40代、50代で早期リタイアしたサラリーマンが語る「FIRE」の秘訣
LIMO / 2021年9月22日 18時45分

40代、50代で早期リタイアしたサラリーマンが語る「FIRE」の秘訣
最近、様々な場面で「FIRE」という言葉を目にするようになりました。経済系メディアを中心に、「FIRE」を取り上げる記事も増えています。
その「FIRE」とは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字4文字を取ったもので、経済的に自立して早期リタイアし、仕事に縛られずに自由に生きていこうという考え方です。
これだけ聞くと、「自分もそうなりたい…」あるいは「会社をやめて自立できるものなのか…」と思う人もいるかもしれません。そこで今回は、40代でFIREした3人に、早期リタイアの秘訣を聞いてみました。
FIREするための資金づくりは楽ではなかったが…
1人目は、48歳で退職し、今は自分の好きなタイミングで働けるフリーランスとして、ゆるく仕事を続けているというAさんです。
Aさんは「FIREするうえで仕事は0か100かじゃない。あくまで仕事に縛られるという現象をなくして、自分がストレスを感じない範囲で楽しんで働くというのがFIREを目指した理由」と話します。ただ、FIREするための資金を貯めるのは、そう簡単ではなかったようです。
「自分が早く仕事をやめて自由な暮らしをしたいと思った14年前には、今のような『FIRE』という言葉はなかったけれど、30代半ばからずっと考えていた。もともと会社勤めは性に合わないというか、仕事で自分のやりたいことが後回しになるのが嫌だったから、早期リタイアを目標に貯金と投資を続けてきた」と言います。
具体的には、Aさんは毎月20万円ほどの金額を貯金に充て、ボーナスも全額貯金していたものの、「途中から、このままではいつまでたっても早期リタイアできないと思い、投資も始めた」のだそうです。
「これが意外と効果的で、ちょうどアベノミクス相場に乗れたこともあり、そこでぐっと資産がふえた。経済的に自立するのはやっぱり大変なことだと思いながら、ようやくめどが立ったので退職することにした」と振り返ります。
Aさんは大手コンサル会社で働いていたこともあり、相応の金額を貯金に回せたこと、また投資のタイミングに恵まれたことで比較的短期間でFIREを実現できたようです。
早期退職募集でチャンスが巡ってきた
続いては、54歳でFIREしたBさん。Bさんはメーカー勤務でしたが、会社の経営状況が悪化して早期退職募集がかかったためにそこで退職。その後は得意の中国語を活用し、外国人向けの日本語講師として週3~4コマの講義を受け持っています。
「30代に差し掛かったあたりから中国とのビジネス機会が増えたので、一念発起して中国語を勉強した。現地で仕事をすることも多く、中国語が不自由なく話せるようになった」と、中国語を習得した経緯を話すBさん。
「自分が小さい頃、父が仕事ばかりであまり家にいないことを寂しく感じていたし、それで子ども3人を育てる母の姿も見てきた。そんなこともあり、仕事づくしで終わる人生は嫌だなぁ、65歳の定年まで40年間以上会社で働くのは御免だと思っていた」と続けます。
そんなBさんのもとに舞い込んだのが早期退職募集の知らせ。「会社で早期退職者を募っているのを見て、これはチャンスだと思い、すぐに手を挙げた。上司や部下からは引き留められたけれど、こんな待遇で早くに会社を脱出できるなんて願ってもないチャンスだと思った」のだそうです。
「妻に話したら、一人息子も社会人として働いているし、いいんじゃない?と…。妻がピアノ教師として働いていたこともあり、自分も教える仕事をしてみようかと語学学校の面接を受けに行った。現在は業務委託で週に3~4コマの授業を持たせてもらっている」
「今の収入は決して多くないけれど、楽しんで働いている。今後はコーチとして一人ひとりの生徒に寄り添って教えたり、サポートしたりする仕事も展開していきたい」と話してくれました。
Bさんの場合、共働きだったことや中国語のスキルを持っていたことなど、早期リタイアを実現するのには適した状況でした。そこにきて勤務先が早期退職を実施したことで、絶好のタイミングでFIREに踏み出せたようです。
FIRE後の生活をイメージしてスキルを磨く
IT企業の人事として働いていたCさんは、50歳の誕生日を迎えてすぐに会社を退職しました。
現在、フリーランスのキャリアコンサルタントと翻訳業で週に2、3日稼働しているCさんは、「FIREの秘訣は、リタイア後の生活を具体的にイメージすること」だと言います。
「早期リタイア後は、今現在やっている仕事をしようと思っていたから、フリーランスとしてやっていく信頼を獲得するためにスキルを必死で磨いたし、資格試験の勉強もたくさんした」のだそうです。
「会社勤めで人事部の仕事をしているときにも、常に『キャリアコンサルタントだったらどうやってアドバイスするか』とか『どうやって自分の言葉を相手に響かせるか』ということを考えて仕事をしていた。FIRE後にやることが明確なら、それまでのサラリーマン人生も無駄にはならない」と話してくれました。
おわりに
3人に共通していたのは、かなり綿密な計画を立てていたことでした。妻と2人暮らしのCさんは「ずっと共働きで働いてきたから貯金は十分にあるし、こまめに投資もしてきた。持ち家のローンも繰り上げ返済で完済済み」と言います。
「自分の親は既にいないので心配ごとは妻の両親のみだけれど、妻の両親からは介護が必要になっても自分たちでなんとかするだけの蓄えはあると言われていた。だから、今後自分たちの生き方を根底から揺るがすようなことが起こる可能性は極めて低いと判断した」と教えてくれました。
Cさんのように、この先まとまったお金が必要になる可能性を考えておくことも、FIREをする準備の大事な要素です。また、リタイアした後の生活を考えて、自分のスキルをどのように活用していくかを検討する必要もありそうです。
今回話を聞いた3人は仕事を完全にやめるということはせず、週に数日間、ストレスを感じない範囲で働くという選択をしていました。それが自分の生きがいにもなっていて、生活にハリが出ると言うのです。ゆるく仕事を続けたいと思うのであれば、FIRE後の生活を見据えて必要なスキルを磨くことも重要ですね。
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