます。名前のとおり「消費財」ですから、日々の生活に使い、壊れたら買い替えたり、売却することもありますね。

これらの資産は一定期間で価値が減っていきますが、金銭に変えることができるので、「資産」としてお金に換算して計上することができます。

一方の負債ですが、住宅ローン、奨学金、カードローンなどが分類されます。これは比較的、理解しやすいと思います。

ちなみに、資産は負債と資本の合計です。バランスシートの左側が資産、右側が負債と資本となり、左右の合計が一致するように作られています。

バランスシートで家計を管理する

それではバランスシート(貸借対照表)と損益計算書の関係を見てみましょう。

(/mwimgs/7/f/-/img_7ff9b1c6988d5f97c82005baea20b0b888529.png)

拡大する(/mwimgs/7/f/-/img_7ff9b1c6988d5f97c82005baea20b0b888529.png)

これが日々の家計管理と資産形成をつなぐ基本形であるといえます。

毎月のお給料は銀行に振り込まれ、収入になります。そのなかから経費である家賃を支払い、生活費を支払っていきます。借入金の返済があれば、それも経費に含まれます。

そうして差し引きした収入の残り、これが今月の利益で、損益計算書上の利益になります。損益計算書上の利益は資本の増加と同じということになり、バランスシート上の資産(預金)の増加につながります。

では、下記のケースはどのように考えればいいのでしょうか。

「8万円でスマホを買い替えた。その結果、今月の収支が3万円の赤字になった」

こちらについて考えてみましょう。

スマホを買っていない場合の収支は5万円の黒字でした。(もとの収支をxとすると、xー8万円(スマホ代)=-3万円 ∴x=5万円)

この場合、「資本」は5万円増加し、預貯金である「資産」も5万円増加していることになります。

そこに、スマホを購入したことによる「スマホ(資産)」の8万円を資産の部に計上します。預金は8万円減ることになりますが、これは「預金(資産)」から「スマホ(資産)」に振替えられただけとも言えます。つまりプラスマイナスゼロです。

ここからがポイントなのですが、全体の資産は5万円分が増えていることになり、バランスシート上で考えると「スマホを買っても資産が増えている」という少しおかしな状況になってしまいます。

減価償却とは?

この違和感は「減価償却」という考え方で説明することができます。

スマホは使い続ければ、その価値を長くとどめておくことができず、2年もすると売却価格は大幅に安くなっています。例えばスマホの価値が2年後に1万円になっているとすると、7万円の減価ということです。

会社の経理では、こうした資産の減価を決算期ごとに経費として計上します。これを「減価償却費」と呼ぶのですが、家計の損益計算書やバランスシートでも同じことが起こります。

さすがに毎月の家計簿でスマホの減価償却費を計上することは計算の手間もあり面倒なので細かくは計上できませんが、家計では資産であったスマホに計上していた8万円を、2年後に、例えば1万円など、価値を減らす作業が必要になります。

2年後の価値が1万円だとしたら、7万円の資産が減ることになります。同時に資本も7万円減ることになります。

ここで重要なのは、将来の収入になる「資産(預金)」がスマホを購入したことによって8万円減り、その価値(スマホ)は1万円になっているという事実です。

スマホを買ったのだから、その購入代金として8万円が減るのは当たり前ではありますが、少し見方を変えてみると、将来の収入になりやすいもの、なりにくいものを見分けるということにもつながります。

スマホは我々の生活になくてはならないもので、持つことにより生活を豊かにしてくれます。

一方、スマホを「資産」という観点から見ると、買った瞬間の価値がピークで、大体の場合、数年後に価値が急激に下がってしまいます。

資産にはいろいろな種類があって、先にあげたスマホのような耐久消費財もそうですし、現金や預貯金はもちろん、不動産、美術品、金などもあげられるでしょう。資産には、いろいろな種類があるのです。

「将来の収入を生み出す資産」を増やすことが大事

この考え方は我々がモノを購入するとき、特に資産形成を考えるときに役立ちます。将来の収入になりやすいものを目利きし、選ぶ力が養われるでしょう。

ここまでくると、何となく話が見えてきたのではないでしょうか。

毎月の生活費を管理することは、バランスシートの資産を増やすことに他なりません。資産形成とは、この左側の「資産」を増やすことなのです。

そのためには、まず損益計算書で毎月の収支管理が必要になりますし、赤字をなるべく出さないようにしたいものです。また資産を減らす行動はなるべく避けなければなりません。

「将来の収入を生み出す資産」を増やすことこそが、賢い家計管理といえるのではないでしょうか。

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