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飼い猫がいる状態でコロナに感染したら……対策を考える

LIMO / 2021年9月19日 11時35分

飼い猫がいる状態でコロナに感染したら……対策を考える

飼い猫がいる状態でコロナに感染したら……対策を考える

ペットとして人気の猫。見た目のかわいらしさのみならず、散歩が必要な犬と比べると、比較的飼いやすいという特徴もあります。

「猫の飼い主が新型コロナに感染した」ケースは2021年の8月下旬にニュースなどで話題になりました。保健所が入院を勧めたにもかかわらず、「猫の預け先がない」と入院を拒否した結果、この飼い主は不幸にも自宅療養中に亡くなったのです。

猫については無事保護されたのですが、早い段階で猫をペットホテルに預けるなどして入院の手配ができれば、飼い主の命も救えたかもしれません。

私自身も2匹の猫を飼う飼い主として、飼い主が新型コロナに感染した場合に備えて、飼い猫を守るためにはどのような対策が事前に必要かを考えてみました。

近年の猫の飼育数は900万頭越え。室内飼いが中心

一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」によると、猫の飼育頭数は下記のとおりです。数字としてはほぼ横ばいでした。

2016年:930万9000頭

2017年:952万6000頭

2018年:964万9000頭

2019年:977万8000頭

2020年:964万4000頭

また、2020年の猫の主な飼育場所としては「室内のみ」が79.6%を占めており、飼い猫を幼い頃から室外に出さずに飼い続けるスタイルが主流です。

「外に出したら家に帰ってくる猫」というイメージを持つ方もいると思いますが、現在では猫は「家で大切に飼うもの」になっています。したがって、先ほどの飼い主の方が「猫の預け先がない」という理由で入院をためらったのも、猫を飼う筆者としても、言い分もわからなくはない……というのが正直な感想です。

飼い主が新型コロナに感染してしまった場合:コロナ対策

続いて、飼い主が新型コロナに感染した場合の対策について考えていきます。
この対策は「新型コロナウイルス感染対策」と「やむを得ずペットを飼い続けられなくなった」時の対応の2軸があるので、順番に考えていきましょう。

まず、「新型コロナウイルス感染対策」については厚生労働省「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)」が参考になります。

というのも、家族で猫を飼っている場合は、感染者を隔離しながら猫を世話し続ける必要があるからです。

一人暮らしで猫を飼っている場合でも、猫の世話を親族や友人に頼む場合は特に、頼まれた人がその感染した人の家に立ち入ることになるので、新型コロナウイルスに感染しないように対応しなければなりません。

注意点は下記8点です。

1.感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける
2.感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方(一人が望ましい)にする
3.できるだけ全員がマスクを使用する
4.小まめにうがい・手洗いをする
5.日中はできるだけ換気をする
6.取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する
7.汚れたリネン、衣服を洗濯する
8.ゴミは密閉して捨てる

自宅であっても、部屋を分けられない場合は感染者と2メートル以上の距離を保ち、感染者本人・世話する人共にマスクを使うことがすすめられています。

また、出たごみはすぐビニール袋に入れ、密閉して捨てたのちは手洗いをするなど、感染者以外が感染しないように対応を徹底しましょう。

飼い主が新型コロナに感染してしまった場合:飼えなくなった時の対策

そして、可能な限り避けたい事態ではありますが、冒頭の事例のように「ひとり暮らしで入院が決まり、その家に猫以外誰もいなくなる」可能性もあります。

飼い主にはペットがその命を終えるまで適切に飼養する「終生飼養」の責任があるため、どうしても飼えなくなった場合・飼い主が先に亡くなった場合も想定して準備する責任があるのです。

飼えなくなった時の対策には、東京都動物愛護相談センター「飼い続けるのが難しくなってしまったら」のページが参考になります。

特に、新型コロナウイルス感染などによる一時入院の場合は「一時預かり先の確保」の項目が重要です。具体的には、下記2つの方法が提案されています。

親戚、ご近所、友人などに頼む

ペットホテルを利用する

とはいえ、いずれも、厳密には「突然飼えなくなった」時の対策ではありません。
最も重要なのは、一人暮らしの場合は特に、いざとなったら預けられる先を事前に決めておき、関係性を作っておくことです。ペットホテルに預ける場合、ワクチン接種など事前に預け入れ条件が決まっていますので、あらかじめ調べておいて、準備をしておく必要があります。

特に、ペットホテルについては、預ける期間が長くなればなるほど、費用がかさみます。あらかじめ貯金しておくなど、経済面の余裕も必要です。

行政機関でも、各自治体の役所・保健所や、東京都動物愛護相談センター(東京都の場合)などで犬や猫に関する相談を受け付けていますので、困った時は相談してみましょう。

猫などのペットを飼う場合、最も重要なのは「最悪の事態をあらかじめ想定して、準備しておくこと」なのです。

参考資料

一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」(https://petfood.or.jp/data/)

厚生労働省「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.html)

東京都動物愛護相談センター「終生飼養と飼い主責任」(https://wannyan.metro.tokyo.lg.jp/konnan/sekinin/)

東京都動物愛護相談センター「飼い続けるのが難しくなってしまったら」(https://wannyan.metro.tokyo.lg.jp/konnan/)

東京都動物愛護相談センター「困った時の解決方法2 一時預かり先の確保」(https://wannyan.metro.tokyo.lg.jp/konnan/sono2/)

東京都動物愛護相談センター「困った時の解決方法4 ペットについて相談」(https://wannyan.metro.tokyo.lg.jp/konnan/sono4/)

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