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【一戸建て購入者のお金事情】注文住宅・建売・中古で価格や返済月額はどう違う?

LIMO / 2021年9月22日 18時15分

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【一戸建て購入者のお金事情】注文住宅・建売・中古で価格や返済月額はどう違う?

一口に一戸建てといっても、注文住宅、建売住宅、あるいは中古の住宅など、複数の選択肢があります。憧れのマイホームとなるとアレコレ夢がふくらむでしょうが、現実的には家計との相談で決断することになります。

住宅金融支援機構の「2020年度 フラット35利用者調査」では、フラット35(買取型または保証型)利用者の属性や住宅の概要などを、2021年3月31日現在のデータに基づき集計。

そこから、土地付注文住宅(2万3892件)、建売住宅(1万9691件)、中古戸建(8341件)購入者の世帯収入や所要資金、返済月額などを見てみましょう。

戸建ての種類で所要資金は2000万円近く違う

まず、戸建て種類別の全国平均の所要資金額と住宅面積、敷地面を見てみましょう。なお、所要資金とは、土地付注文住宅の場合は土地取得費と建設費の合計額、建売住宅と中古戸建では購入価格を指します。

所要資金

土地付き注文住宅:4397.3万円

建売住宅:3495.2万円

中古戸建:2480.2万円

新築の戸建てであっても、土地付き注文住宅と建売住宅では所要資金に約900万円の差があり、土地付き注文住宅と中古戸建だと1900万円もの開きがあります。では、物件の広さはどのくらい違うのでしょうか。

住宅面積

土地付き注文住宅:111.1㎡(敷地面積195.2㎡)

建売住宅:101.1㎡(敷地面積130.0㎡)

中古戸建:113.2㎡(敷地面積165.3㎡)

住宅面積の平均では中古戸建が最も広く、敷地面積※では土地付注文住宅が最も広くなっていますが、それほど大きな差はありません。全国平均であるため都市部では参考にしづらいですが、土地付き注文住宅の敷地面積は195.2㎡で、建売や中古戸建よりかなり広いことが分かります。

※敷地面積については外れ値があるため中央値を使用。

中古戸建は築古物件が年々増加

マイホーム取得する際、物件価格が安く、面積が広いというのは魅力的な条件です。ただ、中古戸建の場合、同じような条件の新築よりも当然ながら物件価格は安いですが、物件を選ぶ際には築年数がどのくらいかが重要なポイントになってきます。

2020年度の結果をみると、住宅の平均築後年数は20.2年。2010年度の平均築後年数は14.7年だったので、この10年で5年あまり長くなっていることが分かります。

また、築年数21年以上の中古住宅の割合が、2010年:23.8%、2015年:37.7%、2020年:47.1%と年々増加しているのも目を引きます(図表1参照)。

図表1:中古住宅の築後年数の推移

(/mwimgs/7/9/-/img_794de205f8a94cb4bfe5c2c047b0775c110932.jpg)

拡大する(/mwimgs/7/9/-/img_794de205f8a94cb4bfe5c2c047b0775c110932.jpg)

出所:2020年度フラット35利用者調査(独立行政法人 住宅金融支援機構)

戸建購入者の世帯年収、頭金、返済月額

次に、戸建て種類別に購入者の世帯年収や頭金、月々の返済額の平均をみていきます。

購入者の世帯年収

土地付き注文住宅購入者:634.9万円(平均年齢37.6歳)

建売住宅購入者:557.3万円(同39.3歳)

中古住宅購入者:494.9万円(同42.5歳)

年収倍率は増加傾向

近年、土地付き注文住宅、建売住宅、中古戸建のすべてにおいて所要資金の上昇傾向が続いています。

2020年度はコロナ禍もあり、前年比の伸び率は建売住宅が0%、中古戸建は△3.6%でしたが、土地付注文住宅では土地取得費で伸び率が前年比3.9%、建設費は3.0%となっています。

所要資金の増加に伴い、年収倍率も上昇しています。年収倍率は所要資金が年収の何倍にあたるかを示しますから、年収倍率が大きくなればなるほど収入に対する返済の負担は重くなります。戸建て種類別では以下のようになっています。

土地付き注文住宅:7.4倍

建売住宅:6.8倍

中古戸建:5.5倍

手持金(頭金に相当)

土地付き注文住宅:440.5万円(購入価格の10.0%)

建売住宅:247.3万円(同7.1%)

中古戸建:198.7万円(同8.0%)

借入金

土地付き注文住宅の場合、住宅金融支援機構の融資金とその他の資金の合計額平均は3956.8万円、建売住宅が3247.9万円、中古戸建が2281.5万円。いずれも所要資金の9割程度を借入しています。

また、購入者の平均年齢は40歳前後ですから、フラット35を利用できる期間の最長35年で考えると、ローン完済時は75歳。無理して繰り上げ返済するのは避けたいですが、60歳、65歳という節目のタイミングで住宅ローンをどうするのかを考える必要はあるでしょう。

毎月の返済予定額

毎月の返済予定額平均は、土地付き注文住宅が11万9500円、建売住宅が10万300円、中古戸建が7万4100円。

世帯年収に対する年間返済額の割合である総返済負担率で見てみると、土地付き注文住宅が24.1%と最も高く、建売住宅が23.1%、中古戸建が19.7%となっています(図表2参照)。

2020年度の全体の総返済負担率の平均は21.7%なので、土地付き注文住宅と建売住宅の購入者の総返済負担率は全体よりやや高めになっているようです。

図表2:戸建て種類別の所要資金、1カ月当たり予定返済額、総返済負担率

(/mwimgs/7/b/-/img_7b2bb725fad44432d2330c08981470ea75056.jpg)

拡大する(/mwimgs/7/b/-/img_7b2bb725fad44432d2330c08981470ea75056.jpg)

出所:2020年度フラット35利用者調査(独立行政法人 住宅金融支援機構)

戸建て購入はじっくり検討を

人生で一番高い買い物といわれるマイホームですが、新築と中古との違いに加え、新築でも注文住宅か建売住宅かで所要資金や広さにずいぶん違いがあるようです。

自分の好みに合わせてリフォームやリノベーションをするため、あえて中古住宅を購入する人もいるかもしれませんし、”やっぱり新築じゃないと”という人もいるかもしれません。

ただ、マイホームの形は違えど、綿密な返済プランが重要であることに変わりはありません。さらに、コロナ後の経済回復が見通しにくい今は、収入減の可能性まで想定して借り入れを検討することが必要なのではないでしょうか。

参考資料

2020年度フラット35利用者調査(https://www.jhf.go.jp/files/400357456.pdf)(独立行政法人 住宅金融支援機構)

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