犬・猫にマイクロチップ義務化!どうすればよいか
LIMO / 2021年10月10日 11時35分
![犬・猫にマイクロチップ義務化!どうすればよいか](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_25409_0-small.jpg)
犬・猫にマイクロチップ義務化!どうすればよいか
2021年9月24日に「動物の愛護及び管理に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されました。この政令は、2022年(令和4年)6月1日に施行される「動物の愛護及び管理に関する法律(いわゆる動物愛護法)等の一部を改正する法律」に伴うものです。
2022年6月1日に施行される改正動物愛護法では、犬・猫の販売時にマイクロチップ装着が義務化されます。また、マイクロチップを装着した犬・猫の所有者は環境大臣の登録を受ける必要があります。
では、犬・猫の飼い主やこれから飼いたい方は具体的にどのようにすればよいのでしょうか。本記事では具体的な対策を解説します。
新たに埋め込む場合はどうすればよい?費用は?
マイクロチップは、通常の注射針より少し太い専用のインジェクターを使って体内に埋め込みます。注射と同じ行為になるため獣医療行為です。したがって、必ず獣医師が対応する必要があります。
すでに犬や猫を飼っている方で新たにマイクロチップを埋め込みたい場合は、お近くの動物病院に相談しましょう。埋め込みの際の費用は動物病院によって異なりますが、1匹・1頭あたり5000~1万円程度が相場のようです。
登録については、現行法においてはマイクロチップ装着後、飼い主自身で行う必要があります。登録先は「動物ID普及推進会議(AIPO)」で、飼い主名・住所・電話番号などを登録します。AIPOへの連絡方法は現状電話のみ(TEL:03-3475-1695)です。
ただ、Pet Plus(ペットプラス)のように、AIPOへの登録代行を請け負っているペットショップもあります。新しく飼う時には代行の有無やマイクロチップ情報登録手順もペットショップに確認してみましょう。
マイクロチップ情報の登録費用については、2021年9月24日に閣議決定された政令で定められています。オンライン申請の方が大幅に安くなっていますので、オンライン申請を活用するとよいでしょう。
登録、変更登録を受けようとする者:オンライン申請300円・紙申請1000円
登録証明書の再交付を受けようとする者:オンライン申請200円・紙申請700円
つまり、新たに埋め込む場合は1匹・1頭あたり1~2万円を予算としてみておくと安心でしょう。
日本でのマイクロチップ対応の経緯
では、このマイクロチップは日本ではどのような位置づけになっているのでしょうか。日本国の法改正に着目してまとめてみます。
まず、2004年に「犬等の輸出入検疫規則」の改正が行われました。この改正により、動物検疫で、動物を日本へ輸入する場合にISO規格のマイクロチップの装着が義務化されました。これが、法律にマイクロチップが初めて登場するタイミングです。
つづいて、2005年には「外来生物法」の施行・「動物愛護管理法」の改正により、カミツキガメやアライグマなどの特定外来生物へのマイクロチップの装着や、トラやクマなどの特定動物(危険動物)へのマイクロチップによる動物個体の識別措置等が義務化されました。
ただ、この段階では国内でペットとして飼う犬・猫へのマイクロチップ装着は義務付けられていません。
続いて動きがあったのは2012年の動物愛護管理法改正です。この時に法施行後5年を経過した場合の見直し条項が規定されており、その中に「マイクロチップの装着の義務づけ」が盛り込まれました。これに基づいて2019年に動物愛護管理法が改正・公布されたものが、冒頭で紹介した2022年(令和4年)6月1日に施行されるものです。
最初にマイクロチップ関連の法改正が行われてから犬・猫への装着・登録が義務化されるまで、17年の年月が経っているということになります。
マイクロチップは災害時・脱走時にも有効
では、飼い主にとってマイクロチップはどのようなメリットがあるのでしょうか。
マイクロチップを埋め込み、情報を登録しておくことによって、全国の動物愛護センターや保健所、一部の動物病院や警察など、動物が保護される可能性のある施設で保護されたときに「飼い主の情報」が特定でき、飼い主に連絡が届くようになっているのです。
つまり、マイクロチップを埋め込むことで地震や洪水などの災害時や、ペットが脱走してしまった時でも、確実に自分の犬・猫に会える確実が高まります。これはペットの飼い主にとっては朗報とも言えます。
ただ、繰り返しにはなりますが、このメリットを得るには、マイクロチップを埋め込んだだけではいけません。飼い主自身がマイクロチップに対応した連絡先情報を登録しておく必要があるのです。この点の周知があまり行われておらず、登録方法も現状は「電話のみ」と非常に限定されているので、埋め込み義務化以降の課題になると考えられます。
参考資料
環境省「動物の愛護及び管理に関する法律施行令の一部を改正する政令の閣議決定について」(https://www.env.go.jp/press/110014.html)
動物の愛護と適切な管理「マイクロチップをいれていますか?」(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/chip.html)
日本獣医師会「マイクロチップを用いた動物の個体識別」(http://nichiju.lin.gr.jp/aigo/index.html)
公益財団法人 日本動物愛護協会「マイクロチップを知っていますか?」(https://jspca.or.jp/microchip.html)
動物ID情報データベースシステム(https://www.aipo.jp/Login/Index?ReturnUrl=%2f)
PetPlus「マイクロチップとは」(https://www.ahb.jpn.com/boshitecho/check/microchip/index.html)
動物検疫所「動物検疫所の沿革」(https://www.maff.go.jp/aqs/sosiki/04.html)
日本の外来種対策「マイクロチップ埋込み技術マニュアル」(https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/shiyou/microchip.html)
動物の愛護と適切な管理「特定動物(危険な動物)の飼養又は保管の許可について」(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/danger.html)
環境省「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の概要」(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_r010619_39_1.pdf)
動物の愛護と適切な管理「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年6月19日法律第39号)」(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/nt_r010619_39.html)
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