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共働き世帯「年収・貯蓄の平均いくら?」専業主婦世帯との差は?

LIMO / 2021年8月28日 12時35分

共働き世帯「年収・貯蓄の平均いくら?」専業主婦世帯との差は?

共働き世帯「年収・貯蓄の平均いくら?」専業主婦世帯との差は?

労働政策研究・研修機構(JILPT)がまとめた「専業主婦世帯と共働き世帯」の統計表(令和2年度)によると、専業主婦世帯571万世帯に対して、共働き世帯は1240万世帯となっており、専業主婦世帯の2倍以上、共働き世帯が多くなっています。

共働きは世帯収入を増やすことができますが、専業主婦世帯と年収、貯蓄額でどのくらい差があるのか、また生活費にも注目して、共働き世帯の実態に迫ります。

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共働き世帯の年収と貯蓄額

まずは、共働き世帯の世帯年収の平均を見てみましょう。

総務省「家計調査(貯蓄・負債編)2020年」によると、夫婦共働き世帯(※1)の年間収入の平均は804万円となっています。一方、専業主婦世帯(夫のみ有業の世帯)の年間収入の平均は677万円です。127万円、共働き世帯の年間収入が多くなっています。

次に同調査から貯蓄額を見てみましょう。

夫婦共働き世帯(※1)の貯蓄額の平均は1281万円となっています。一方、専業主婦世帯(夫のみ有業の世帯)の貯蓄額は1488万円となっており、前述の年間収入とは逆に専業主婦世帯の方が貯蓄額は多くなっています。

専業主婦世帯の方が支出を抑えて貯蓄にまわしているということでしょうか。その辺りを知るために1カ月の家計状況も見てみましょう。

(※1)二人以上の世帯のうち勤労者世帯における夫婦共働き世帯<有業者は夫婦のみ(有業人員2人)>

共働き世帯の1カ月の収入と支出

総務省「家計調査(家計収支編)2020年」によると、共働き世帯(※2)の1カ月の実収入は71万2042円となっています。

一方、専業主婦世帯(夫のみ有業の世帯)の1ヵ月の実収入は60万1341円です。約11万円共働き世帯の実収入が多くなっています。

共働き世帯の実収入のうち、勤め先収入は66万2470円であり、内訳は世帯主収入が48万7534円、配偶者収入が17万4936円となっています。つまり、共働きといっても、収入が2倍になるわけではなく、配偶者の収入は世帯主の35%程度であり、実態はパート収入が多いと思われます。

(※2)二人以上の世帯のうち勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満) における夫婦共働き世帯<有業者は夫婦のみ(有業人員2人)>

支出はどうでしょうか。共働き世帯の1カ月の消費支出の合計は32万7919円、専業主婦世帯の消費支出の合計は29万9226円となっています。その差は約3万円です。

消費支出の内訳を共働き世帯と専業主婦世帯で比較できるようにグラフに表しました。(※参照【グラフ】共働き世帯と専業主婦世帯の1カ月の消費支出)

 

(/mwimgs/d/2/-/img_d2960d436b31e9ea8510ef24891a7226135154.jpg)

拡大する(/mwimgs/d/2/-/img_d2960d436b31e9ea8510ef24891a7226135154.jpg)

【グラフ】共働き世帯と専業主婦世帯の1ヵ月の消費支出:総務省「家計調査(家計収支編)2020年」第3-11表をもとに筆者作成

差が大きいものは、交通・通信費、教育費、その他の消費支出で共働き世帯が5000円以上多くなっています。一方、住居費は専業主婦世帯が多くなっています。食費は1400円程度の差でした。

その他の非消費支出や借入金返済なども含めた最終的な黒字は、共働き世帯で25万969円、専業主婦世帯で18万6583円となっており、それを受けての金融資産純増(※3)は共働き世帯で22万4343円、専業主婦世帯で16万907円となりました。

共働き世帯の方が専業主婦世帯よりも月6万3436円金融資産が増えていることになります。先述した総務省「家計調査(貯蓄・負債編)」の貯蓄額が専業主婦世帯の方が多いのは、一部の富裕層の高額な貯蓄額が影響しているのかもしれません。

共働き世帯の方が専業主婦世帯よりも収入が増えている分、貯蓄ができることは間違いないでしょう。

(※3)金融資産純増とは、「預貯金」と「保険掛金」の合計から「預貯金引出」と「保険取金」の合計を差し引いた 「貯蓄純増」に「有価証券購入」と「有価証券売却」との差を加えたもの

共働き世帯は「やっぱり、経済的に有利」

総務省「家計調査(家計収支編)」から、共働き世帯は月22万4343円金融資産が増えることがわかりました。年間にすると約270万円となります。

専業主婦世帯よりも年間約76万円多く貯蓄ができる計算です。最初に示した総務省「家計調査(貯蓄・負債編)」では、年収の差が127万円だったのに対して少ないと感じるかもしれません。

1カ月の消費支出は共働き世帯が専業主婦世帯と比べて3万円多くなっていることも関係しているでしょう。

共働きとなるとどうしても支出が増えてしまいがちです。収入が増えても支出が多くなってしまえば意味がないので、共働き世帯にとっては、収入を増やすことと同じくらいに支出をコントロールしていくことが大事になります。

しかしながら、共働きによる支出の増加を織り込んでも、収入はそれ以上に増えるケースがほとんどでしょう。総務省「家計調査(家計収支編)」の共働き世帯の配偶者収入をみると、年収200万円程度になっており、決して多いとはいえませんが、収入源が2つあることは将来的に大きな差となります。

専業主婦世帯との差が年間約76万円となれば、20年、30年の間に1000万円、2000万円の差となります。さらに、夫婦二人が厚生年金保険に加入すれば、基礎年金にプラスして厚生年金が受け取れるため、年金額が増えるというメリットもあります。

さいごに

ここまで述べたことから、経済的には共働き世帯が有利であることは間違いありません。

しかし、現実問題として、女性が仕事を続けていくにはさまざまな困難があります。仕事と家庭の両立支援のための制度の拡充はもとより、家庭内での家事分担など男性側の意識変化も必要といえそうです。

将来、共働き世帯はさらに増えていくでしょう。現在共働きの人、将来、共働きを考えている人は、この機会に働きやすい環境作りのために夫婦で話し合ってみてはいかがでしょうか。

参考資料

労働政策研究・研修機構(JILPT)「早わかり グラフでみる長期労働統計 図12 専業主婦世帯と共働き世帯(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html)

総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表」 3-11  年次 2020年(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&stat_infid=000032048831&result_back=1&tclass4val=0)

総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」8-9 年次 2020年(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&stat_infid=000032087781&result_back=1&tclass4val=0)

内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 平成29年版 第1節 働く女性の活躍の現状と課題」(https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h29/zentai/html/honpen/b1_s00_01.html)

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