新築マンションと中古マンションの差~購入者の年収・頭金・返済月額は?
LIMO / 2021年9月30日 18時35分
新築マンションと中古マンションの差~購入者の年収・頭金・返済月額は?
住宅金融支援機構の「2020年度フラット35利用者調査」では、フラット35(買取型または保証型)利用者の属性や住宅の概要などを、2021年3月31日現在のデータに基づき集計しています。
今回の調査で目についたのは、融資区分別におけるマンションの割合が2004年度の調査開始以来、最も低下して8.5%になったこと(前年度比1.9%減)。中古マンションの割合は12.5%(同1.3ポイント減)でした。
では、マンション購入者のお金事情はどうなっているのでしょうか。同調査から、新築マンション(6657件)、中古マンション(9818件)の購入価格や住宅の広さ、購入者の世帯収入などを見ていきます。
新築マンションと中古マンション「所要資金と住宅面積」
まず、所要資金と住宅面積の平均は以下の通りになっています。
新築マンション:4545.2万円(66.2㎡)
中古マンション:2971.4万円(67.9㎡)
住宅面積は新築と中古で大きな違いはありませんが、所要資金では新築は中古の約1.5倍という価格差があります。ただ、だからといって中古マンションがお得なのかというと、一概にそうとも言えないようです。
中古マンションも手が届きづらく
中古マンションの平均所要資金はこの10年ほぼ右肩上がりで、2020年の2971.4万円は2010年の2588.9万円より約400万円高くなっています。
一方、住宅面積は2010年の71.3㎡から2020年の67.9㎡へと6.6㎡減少。築年数は2010年の13.4年から2020年は24.9年へと11.5年増加。価格が上昇する一方で、住宅面積は狭くなり、築後年数が長期化していることが分かります(図表1参照)。
新築マンションと中古マンション「購入者の世帯年収、頭金、返済月額」
次に新築・中古マンション購入者のお金事情を見ていきましょう。
購入者の平均世帯年収
新築マンション:788.5万円(平均年齢42.8歳)
中古マンション:586.3万円(同42.4歳)
【参考】
土地付き注文住宅:634.9万円(平均年齢37.6歳)
建売住宅:557.3万円(同39.3歳)
新築マンションの購入者は、土地付き注文住宅や建売住宅購入者とくらべても世帯年収が高く、年収600万円以上の世帯が過半数を占めています。
所要資金に対する年収の割合を表す年収倍率も、中古マンションの5.8倍に対し、新築マンションは7.0倍と高く、新築マンション購入者は高年収を背景に、それなりに高価格の物件を購入していることが分かります。
手持金(頭金に相当)
新築マンション:758.1万円(購入価格の16.7%)
中古マンション:343.4万円(同11.6%)
新築マンションの場合、住宅金融支援機構からの借入金とその他借入金を合わせると3786万円、中古マンションの場合は2628万円です。新築では所要資金の8割強、中古では9割弱を融資で賄っていることになります。
毎月の返済予定額
新築マンション:12万3100円(返済負担率:21.7%)
中古マンション:8万5600円(同:19.6%)
新築マンションの1カ月あたりの予定返済額は12万3100円(前年度比1.7%増)、中古マンションは8万5600円(前年度比3.1%減)でした。
マンション購入者は1~2人世帯が約6割を占める
フラット35の融資区分すべてで家族数1~2人世帯の割合は増加していますが、マンションでは新築で59.9%、中古は57.0%と、ともにその割合は半数以上を超えています。
新築マンションと中古マンションのまとめ
住宅金融支援機構の「2020年度フラット35利用者調査」からは、単身世帯や夫婦2人世帯にとっては、コロナ禍であってもマンションに対するニーズの高さが窺えます。
とはいえ、昨今のマンション価格の上昇スピードに年収は追いついておらず、年収倍率は上昇しています。返済負担が高まる中、思わぬ収入減にも対応できるように手元資金も考慮した返済プランを立てることが大事だと言えるのではないでしょうか。
参考資料
2020年度フラット35利用者調査(https://www.jhf.go.jp/files/400357456.pdf)(住宅金融支援機構)
令和2年度 住宅経済関連データ(https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html)(国土交通省)
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