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共働き世帯の資産形成―複数の目的に合わせたアセット・ロケーションー

LIMO / 2021年9月17日 18時45分

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共働き世帯の資産形成―複数の目的に合わせたアセット・ロケーションー

皆さんは何のために資産形成を進めていますか。コロナ禍のような収入が減る危険が目の前に迫ると、「やはり万一の時に少し貯蓄があると安心だよな」と思われたことでしょう。

また、2000万円問題が注目された時には「老後の資金を考えなければ」とも思われたかもしれません。子どもさんが生まれれば教育資金も頭からはなれませんよね。

そこで本日は資産形成で苦悩している皆さんへ、どのような方法で資産を作っていけばよいのか、本稿にてお伝えしたいと思います。

複数の目的別に資産形成をおこなう

資産形成の目的は1つでありません。実際、多くの人が複数の目的をもって資産形成を進めていることも知られています。

グラフ1は、金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査」のなかから「金融資産の保有目的」をみたものです。

3つまでの複数回答可の設問ですが、過去20年以上、常に回答の合計比率は250%くらいになっているところに注目してください。多くの方が2つ以上の目的を念頭に置いて、資産形成を進めていることがわかります。

金融資産の保有目的の上位3つは「老後の生活資金」、「病気や不時の災害への備え」、そして「こどもの教育資金」です。

特に「老後の生活資金」、「病気や不時の災害への備え」は6割、7割の人が挙げています。昨今の事情もあって、この2つは非常に身近になっていることがわかります。グラフ1の2020年のところを見てください。この2つの項目が跳ね上がっているのがわかりますね。

グラフ1. 金融資産の保有目的(金融資産保有世帯)の推移 (単位:%)

(/mwimgs/f/d/-/img_fd194b45e17fe8c67d45207a06b736f3141348.png)

拡大する(/mwimgs/f/d/-/img_fd194b45e17fe8c67d45207a06b736f3141348.png)

(注) 回答で直近データが10%を超える7項目だけを抽出。この設問は3つまでの複数回答可で聞いたデータ。(出所)金融広報中央員会。「家計の金融行動に関する世論調査」よりフィンウェル研究所作成

貯蓄の目的は「万一の備え」から「老後の生活資金」に

資産形成といえば「老後の生活資金」を頭に浮かべる人が多いでしょう。「老後の資産形成」に関しては、メディアやファイナンシャル・プランナーの方が、こぞってよく取り上げるトピックです。

しかし、このグラフ1からわかることは、「老後の生活資金」がトップになったのは2013年からで、この10年弱のできごとだということです。

それまでは「万一の備え」がずっとトップを占めてきました。特に80年代、90年代はダントツと言っていいほどの差がありました。

それがバブル経済の崩壊以降、金融危機(1997年)、リーマンショック(2009年)など景気悪化が起きるたびに公的年金の先行きが懸念され、その都度「老後の生活資金」を挙げる人が増えてきたのです。

苦悩する30代・40代、「貯めるべき項目」がありすぎる

資産保有の目的を年代別に見たのがグラフ2です。特徴的なのが30~40代の資産保有目的です。

50%前後以上の人が3大目的の「万一の備え」、「老後の生活費」、「子どもの教育費」を挙げていて、どの項目も優劣つけ難いということが良くわかります。

グラフ2. 年代別、金融資産の保有目的(金融資産保有世帯、2020年)       (単位:%)

(/mwimgs/e/f/-/img_ef62dd44c9f8e7fa0a00f95cf93e4ca956922.png)

拡大する(/mwimgs/e/f/-/img_ef62dd44c9f8e7fa0a00f95cf93e4ca956922.png)

(注) 3大項目だけを抽出。この設問は3つまでの複数回答可で聞いたデータ。(出所)金融広報中央員会。「家計の金融行動に関する世論調査」よりフィンウェル研究所作成

最も家計が苦しいといわれる年代の30代、40代。複数の必要資金需要にどう向き合っていくべきか…なかなか簡単な話ではありません。

というのも、目的に合わせると準備の期間も方法も異なるので、管理する口座を分けるなどの工夫が必要になります。

そこで考えたいのが、目的別の資産形成口座を作ること(アセット・ロケーション)です。

それぞれの制度の特徴を踏まえて、目的別口座にお金をわけて管理すれば、準備してきた資金を他の目的のために流用するといったことも避けられます。

「老後の生活資金」は企業型DC、iDeCoを柱に

例えば、「老後の生活資金」では資産形成の期間が長くなります。

30代であれば、30年くらいは資産形成に時間をかけることができます。投資信託などを活用して、高めのリターンをとる資産運用を考える必要があります。

リターンを高くする分、リスクも高まりますが、それを抑制するために「長期・分散・積立て投資」を必須のスタイルとすることが重要です。

加えて、この資金は途中で引き出しては意味がありません。退職まで引き出せない制度設計になっている「確定拠出年金(企業型DC)」を活用することを検討してください。

勤め先が企業型DCを採用していれば、企業型DCを最初に活用することをおすすめします。

企業型DCでは、拠出金は企業が負担することになっていますので、皆さん自身は運用先を決めるだけです。

会社によっては自身の追加拠出を認める制度を導入しているところもあります。「拠出額はできる範囲…」というのも大事ですが、老後資金をできるだけ多く確保するために、より多くの資金拠出をすることも検討してください。

会社に企業型DCがない場合には、個人型確定拠出年金(iDeCo)を活用することが可能です。

企業型、iDeCo、ともに個人ごとに口座を作れますから、共働き世帯では夫婦それぞれに会社の制度、個人でできる制度をフル活用することが大切でしょう。

「子どもの教育資金」はNISAの活用を

子どもの教育資金の準備は、子供が生まれたときにスタートさせて大学に入るまでと考えると20年弱の期間があります。

もちろん、もっと後から始めることもありますし、大学ではなく高校の入学・教育資金であればもっと準備期間は短くなります。

こうした資産形成には、資金を引き出す自由度のある非課税口座=少額投資非課税制度(NISA)が使えます。特に非課税期間が20年と長い「つみたてNISA」が使いやすいはずです。

「万一の備え」としての資産形成は、流動性の高い預金を手元に残す、また保険を活用するなどが有効です。

ただ、会社員の方なら、会社の福利厚生制度を良く調べておく必要があります。特に保険などは、会社が従業員の病気休暇に伴う所得補償、死亡保険などを用意しているところもあります。個人で入る保険などと被っていれば、あえて負担をする必要もないはずです。

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