若手社員が「ウチの会社、ブラックかも?」と思った4つのケース
LIMO / 2021年9月6日 18時30分
若手社員が「ウチの会社、ブラックかも?」と思った4つのケース
20代後半〜30代にもなると仕事に慣れてきて、自社や競合他社、業界全体のことを広い視野でみられるようになるものです。すると中には「うちの会社の労働環境はおかしいのでは?」と思う瞬間がある人もいるのではないでしょうか。
日本労働調査組合(日労)が今年(2021年)7月21日に「ブラック企業に関するアンケート調査」の結果を発表(対象:全国の20~49歳の会社員、516サンプル)。それによると自身の勤務先をブラック企業だと「思う」のは31.2%と約3人に1人。「思わない」は48.6%、「分からない」は20.2%でした。
また、「あなたが思うブラック企業の定義を教えてください」という問いへの回答の1位は「サービス残業」の36.9%。2位「ハラスメント」(17.2%)、3位「長時間労働」(15.8%)、4位「残業が多い」(13.7%)、5位「給料が安い」(10.8%)と続いています。
では、実際にはどんなときに会社への疑問を持つのでしょうか。今回は、「うちの会社、ブラックかも」と感じた瞬間について4人の会社員に聞いてみました。
サービス残業は当たり前
建材メーカーで働く20代のAさんは、当然のようにサービス残業を強要されたことに違和感を抱くようになったと言います。
「入社したばかりの頃は忙しさに慣れるのが精一杯で、あまり残業について考えることもなかったし、社会人とはこういうものなのだと思っていた。でも、数年経って他社で働いている友人から話を聞くうちに『これって、もしかしたらブラックなのかも』と思うようになった」と話します。
「先輩や上司からは定時を過ぎてからも仕事を振られて、『今日は日が変わるまで残業だな』と言われたり、金曜の夜に『お前、明日来られる?』と聞かれて、『はい』と答えると『じゃあ、カギ渡しておくからアサイチで来いよ』と言われたり…。よくよく考えるとサービス残業を当たり前のように強要されていたんだと気づき、落ち込んだ」と話していました。
残業時間を調整して申請
「勤怠管理システムなんてあってないようなもの」と語るのは、金融機関で働く30代のBさんです。
「うちはPCやスマホで打刻できるシステムになっているけれど、基本的に後から申請することが多い。上司からも『残業は30時間未満になるようにうまくやって』と言われている。出社や退社をその場で打刻するととても30時間なんかでは収まらないから、時間を調整して申請する」と話していました。
勤怠管理システムは、打刻を忘れたときのために後から申請することもできるようですが、それを利用する形で勤務時間を調整するよう指示するのはいただけません。残業時間を30時間未満に抑えること自体は非常に大事なことですが、それが数字上だけの調整では意味がないでしょう。
トイレに立つにも上司への声かけが必要
トイレに行くときですら上司に報告しなければならないと嘆くのは、貿易関連の仕事をしている30代のCさんです。
「席を立つときには基本的に上司への報告が必要で、トイレも自販機へ飲み物を買いに行くときも声をかけないといけない。中途入社してすぐに『ブラックかも』と思った」と話します。
「当然ランチに行くときも声を掛ける。デスクに置いてある電話を『待機中』という表示に変更して休憩に入るのだけれど、そこで何分間待機中になったかがわかる。上司がそれをチェックしているので、本来60分の休憩時間だけど、プレッシャーで60分フルに取っていられない」とCさんは言います。
休憩時間を見張られていると思うと、とてもリラックスなどできないでしょう。トイレの時間まで報告するのは精神的にも厳しいものがあります。
みなし残業代以上の長時間残業
正確な残業時間を把握できない場合に、みなし残業としてあらかじめ残業時間を見込んだ報酬を支払うという仕組みがあります。
残業代が含まれた額がもらえるというのは、一見、悪いものではないように感じますが、働き手にとって不利な状況に陥る場合があるようです。IT企業で働く30代のDさんは、みなし残業があることでかえって長時間残業させられていると言います。
「うちの会社はみなし残業代として30時間分が支払われることになっている。みなし残業と言う言葉でごまかされてしまっているけれど、残業はとても30時間では収まらない。でも、それ以上の残業代を請求できる空気でもないから、残業時間は調整して申請する。いまだにIT企業とは思えない手書きの勤怠カードなので、いくらでも調整できる」と嘆いていました。
おわりに
残業時間を調整したり、サービス残業を強要されたり、トイレに行くにも上司へ知らせる必要があったりと、ブラック企業かもと思う理由はさまざまでした。こうした体質の企業がなくなるのが一番ですが、現実はなかなかそうはいきません。「ブラック企業かも」と思うようになったら、いつでも転職できるように準備を始めたいものです。
参考資料
ブラック企業に関するアンケート調査(https://nichirou.com/3870)(日本労働調査組合)
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