「公立小のテストは簡単」はウソ? 低学年でも100点連発が難しい理由
LIMO / 2021年8月18日 19時35分
「公立小のテストは簡単」はウソ? 低学年でも100点連発が難しい理由
公立小学校のテストは簡単。そんなイメージを持つ方も少なくないかもしれません。確かに、小学校のテストは習った単元の定着度を見るのが最大の目的です。そのため、塾で出るような応用問題が出ることはほとんどはありません。
しかし、読解力や思考力を重要視する学習指導要領が2020年度からスタート。低学年でも初見の文章を読んで答えを書くテストも行われており、簡単に100点連発とはいかなくなっているようです。
文章題も出る小学1年の算数
小学1年生の勉強で最初の壁というイメージがあるのは、算数の「繰り上がり」「繰り下がり」ではないでしょうか。これは秋以降に学ぶ単元ですが、実際は夏休み前から「3+2」といった基本的な計算問題だけではなく、文章題も出題されています。
筆者の3番目の子が今年度、学区の公立小学校に入学しました。3人の子どもの中で唯一、2020年度からの新しい学習指導要領による授業を入学当初から受けています。そのため、上の子たちとはどう違うのか興味津々でしたが、予想以上にテスト内容の難易度が高くなっていると感じました。
夏休み前最後のテストでは、足し算と引き算の違いを理解しているかを問う文章問題が出されました。もちろん、宿題のプリントなどでも文章題が出ていたので、「テストで初めて見た」ということではありませんが、これひとつ取っても以前よりも学習内容が濃くなっている印象を受けました。
授業や宿題とは異なり、テストは自力で解かなければなりません。こうした文章形式の問題を何度か解いていたとしても、やはり読解力がないと100点を取ることは難しく、入学3カ月目にして早くも高得点に至らない子が一定数出ているのではないかと考えられます。
簡単そうで難しい1年生の国語
そして算数以上に厄介なのが国語です。1年生の国語は、漢字もそれほど難しいものではありません。しかし、子どもの読書を取り巻く環境は昨今のスマートフォンやタブレット端末の普及で大きく変化しています。
本を読む子は読み、動画サイトに夢中になっている子もいる。活字離れというよりは、活字に親しむ子と、そうではない子の二極化が進む時代になっています。
小学1年生の国語では、まず最初にひらがなを丁寧に学びます。そして、一般的にくっつき言葉と言われる助詞の「わ・は」「お・を」「え・へ」の区別、間違いやすい「ず・づ」「じ・ぢ」を使う言葉を学習します。
細かいことかもしれませんが、これを1年生の時点でしっかり定着させないと作文やレポートを書くときに誤字脱字が多くなり、後から修正するのが大変です。また、日頃から活字に慣れていないと正しく書くことが不得手になります。
現在小学1年生の筆者の子どもを見ていると、6学年そして4学年離れている上の子たちの時よりも助詞の宿題プリントが確実に多くなっています。担任の先生は通常子どもの理解が足りていない単元を宿題に出すので、こうした言葉の使い方が身についていない児童が目立つのではないかと思われます。
そして、ひらがなは丁寧に教わりますがカタカナは時間をかけず漢字へと進んでいきます。これは2人の子どもで経験済みでしたが、少しでも文字に不安を感じているなら就学前からカタカナ対策をしておくといいかもしれません。
テストの点数が低下してきたら要注意
1年生の頃は何とか90点、80点以上を取っていても、2年生、3年生と学年が上がるにつれて70点を取ることが増えてきたら黄信号点灯です。
4年生以降は、算数では図形など抽象的な単元を学び、国語は扱う文章が難しくなり漢字も増えます。そして理科と社会は学習内容が濃くなるため、たとえ単元毎にテストが実施されても簡単に高得点を取ることが難しくなります。
小学校のテストはあくまでも「習った単元を理解しているか」を測るもの。学んだら時間をあけずにテストが行われるので、子どもの理解度は点数を見れば明らかです。そこで思うように点数が取れないのは、勉強量が足りていないか既習単元で理解不足のところがあるからと考えられます。
学力は小学1年生から積み重ねていくものですですから、どこか知識が欠けていればそこから簡単に崩れてしまいます。結果として、低学年で早々に100点が取れなくなり、90点、80点と点数が下がっていくことが起きます。そして「小4の壁」という言葉があるように、小学4年生以降、気がついたときには学力の固定化が進んでいるのです。
やはり復習は欠かせない
公立小学校のテスト内容の難易度は高くないと言われていますが、学習指導要領の改訂で以前よりも問題のレベルが上がっている印象です。子どもの「今回のテストは難しかった」という言葉は本当かもしれませんが、学習が足りていなかったからそう思ったということもあるでしょう。
せっかく頻繁にテストがあるのですから、そのまま放置するのはもったいない。しっかり見直しをして復習することは欠かせません。低学年であっても日頃から子どもの学習定着を確認していきたいですね。
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